特集ワイド:必ず、再び「ヤングマン」 2度の脳梗塞、復帰へリハビリ 西城秀樹さんの「あきらめない」
毎日新聞 2012年03月26日 東京夕刊
「今は、こうして歩けるようになったんです。月、水、金曜日はリハビリで、専門の病院に通っています。『バランスボール』ってゴムのボールを使って訓練をしたりね」。自ら話をし始めた。
「火、木、土曜日は中国漢方式のはり。リハビリ運動と同じく、神経を刺激して、身体を動かす命令を脳がスムーズに出せるようにする訓練なんです」。手の機能回復のためトランプを用いることもある。「テーブルに並べたコインが取れない。指先が滑るんだね。ほら」。起き上がって片足立ちを試みるがおぼつかなく……椅子に倒れ込んだ。「今まで普通に当たり前にできていた動作が、できない。分かる? このつらさ」
身体に異変を感じたのは、デビュー40周年のディナーショーを間近に控えた昨年暮れだ。頭がフラフラして大学病院で診察を受けたが、結果は「異常なし」。帰ろうとしたが念のためにと検査入院を勧められた。その夜、血管が詰まってしまった。
発見が早かったせいか大事にはいたらなかったものの、一部の脳細胞が死に、機能がまひした。右半身が思うように動かなくなり、舌も思うように操れない。