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上田市を「中心市」とする周辺5市町村との上田地域定住自立圏に、群馬県嬬恋村が参加することが25日までに決まった。両市村は隣接しており、観光振興などで連携を強める狙い。2県にまたがる自立圏は全国に5圏域あり、県内では初めて。同市は市議会9月定例会に、同村との上田地域定住自立圏形成協定案を提出する。
定住自立圏は、人口5万人以上の中心市と周辺市町村が協定を結び、圏域全体で定住できる環境を整えて人口流出を防ぐ目的。協定を結んだ市町村は特別交付税などの支援措置を受けられる。総務省によると、7月6日時点で全国に67圏域ある。
今回の協定締結により、嬬恋村民が上田市内の図書館を市民と同様に利用できるようにするほか、職員の交流や有害鳥獣駆除、国や県への道路整備要望といった分野で連携する。同村も村議会9月定例会に協定案を提出する方針。議決後に調印式を行い、具体的な事業を盛った「共生ビジョン」を策定する。
嬬恋村は人口1万501人(8月1日現在)。上田市真田地域と接しており、通勤や買い物、病院への通院などで同市を生活圏としている住民も多い。同村は「行政の効率化や村民の利便性向上が図れると期待している」(企画財政課)、上田市は「交流人口の拡大や観光面でのアピールにつながる」とする。
同市は昨年7月、東御市、小県郡長和町、青木村、埴科郡坂城町、北佐久郡立科町とそれぞれ協定を結んだ。県内では他に飯田市、佐久市を中心市とする協定が締結され、取り組みが進んでいる。
全国で2県にまたがっている定住自立圏は、鳥取・島根(中心市・鳥取県米子市、島根県松江市)、岡山・兵庫(同・岡山県備前市)、大分・福岡(同・大分県中津市)、宮崎・鹿児島(同・宮崎県都城市)、鳥取・兵庫(同・鳥取市)。