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2012-08-26

沖縄の尖閣

竹島はともかく、尖閣諸島の問題では、沖縄という要因が不思議と抜けています。

尖閣諸島は沖縄県に属しています。
では、沖縄での言葉の世界は、尖閣諸島は日本と中国、どちらの領土なのでしょう。
それ以前に僕は、沖縄での言葉の世界が、沖縄自体を日本・中国・アメリカのどの領土であるのが正当としているのかも知りませんが。または独立国か。

日本と中国が尖閣を巡って戦争になれば、沖縄にはまたあの悲劇が襲います。
そう思えば皮肉にも、沖縄に米軍基地があり、多数のアメリカ市民がいることが、中国が沖縄を空爆・核攻撃できない人質にもなっています。
それは在韓米軍も同じです。

ともかく沖縄は、絶対にあの悲劇は嫌だ、平和を選べ、中国に尖閣ぐらいくれてやってもいい、でしょうか。
少なくとも沖縄から九州まで全滅しても中国に日本寸土も渡すな、はないでしょう。
では中国が次に沖縄本体を求めたら?当然、中国は尖閣を得たら次は沖縄でしょう。
それでも、沖縄は平和のほうがいいのでしょうか。中国の人権水準を知っていても。

問題なのが、中国と日本が尖閣で戦争をして負けたら、少なくとも沖縄は中国に取られるでしょう。おそらくは九州も、できれば北海道以外日本全土…北海道はロシア。
沖縄の人はそのことをどの程度意識しているでしょうか。
日本本土に亡命する準備はできているのでしょうか?それともチベット人と同じ扱いを覚悟しているのでしょうか?中国領になっても自由でいられる、人民解放軍という名前の人たちがひどいことをするわけがない、と幻想に浸っているのでしょうか?

また、中国は戦争において、沖縄県民に協力を求めるでしょう。
それがどんな恐ろしい結果につながるでしょう。
ビラが撒かれているだけでも、沖縄県民は軍を疑い、在日米軍や日本自衛隊は沖縄県民を疑うでしょう。
中国軍が沖縄県民を装って米軍基地に自爆テロをしたら、日米の、軍も政府も沖縄県民を信用できなくなり、テロリストとして扱うしかなくなります。
そうなればしたくなくても、圧政・虐殺になります。

何がリアルかは教育によるのでしょうね。
沖縄の人には戦争の悲惨、「軍隊は国民を守らない」が。
韓国の人には日帝の暴虐と従軍慰安婦が。
中国の人には南京大虐殺が。
イスラム教原理主義者にはムハンマドや初期カリフの無欲大帝国が。
日本の左派には、原爆の悲惨・沖縄や中国での日本軍・ベトナムにおける米軍・パレスチナにおけるイスラエルの暴虐が。
それぞれ絶対の、「リアル」であるように。

日本の左派の現実逃避。
右派の、沖縄に対する鈍感さ…どんな犠牲を払わせるかも意識しない、鶏肉を食うよりも。沖縄県民が同胞で人間だとはかけらも思っていない、犠牲になるのが当たり前の捨て石で、基本的には敵だと思っている。
沖縄の、どうしようもない現実。
中国や韓国の建国神話。
アメリカの、人命コストのインフレと中国貿易。
何より、尖閣諸島・沖縄の、地球儀における位置と面積。

盤面を見通せば、日本は、そして沖縄は徹底的に詰んでいるのです。
だから戦うな、平和主義だ、という九条主義者の主張も部分的に分かりますよ。
ただしその路線でも平和にはつながらない、とは確信できますが。
日本など、もちろん韓国も沖縄も、中国とアメリカの覇権争いの駒でしかないのですから。

実際には沖縄県民は、日本の首相や衆議院の、そして韓国大統領の言葉遊びを、どう思っているのでしょう。
そして本土人も、決して対岸の火事ではないということを意識しているでしょうか。
戦争は栄光物語ではなく、糞尿や死体からの腐液が混じる塹壕の泥沼こそが現実だ、と。

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