特集ワイド:必ず、再び「ヤングマン」 2度の脳梗塞、復帰へリハビリ 西城秀樹さんの「あきらめない」
毎日新聞 2012年03月26日 東京夕刊
そんな折、長男が誕生。「電話の向こうで赤ん坊が泣く声が、僕に必死に何かを訴えている。そんな気がした。不思議ですよね、『俺は生きているじゃないか』って思えたら、急に力が湧いた。病気だけど病人にはならないって。要は『気』なんですね」
妻は専門書を買い求め、カロリー計算をしたバランスのよい食事を作ってくれる。ヨーグルトとみそ汁、納豆は欠かさない。ジムにも通った。身体機能が回復し、脳梗塞の予防法について講演をするようにもなった。
それでも、再び倒れた。
再発は防げないのか。実は、西城さんに会う前に、脳梗塞の権威で、日本医科大神経内科部長の片山泰朗さんに話を聞いてきた。
「高血圧、糖尿病、脂質異常。一つでもある人が脳梗塞になりやすい。しかもいったん脳梗塞にかかった人は、動脈硬化が進み血栓ができやすい。10歳年をとるごとに発症率は2倍。しっかり治療すれば再発の可能性は低くはなるが、100%ではないんです」