ベアリングの装着手順 | ||
1 | これら4種類がセットとなっています。 |
まず、お送りさせて頂いたキットの内容をご確認ください。 1. ニードルローラー(67本〜68本) 2. エンジニアプラスチック製スラストベアリング 2個 3. 専用グリス(約10g) 4. ブレーキワイヤー用アルミエンドキャップ 1個 |
2 | (竹串1本・3mm6角レンチ・カッターナイフ・ウエス・8mmスパナ・13mmスパナ・プライヤー又はペンチ・瞬接) これらをご用意ください。 |
お客様にご用意いただくもの 1:焼き鳥用の竹串(1本)本来ですと直径1.5mmのピアノ線かバネ鋼材が良い のですが、これ等を持っているご家庭は少ないと思い、竹串にしました。 2:A-Bike本体に付属している工具一式(出来れば6角レンチのセットやスパナセットをホームセンターで購入して頂くのが後々の為にも良いと思います。 付属の工具は決して精度が良いものではありません。ホームセンターではそれぞれ500円前後で販売されています) 3:カッターナイフ 4:ティッシュペーカーかキッチンペーパー。毛羽立たないウエスがベストです。 5:状態によっては瞬間接着剤が必要になる事があります。 |
3 | 竹串をこのように削ります。 |
いよいよ改造に着手と言いたいところですが、その前にご用意頂いた竹串の加工から始めましょう。 竹串の直径は2.5mmから太いもので3mmありますので、それを2mm以下に削る必要があります。真円に削る必要はありません。 竹串を良く見て頂きますと、僅かに茶色がかった部分と白っぽい部分とがあります。 この茶色部分が表皮に近い部分で強度がありますので、この部分を残し、白っぽい部分を削ります。 |
4 | 先端部分の約5cmがこのような形になればOKです。 |
断面が半円状になるように削ればOKです。 削る長さは尖った先端部分を含め5cm程で十分です。 |
5 | 前半はこの状態で作業を行ってください。 |
いよいよ改造開始です。 まず、フレームを前後共半分ほど伸ばし、前後車輪も半分ほど開いてください。 次に車輪を固定しているボルトを外します。 ボルトヘッド、ワッシャ、アルミスペーサー、ホイール、アルミスペーサー、ナットの 順番になっていますので、この順番を忘れないようにしてください。 |
6 | この方向と順番になります。 |
又、スペーサーは左右非対称で、この向きが重要となりますので、この向きを忘れないようにして外してください。 ボルトを引き抜くと簡単にバラバラになります。ブレーキは外さないでください。 この際に、ホイールからベアリングも同時に外れることがあります。 ベアリングが外れますと中から別のアルミスペーサーが出てきます。 このパーツは非常に重要なパーツとなりますので、組み立ての際は必ずベアリングとベアリングの間に装着してください。 これを忘れるとベアリングが簡単に壊れてしまいますので、注意が必要です。 |
7 | 6角レンチで簡単に外すことが出来ます。 |
車輪が外れましたら車輪を支えていたフォークの樹脂パーツを外します。これは簡単です。 6角レンチを使って一つ々ボルトを外してください。 6箇所のボルトが全て取れましたら、簡単に外すことが出来ます。 |
8 | このようにはさんで引っ張ると簡単に外れます。 |
このパーツが外れましたら次にブレーキワイヤーをブレーキシューから外します。 まず先に、ブレーキワイヤーの先端にあるキャップを外します。ペンチかプライヤーのようなもので軽くつまんで引っ張ると簡単に取る事ができます。 ブレーキに余分な力を加えないよう、片手はボルト部分に添えてください。 |
9 | ボルトを緩めて引っ張ると外れます。 |
キャップが外れましたら次にブレーキワイヤーをブレーキシューから外します。8mmヘッドのボルトで固定されています。、このボルトを外すスパナは付属の工具にも付いていますが先ほどの6角レンチ同様、これもホームセンターでセットで購入される事をお勧めします。A-Bikeで使用するスパナは8mmと13mmですので、単体でこの2種類を購入されても良いでしょう。但し、ペダルを外すには15mmが必要となります。ボルトを緩め、ワイヤーを引っ張るとワイヤーが外れます。 この作業を行う際も、先ほどのキャップを外す作業と同様に、片手はボルト付近に添えてください。 ブレーキシューとワイヤーガイドの間にスプリングが入っていますので、その位置関係を良く憶えておいてください。太い方がシュー側です。A-Bikeや旧Plusのスプリングは作られた時期によりそれぞれ形状が違いますので向きを良く確かめてから外すようにしてください。スプリングのないタイプも存在します。 次に、ワイヤーを固定しているガイド(真鍮製のクネクネと曲がっているパーツです)からワイヤーを引き抜きます。 この時点でフォーク部分が本体と完全に分離された状態となります。 |
10 | 先端の形状は2種類ありますので、注意が必要です。(左:カットされたワイヤー、右:溶接されたままのワイヤー) |
次に、これは非常に重要なポイントです。 本来、ブレーキワイヤーの先端はアーク溶接処理されており、先端部分がバラバラにならないようになってます。 しかし、組み立ての際、長すぎるワイヤーはカットされていることがあります。画像をご覧いただければその違いがお分かりいただけると思います。 もし、カットされている場合、再組み立ての際にバラバラにならないよう瞬間接着剤で先端部分を固定する必要があります。 接着をする際はワイヤーの先端部分をブレーキクリーナーかアルコールで汚れや油分を完全に取り去ってから接着剤を使用してください。家庭用の中性洗剤でも落ちますが、ドライヤーなどで水分を完全に乾燥させてから接着作業を行ってください。この接着が不十分ですと、再組み立て時、ワイヤーをガイドに通す際にワイヤーの先端がバラバラになってしまいますので注意が必要です。もし失敗した場合はワイヤーの先端が捻られている方向にペンチでバラバラになった部分をつまんで回転させれば結構元に戻りますのでやり直しは出来ます。 瞬間接着剤とはいえ、内部に浸透したものが完全に硬化するには1時間ほど掛かりますので、この作業を先にするわけです。 接着剤が十分に硬化したら先端部分を紙やすりかダイヤモンドやすりで先端を全体的に丸くしてください。カットされたワイヤー一本々の先端は針状になっていますので、再組み立ての際にワイヤーガイドの内側に装着してあるすべりを良くするための樹脂チューブにささってしまう事があるからです。この作業の後、さらに瞬間接着剤で先端部分全体をコーティングすれば完璧です。 もちろん、先端部分が溶接されたままの状態でしたらこれ等の作業は省きます。 |
11 | これらの赤いパーツを外します。 |
準備が整いましたらヘッド部分を外し、赤いプラスチックベアリング2個を外します。 Plusになる前のA-Bikeは黒色で出来ております。 |
12 | 作業をしやすく為に画像のようにさかさまセットします。 |
次に、本体を画像のように逆さまにセットして作業に入ってください。 |
13 | まず先にこのスラストベアリングを装着します。 両面に薄く専用グリスを塗布してください。 |
いよいよベアリングの装着開始です。 白色のスラストベアリングが2枚入っていますので、一枚をまず装着してください。 両面に薄く専用グリスを塗ってから装着をお願いします。 |
14 | 次にヘッドパーツを入れます。 |
次に本体の黒いヘッドパーツをセットします。 フレームとヘッドパーツに隙間が出来ますが、この隙間にぐるりとベアリングを差込みます。 |
15 | このようにベアリングの先端に少しグリスをつけます。 |
付属の専用グリスをベアリングの先端に少しつけて押し込んでください。 最初は1本ずつ入れ、慣れてきたら3本4本とまとめて入れて頂いても構いません。出来るだけフレームと平行になるように入れてください。 |
16 | このようにベアリングを入れてください用意した竹串で隙間が出来ないよう、フレームと平行になるよう調整します。 |
10本ほど入りましたら、先に削っておいた竹串の登場です。 隙間が出来ないよう、出来るだけ平行になるよう竹串を使って整えてください。 この作業を5〜6回繰り返しますとベアリングの装填が終了です。 最初のうちは軽く入りますが、本数が増えるごとにきつくなって行きますが、最後まで頑張って入れてください。 ここで注意点です。 全ての隙間に入れると67本ほどはいりますが、絶対に隙間を作ってください。べリングがあと3本位入りそうな隙間がちょうど良いと思います。 実際に64本と65本の両方を試しましたが、64本が最適です。67本全てを入れてしまいますと非常に重い回転になります。 |
17 | このようにあと3本入る位の隙間を残してください。 |
完成品のボールベアリングでニードルベアリングでも必ず隙間がありますので、この隙間を作る事は重要なポイントとなります。残ったベアリングは予備として保存しておいてください。 |
18 | これが最後の作業です。 |
ベアリング取り付け作業の締めくくりとして、残った一枚の白いスラストベアリングに薄く専用グリスを塗布してセットすれば出来上がりです。 |
19 | 後の作業までずれないように輪ゴムで固定します。 |
出来上がりましたら、これ等のベアリングキットがズレないよう、輪ゴムなどで軽く 固定しておいてください。 |
20 | アウターフレームに印刷されている方が後ろになります。 |
次に組み立て作業です。 ベアリングのセット作業をしているときに、インナーフレームとアウターフレームが回ってしまうことがあります。正しい方向はアウターフレームの印刷を参考にしていただくか、クイックレバーの位置で確認できます。 前輪のアウターフレームに印刷のあるものは、その印刷部分が後ろになります。 印刷のない場合、後輪側のクイックレバーと同じ方向になるようにして組み立ててください。A-Bike Plusには作られた時期によって印刷のないものもあります。 後は、分解をした手順の逆に組み立てを行います。 |
21 | ブレーキのすべりを良くするため、専用グリスを先端に付けて挿入します。 このようにセット出来れば完成間近です。アウターフレームに印刷してあるのが後ろ側です。 |
真鍮製のブレーキガイドにワイヤーを入れるときには専用グリスをワイヤーの先端に少し付けて挿入するのがポイントです。 貫通したら、ワイヤーを動かして、滑りが良くなったことを確認してください。 ガイドを貫通後、スプリングの内部を通してブレーキのボルトにワイヤーを固定します。 この作業での注意点はワイヤーは長めに、ボルトは少し弱めにセットすることです。 ガイドパイプにワイヤーを入れる際、途中で引っ掛かり、どうしても入らない場合があります。この場合は無理をせず次の手順で作業を行ってください。 ガイドパイプの入り口と出口に白い樹脂製のパイプが見えます。 その出口側(ブレーキに近い側)の白い樹脂の広がっている部分をハサミでカットします。次に反対側から白い樹脂を引っ張りだします。これは簡単に抜けてきます。 その抜いた白い樹脂パイプに先にワイヤーを挿入します。これも簡単です。 樹脂パイプとワイヤーを同時に真鍮のパイプに入れてください。 これも無理なく入るはずです。 最後に、カットした側の白い樹脂チューブを固定する為、入り口側のチューブを押して出口側に白いチューブを出来るだけ露出させた状態を保ちながらその箇所をライターで熱してください。この作業で樹脂の先端部が広がり樹脂パイプと真鍮パイプが固定されます。 この作業はやり直しが効きませんが、ガイドパイプをパーツ販売する予定ですので心配は要りません。 それでもだめな場合、最後の手段として、自転車用のアウターワイヤーを使用することも可能です。但し、使用するアウターワイヤーはブレーキ用ではなく、シフトレバー用のアウターワイヤーを使用します。ブレーキ用のアウターワイヤーは太すぎる為、タイヤと干渉することがあります。どうしてもブレーキ用しか手に入らない場合、一番外側の樹脂を取り除くと使える場合もあります。 実は、個人的にはこの自転車用のアウターワイヤーの方が純正のガイドよりもスベリや耐久性も格段にアップします。 ロードバイクに乗っていて急に雨に遭遇した場合、シフトの動きが悪くなる事があり、結構頻繁にシフトケーブルのアウターを交換します。 その使い古しのアウターワイヤーを私のA-Bikeに使用しています。 ハンドルの方向を確かめ、ベアリングを一時的に固定していたゴム輪を外し、フォークのパーツをボルトで固定します。フォークは前傾しているので前後はすぐに分かります。 |
22 | ボルトを緩め、ブレーキ調整をしてください。 エンドキャップを取り付け、ペンチで強く押さえつければ完了です。 |
次にホイールをセットしてください。 最後に、ブレーキの調整をして、エンドキャップをつければ終了です。 しばらくの間、ベアリング部分から余分なグリスがはみ出てくることがあります。 これはグリスの付けすぎによるもので、この余分なグリスが出切るまで僅かに重く感じることもあります。出てきたグリスはこまめにふき取るようにしてください。 |
さて、完成まで漕ぎつかれた方はよいのですが、途中で気持ちが折れてしまった方は、バラバラの状態でも構いませんの無理をせずに当店までお送りください。手数料と往復の送料などの費用は掛かりますが、完成した状態で返送させて頂きます。 「まあ、失敗したらディアフレに送ればいいや」と言う感じで御気軽にトライしてみてください。但し、パーツ類は決して紛失しないようにしてくださいね。余分な費用が掛かってしまいます。 このサービスは当店からパーツをご購入頂いた方への感謝の気持ちです。 最後に、ここまで読まれた方へのプレゼントです。 A-Bikeのブレーキ調整は難しいとおっしゃる方が多いのですが、ここでそのコツをお伝えしたいと思います。 ブレーキ調整は本来フレームを完全に伸ばした状態で行うのですが、バンドブレーキを押さえておくには相応の力が必要となります。 私自身が力が落ちてきたときに良く使う”手”ですが、フレームを1.5cmから2cm程縮めて作業をし、後で完全に伸ばして状態を確かめるという方法があります。何度か作業をすれば力のない方でも簡単にブレーキの調整作業ができるようになります。是非やってみてください。 ブレーキが弱ければもう少しフレームを縮めて同じように作業をし、フレームを伸ばしてブレーキがきつければボルトを少し緩め、ハンドル側のブレーキレバーを少し引いてあげればワイヤーがボルトから少しズレてくれます。ベストの位置でボルトをしっかり止めればそれで完成です。 ベアリングの装着作業も含め、これ等の作業を文章だけでお伝えするのは困難ですが、画像と実際のA-Bikeを見ながら作業すれば両者共にさほど難しい作業ではありません。 もし、ご質問等がございましたら、このベアリング装着やブレーキ調整意外でも何なりとお尋ねください。但し、同業者の方からのご質問にはお答えできません。 宜しくお願いいたします。 |