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気象庁が震度を訂正 その原因は

8月17日 17時40分

加藤大和記者

今月12日、福島県で起きた地震で、気象庁は古殿町で震度5弱を観測したと発表しましたが、震度計のプログラムに不具合が見つかり、実際の揺れは震度4だったと訂正しました。
このニュースについて社会部・災害担当の加藤大和記者が解説します。

気象庁 震度を訂正

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気象庁は、今月12日午後7時前、福島県中通りを震源とする地震で古殿町で「震度5弱」を観測したと発表しました。
この観測点の周りは震度2や震度1だっただけに、変だなと思った方もいたかもしれません。
気象庁は震度速報を発表したあと、震度の点検作業を行っています。
その結果、震度計のプログラムに不具合があることが分かりました。
実際の揺れは「震度5弱」ではなく「震度4」でした。
震度計のプログラムの不具合で震度を訂正したのは初めてのことです。
なぜ不具合が起きたのか。

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新型の地震観測施設で何が

この原因を理解するためには、この震度計がある施設の仕組みを理解する必要があります。
問題の震度計は、東日本大震災を受けて気象庁が、ことし新たに整備した新型の地震観測施設にあります。
この施設は、震源の位置、地震の規模、揺れの大きさなどをより精度よく捉えるため、地震の波形を捉える加速度計を地上だけでなく、地下100メートルの深さにも設置しています。
地下に設置したのは、例えば大型トラックの揺れなど本来の地震の揺れとは別の揺れを捉えるおそれが少ないからです。
震度を決めるプログラムは、地上と地下の加速度計の信号が同時に入るという前提で作られていました。

“100分の1秒”のずれで混乱

ところが、担当者がデータを詳しく調べた結果、それぞれの加速度計の信号がわずかにずれて入っていることが分かりました。
そのずれはわずか100分の1秒ですが、これにより震度を決めるプログラムが混乱して、本来震度4とすべきところを震度5弱と誤ってしまいました。
気象庁は、これまでは規模の大きな地震が起きていなかったので、問題に気づかなかったとしています。

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震度5弱と震度4の“大きな違い”

震度5弱と震度4、いったいどのくらいの差があるのでしょうか。
気象庁の震度階級表によりますと、震度4は、棚にある食器類が音を立てたり、すわりの悪い置物が倒れたりする揺れです。
一方、震度5弱は、棚にある食器類や本が落ちたり、まれに窓ガラスが割れて落ちたりすることがあるとされる揺れです。
このように震度が1つ違うと、被害の程度は大きく変わります。
震度情報は、地震の揺れがどのくらいだったのかを知ることはもちろんのこと、被害の推定や救援の必要性などにもつながる極めて重要な防災情報だけに、信頼できる情報であることが必要です。
それだけにミスがないようにしてほしいと思います。

気象庁“再発を防止”

気象庁地震火山部管理課の上垣内修課長は、「震度の情報を正しく伝えることが気象庁の使命にもかかわらず、ご迷惑をおかけしてしまい、おわびいたします。今後、再発防止に努めます」と話しています。

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ただ、今回の不具合は、気象庁がいつも行っているデータの点検作業で見つかりました。
気象庁にとって都合の悪い情報を速やかに公表したことは、評価できると思います。
新型の地震観測施設は、全国に20か所整備されています。
運用を開始した先月3日から今月14日までに、新型の施設の震度計で発表した震度は、北海道や東北、それに関東など14か所で今回を除いて合わせて72回あります。
気象庁は、震度が正しかったのか確認を進め、結果が分かりしだい速やかに公表するとしています。