【ソウル聯合ニュース】スマートフォン(多機能携帯電話)などの特許をめぐり、米カリフォルニア州の連邦地裁の陪審は24日(日本時間25日)、事実上「アップル完勝」の評決を下し、サムスン電子に約10億5000万ドル(826億円)の賠償支払いを命じた。これに対し、サムスン電子は異議を申し立て、認められない場合は控訴する方針を明らかにした。ただ、1審の評決が覆る可能性は低く、場合によってはサムスン電子への賠償金が増額されることもある。
裁判は今後、陪審評決に基づいて判決が出される。ごくまれに評決と違う判決が出るが、明白な法的および手続き上の瑕疵(かし)がない限り評決がそのまま反映される。
むしろサムスンが支払わなければならない賠償金が増えるケースも考えられる。陪審評決は、サムスン電子がアップル特許のうち相当数を「故意に侵害した」とし、これを項目別に提示した。
これらは評決後の訴訟行為(post−verdict motion)を通じ、アップルは請求額の最大3倍まで請求できる。評決で認定された賠償額に加え、懲罰的賠償額(punitive damages)が追加される可能性があるということだ。
ただ、賠償額自体が巨額なため懲罰的賠償を課すとしても、それほど大きな額にはならないだろうとの見方も出ている。
◇2審での逆転困難
サムスン電子は評決後に「米国消費者への商品供給に支障が出ないよう法的措置を取る」と表明した。評決に異議を唱えるとともに、受け入れられない場合は控訴する意向を示している。
ただ、米国の控訴審は手続き上の問題や法理を問うもので特許訴訟本件の事実関係を審理するものではない。このため陪審員評決を覆される可能性は低い。
サムスン電子は控訴審で、1審で採用されなかった証拠を報道資料として配布するなど、2審での逆転勝訴や賠償額の減額を念頭に置いた「世論戦」を展開している。
◇米国市場でサムスンに逆風
ただ、サムスン電子の立場は厳しい。最新スマートフォン「ギャラクシーS3」など新製品に対する販売差し止め仮処分処置や損害賠償命令が出る可能性があるからだ。
アップルはサムスン電子のタブレット型端末「ギャラクシータブ10.1」の米国販売を差し止める裁判所の仮処分決定がスマートフォンなど他の製品にも適用されるべきだと主張している。
今回の訴訟に「ギャラクシーS3」は含まれていないが、アップルは他のサムスン製品と同様に模倣だと主張している。今後、米国市場でのサムスンのイメージや影響力が長期的に悪化することは避けられない。
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