エンコード設定
当ページは、動画を投稿(アップロード)する際の変換、及び画質・音質の調整方法に関する基本的な情報をまとめています。
書き手や引用元が異なるため統一できませんが、「エンコード」「エンコ」「変換」は基本的にどれも同じ意味です。また、「アップロード者」「うp主(うぷぬし)」「投稿者」も同じ意味です。
目次
ニコニコ動画(SMILEVIDEO)の仕様について †
まずはニコニコ動画の特徴・仕様を知ろう。
2012/07/02より †
- 動画説明文とプロフィールページでのHTMLタグの使用が、一般会員にも開放された。
- これにより、一般会員でも文字の装飾や改行が可能となった。
- プレミアム会員向けに、「タイマー公開」機能が追加された。
動画の画質に関わる部分については変更なし。
2012/05/01より †
ニコニコ動画:Zero導入にともない変更があった。
- 新プレーヤー「ZeroWatch?」導入、新たに大画面モード(動画表示解像度864x486)が追加された。
- 大画面モードの最適解像度は16:9の場合864x486、4:3の場合は648x486。
- 中画面モードの動画表示解像度は、従来のニコプレーヤー4から変更なし。
- 一般会員の解像度制限の緩和
- 一般会員でもHD(1280x720)の動画をアップロードすることが可能に。
これ以外の、ファイルサイズ制限や一般会員のビットレート制限は従来仕様と変更なし。但し、2012年5月1日現在、ZeroWatch?はプレミアム会員専用であり一般会員は使えないため、一般会員については事実上アップロード解像度の緩和のみとなっている。→2012年7月30日、一般会員にもZeroバージョンが公開された。またプレミアム会員においてもZeroバージョンと原宿バージョンを任意に切り替えできる。
2010/10/29より †
ニコニコ動画(原宿)へのバージョンアップと同時に、SMILEVIDEOがニコニコ動画側に統合され、サービス終了となりました。これ以降、動画を投稿する場合はニコニコ動画に直接アップすることになり、またSMILEVIDEO時代にアップした動画はそのままニコニコ動画に引き継がれました。
2010/7/7より(一般会員は7/14より) †
2010/7/7より16:9動画に最適な表示モードに切り替えられる新プレーヤーがプレミアム会員向けに先行導入。7/14より一般会員にも導入。
SMILEVIDEOの仕様は変わってないが、16:9動画が以前より大きく表示されるため、これまで512x288のサイズで16:9動画をアップロードしていた人は、以下赤字部分を参考にして設定を変更したほうが良いと思います。
| 一般会員 | プレミアム会員 |
対応動画フォーマット | FLV/MP4/DivX/XviD/ MPEG1/MPEG2/WMVなど (再エンコの基準は違うので注意) |
ディスク容量 | 2GB | 8GB+プレミアム会員継続月数x1GB |
1ファイルあたりのアップロード可能サイズ | FLV ~40MB MP4 ~40MB 他の形式 ~100MB | 100MB |
FLV及びMP4のビットレート上限(公式) | 600kbps | 制限無し |
アップロード可能解像度 | 1280x720以内 | 制限無し |
プレーヤーの解像度 | 512x384(4:3プレーヤー), 640x384(16:9プレーヤー, 正確には15:9比率) |
アップロード最適解像度 | 512x384(4:3), 640x360(16:9),640x384(15:9)+上下12ドットづつの黒塗り付加で16:9化 |
以下の補足説明はSMILEVIDEO側で再エンコード(後述)されずに投稿することが出来る、FLVもしくはMP4(H.264)形式の動画を投稿する場合のものである。
- 動画サイズ
- 4:3比率の動画を投稿したい場合 … 4:3の動画プレーヤーの表示領域は512x384ピクセルのため、投稿する動画もそれと同じ「512x384」にするのが最適である。なお、それ以外の解像度で投稿してもプレーヤーのサイズ(512x384)内で最適に表示されるように自動的に拡大・縮小されるので、640x480や800x600などのようなサイズで投稿しても良い。動画投稿時に動画の縦横比を選択する項目があるので、「スタンダード(4:3)」を選ぶのを忘れずに。
- 16:9比率の動画を投稿したい場合 … 16:9の動画プレーヤーの表示領域は640x384ピクセルとなっており、計算すればわかるが15:9の比率となっている。そのため16:9の動画をアップロードをする場合、動画サイズを640x384とし上下に12ドットづつ黒塗りを入れ、画像部分が640x360となるようにしてアップロードするか(この場合は640x384動画としてアップロードされる)、もしくは、サイズを640x360とした上でニコニコ動画にアップロードする(この場合、640x360動画としてアップロードされるが、ニコニコ動画側で自動的に上下12ドットづつの黒塗りが付加される)。4:3動画同様にこれ以外のサイズで投稿した場合は、自動的に拡大・縮小処理がニコニコ動画側で行われる。なお640x360ドットは、ソフトやエンコーダによって指定できない場合があり、その場合は、上述した通り640x384ドットを選択した上で上下に12ドットづつの黒塗りをいれるか、近いサイズ(704x396、640x368など)を選択するなどで対処する。プレミアム会員の場合は、投稿できるサイズの制限がないため1280x720や1920x1080といったHDサイズの動画も投稿可能だが、同時に要求されるビットレートも高めになり、低スペックPCを使っている視聴者に対して厳しい動画になってしまうため、注意が必要である。動画投稿時に動画の縦横比を選択する項目があるので、「ワイド(16:9)」を選ぶのを忘れずに。
※なお、現在のサムネイルは15:9の動画でも「640x360」(16:9)で表示されるようになっています。(2011.03.27編集)(2012/2/8に仕様変更されました)
※640x384(15:9)で投稿した場合、サムネイルもエコノミー動画も16:9で生成されます。
したがってサムネイルやエコノミー動画は縦方向に少し押しつぶされた感じになります。(2012/2/8に仕様変更されました)
※640x384(15:9)で投稿した場合でもサムネイルとエコノミー動画は15:9のアスペクト比を維持した形で見えます。
エコノミー動画は640x384を600x360にリサイズした上で左右それぞれ20ピクセルの黒ベタをつけて640x360とされます。(2012/2/8以降)
- ビットレート
- プレミアム会員 … ビットレート制限がないため、ビットレートを高めにして高画質・高音質動画を作成することが可能だが、ビットレートを上げすぎると低スペックのPCを使っている視聴者が快適に見ることができなくなってしまうため、上げすぎに注意が必要である。512x384のサイズの動画ならビットレートは1000kbpsもあれば十分高画質になる。
- 一般会員 … 映像と音声を合わせたビットレートが600kbps以内になるようにする必要がある。それを超えた場合は、投稿エラーとなる。
- 動画容量
- プレミアム会員は100MBまで、一般会員は40MBまでの動画を投稿することが出来る。それを超えた場合は、投稿エラーとなる。
2009/10/29メンテナンス終了後~ †
赤文字が以前との変更箇所。
| 一般会員 | プレミアム会員 |
対応動画フォーマット | FLV/MP4/DivX/XviD/ MPEG1/MPEG2/WMVなど (再エンコの基準は違うので注意) |
ディスク容量 | 2GB | 8GB |
1ファイルあたりのアップロード可能サイズ | FLV ~40MB MP4 ~40MB (拡張子をavi等に偽装することで100MBまで可能) 他の形式 ~100MB | 100MB |
FLV及びMP4のビットレート上限(公式) | 600kbps | 制限無し |
アップロード可能解像度 | 800x600以内 | 制限無し |
プレーヤーの解像度 | 512x384 |
アップロード最適解像度 | 512x384(4:3), 512x288(16:9) |
2009/10/29メンテナンス以前 †
| 一般会員 | プレミアム会員 |
対応動画フォーマット | FLV/MP4/DivX/XviD/ MPEG1/MPEG2/WMVなど (再エンコの基準は違うので注意) |
ディスク容量 | 2GB | 8GB |
1ファイルあたりのアップロード可能サイズ | FLV ~40MB MP4 ~40MB 他の形式 ~100MB | 100MB |
FLV及びMP4のビットレート上限(公式) | 600kbps | 1000kbps |
アップロード可能解像度 | 800x600以内 |
プレーヤーの解像度 | 512x384 |
アップロード最適解像度 | 512x384(4:3), 512x288(16:9) |
再エンコード †
指定の形式でアップロードした場合は、アップロード者品質の動画(ニコニコ動画側で再エンコードされない動画)になります。指定の形式の詳細は、以下の表を参考にして下さい。
再エンコを回避できる動画の条件(2010年8月現在) |
コンテナ(ファイル形式) | FLV (FLV1) | FLV (FLV4) | MP4 |
映像コーデック | Sorenson H.263 | On2 VP6 | H.264 AVC (MPEG-4 Part 10 AVC) |
映像の解像度 | プレミアム会員 | 無制限 |
一般会員 | 800x600以内 |
映像のフレームレート | 0.33fps~120fps |
音声コーデック | MP3 | AAC-LC HE-AAC HE-AACv2 |
音声のサンプリングレート | 22kHzまたは44.1kHzのみ | 48kHz以下 |
ファイル容量(映像+音声) | プレミアム会員 | 100MB以下 |
一般会員 | 40MB(40*1024=40960KB)以下 |
平均ビットレート(映像+音声) | プレミアム会員 | 無制限 |
一般会員 | 656384bps以下 |
- 上記形式以外の動画は、ニコニコ動画仕様でエンコード、つまり再エンコされます。
- 一般会員の場合は、プレミアム会員の条件しか満たさない動画でも、再エンコもしくは拒否されます。
音声なしの動画も問答無用で再エンコされるようです(2008/05/27現在)。対処法は適当な無音MP3を入れるなど。FLVは無音でもアップロード可能だが無音MP4は再エンコ(2009/5/31現在)。
- 再エンコ後の動画の形式は以下の通り。
2010年8月26日に再エンコ後の動画形式が変更され、若干だが画質・音質がアップした。 → 2012年2月8日のメンテナンスで更に向上した。
動画投稿日 | 2012年2月8日以降 | 2010年8月26日以降 | 2010年8月25日以前 |
映像形式 | MP4(H.264) | FLV(On2 VP6) |
音声形式 | AAC-LC | MP3 |
映像の解像度 | 4:3動画 | 512×384 | 320x240 |
16:9動画 | 640×360 | 352x200 |
ビットレート | 約424kbps(映像360kbps程度+音声64kbps程度) | 約300kbps(映像230~240kbps程度+音声64kbps) |
ニコニコ動画の表示画面解像度は512x384もしくは640x368なので、再エンコされた動画は拡大されて粗く表示されます。 → 2012年2月8日のメンテナンスでプレイヤーサイズまで解像度が向上しました。
- アップロード可能最小サイズはFLVでは8x8、MP4では16x16(2009/5/31現在)。
- ステレオ、モノラルの他に5.1chのAACを含むMP4もそのままアップロード可能(Flash Playerの仕様上、再生時には2chになります。)(2008/09/30現在)
- 再エンコされない動画でも、以下の条件を満たすものは、エコノミーモード用の低画質動画が投稿時に生成されます。低画質動画は、エコノミーモードが適用されているときのみ再生されます。
- 映像コーデックがVP6で、平均ビットレートが 313.00 kbps以上のもの。 → 2012年2月8日のメンテアンスで445kbpsに向上している可能性有り。
- 映像コーデックがH.264、平均ビットレートが
245.78 → 312.32 → 445kbps以上のもの。(詳細時期は不明ですが2011年1月下旬時点で許容ビットレート245kbpsよりも上がったことが確認されています → 2012年2月8日のメンテナンスで445kbpsまで引き上げられました)
エコノミー用動画は投稿したファイル形式がFLV/MP4のどちらであってもFLV形式の動画が生成されます。エコノミー用動画の設定はおおよそ以下のようになっています(再エンコ動画と同じ)。
映像: VP6, 320x240(4:3) 352x200(16:9), 約240kbps, フレームレートそのまま
音声: MP3, 64kbps, 44.1kHz
エコノミーでカクカクするのはVP6のTemporal Resamplingを有効にしているためと思われます。動きの激しい場面でヌルフレームを挿入し実質フレームレートを下げて画質を稼ぐことができる反面動きがぎこちなくなります。(2010/08/26以降仕様変更されました)
mp4のエコノミーモードの動画も同様のflvです。システムタブのおしらせに「mp4動画を再生します。」と表示されますが嘘です。(2010/08/26以降仕様変更されました)
エコノミー用動画は投稿したファイル形式がFLV/MP4のどちらであってもMP4形式の動画が生成されます。エコノミー用動画の設定はおおよそ以下のようになっています(再エンコ動画と同じ)。
映像: H.264, 320x240(4:3) 352x200(16:9), 約240kbps, フレームレートそのまま
音声: AAC-LC, 64kbps, サンプリングレートそのまま
H.264を使用していても、圧縮率は非常に高いものに設定されているため、画質はそれほどよくはありません。 (2012/02/08以降仕様変更されました)
- エコノミー用動画は投稿したファイル形式がFLV/MP4のどちらであってもMP4形式の動画が生成されます。エコノミー用動画の設定はおおよそ以下のようになっています(再エンコ動画と同じ)。
映像: H.264(Baseline@L3.0 , no-cabac/3 Ref Frames) , 512x384(4:3) 640x360(16:9), 約360kbps, 29.970fps
音声: AAC-LC, 約64kbps, 44.1kHz 48.0kHz(2012/2/23に音質改善されたのにともない仕様変更されました。)
H.264を使用していても、圧縮率は非常に高いものに設定されているため、画質はそれほどよくはありません。
- エコノミー用のMP4のプロファイルは何度か変更されており、わかっている限りでは
2010/08/26~ Baselineプロファイル
2010/11/24~ Mainプロファイル
2011/08/11~ Baselineプロファイル
となっています。
各コーデックの仕様 †
動画にはさまざまな圧縮フォーマットがあり、それぞれ大きく性質が異なります。用途ごとに使い分けることによって、エンコードを効率化・高画質化できます。
映像 †
- Sorenson H.263(.flv)
- FLVコンテナでニコニコ動画に再エンコなしでアップできる(制限あり)。
- 以前YouTubeで一般的だった形式。
- VP6よりも速くエンコードでき、再生負荷も低い(軽い)が、動きに弱く、圧縮効率も低い。
- On2VP6(.flv)
- FLVコンテナでニコニコ動画に再エンコなしでアップできる(制限あり)。
- 当初はニコ動で最も一般的な形式だった。
- H.263よりも動きに強く、高画質が望め、H.264よりも再生負荷が低い。
- ただ、他のコーデックよりもエンコード時間がかなり長いので注意。
- AVC/H.264(.MP4)
- MP4コンテナでニコニコ動画に再エンコなしでアップできる(制限あり)。
- 携帯サイズからスーパーハイビジョンにまで対応している注目のフォーマット。VP6よりも高圧縮で高画質が望める。
- ニコ動で最も一般的な形式。
- 低スペックのPCでは再生時に重くなる(baselineプロファイルの場合は軽いが、それでもVP6に比べればある程度重い)。
- Divx(.divx .div .avi)
- 広く普及している高画質・高圧縮フォーマット。かつてのStage6の動画の形式。
- XviD(.avi .mp4)
- Divx形式とほとんど同じフォーマット。非常に高速なエンコードが可能。希にバグも。
- 中間出力(例:他の形式→Xvid→VP6)などにもよく使われる。
- Windows Media Video(.wmv)
- マイクロソフト社の独自の圧縮形式。高圧縮・高画質だが、扱いが難しいので注意。
- ニコニコ動画にアップロードする場合、可変フレームレート(VFR)の動画はかなりの確率で音ズレする。
- wmvでニコニコ向け動画を出力するときは、必ず固定フレームレート(CFR)にすること。
- huffyuv
- 無圧縮aviの品質を劣化させずに容量を半分くらいにする(ロスレス)。
- 動画キャプチャ、映像作成の中間出力によく使われる。
- MPEG1,MPEG2(.mpg .m2v)
- 家電なんかだと現役だが圧縮効率では時代遅れ。エンコードは速い。
- TVやDVDからの入力時とDVDビデオの製作時しか使われない。あとHDVぐらいか。
- WebM/VP8(.webm)
- On2 VP6の後継コーデックである。On2社及びOn2社を買収したGoogleにより開発された。
- WebM規格の動画コーデックに採用されている。
- ニコニコ動画はWebM動画をサポートしていないため、ニコ動向け動画で使用する機会は今のところ全くない。
- もしニコニコが全面的にHTML5に対応した場合やFlash PlayerがWebMに対応した場合、使う機会が出てくるかもしれない。
- HEVC/H.265(仮)(.???)
- H.264の後継規格である。
- H.264と同じく携帯向け動画から、スーパーハイビジョンや8K4Kにまで幅広く対応する。
- 圧縮率はH.264の2倍にもなると言われている。
- 規格化は2013年であり、まだ未完成である。当然のことながらニコニコ動画で採用されるのは当分先となる。
音声 †
- MPEG Audio Layer-3(.mp3)
- 高ビットレート帯で威力を発揮する。
- かなり扱いやすく汎用性の高い反面、著作権保護機能がない。
- FLVコンテナの音声に採用されている。
- AAC(.mp4 .m4a .m4b .m4p .3gp .3g2 .aac)
- 主にAAC-LCとHE-AACがある。
- MP4コンテナの音声に採用されている。
- 高圧縮&高音質なので、地デジの音声などにも使われている。
- Vorbis(.ogg .oga .ogx)
- パテント(ライセンス料)フリーのコーデックで、MP3より音質が高いといわれている。
- ちなみに、Oggは音声や動画を格納するコンテナでコーデックではない。
- 今のところFlash Playerで再生できないのでニコニコ動画のエンコードなどでは使わない。
- 将来ニコニコ動画がWebMに対応するようなことがあれば使う機会もあるかもしれない。
- Windows Media Audio(.wma)
- マイクロソフト社の独自の音声圧縮形式。MP3より音質がいいとされている。
変換設定による画質の違い †
以上のように、ニコニコ動画には色々なコーデックの動画をアップロードすることができますが、それぞれ品質に大きな違いがあります。また、同じコーデックでも変換設定をちょっといじるだけで画質がかなり変わります。
◇変換前の動画
映像 848x480 24Bit AVC/H.264 29.97fps 5630f 1551.11kb/s
音声 MPEG4-AAC 44.10kHz 16Bit 2ch 120.41kb/s
◇コーデックと画質
- 共通設定
映像 512x288 24Bit 29.97fps 5630f 600kbps 2pass
音声 44.1kHz 16Bit 128kbps 1pass
- 各設定と結果
- 考察
- 総合的な画質
H.264>>VP6>>>>>H.263
- 変換設定の正確さ
H.264>H.263>>>>VP6
- 変換の速さ
H.264≒H.263>>>VP6
- 結論
やはりH.264強し。VP6は、時間もかかるうえに、設定と結果が大きくずれるのが大変不便。でも、VP6も粘れば良くなる可能性は十分ある。低ビットレート時や、素材によってはH.264よりもVP6やH.263の方が優れる場合もある(低ビットレートの静止画ではVP6が有利)。
エンコード †
低画質エンコード †
ニコニコ動画用に最適化した動画ファイルを用意せず、サーバにエンコードやリサイズを任せる方法です。「PC初心者でもわかりやすい」「作業が速い」「40分や90分といった長時間動画の投稿も可能」という長所はありますが、画質ではどうしても劣ります。
- 投稿する動画を用意します。
- 動画のアスペクト比(縦と横の比)が、4:3か16:9かを調べます。調べるには「AVIcodec」や「真空波動研」などを使うといいです。もしもこれ以外のアスペクト比だった場合は、拡大縮小とかアスペクト比とか黒べたとかメモを参考に、動画サイズを変更して下さい。
- ニコニコ動画の「動画の新規アップロード」ページを開いて、投稿する動画と、そのアスペクト比を選択して、投稿ボタンを押します。
- ニコニコ動画のサーバー側でエンコードされるので、しばらく待ちましょう。サーバーの混み具合、及び動画の容量によっては、エンコードに1時間以上かかることもあります。何らかのエラーが発生したら、まず質問する前に真空波動研などで動画が対応形式かどうか、ちゃんと調べて下さい。2回以上アップロードに失敗し、しかもエラーの原因がどうしても分からない場合は、動画の詳細情報を書いて、どこかの質問掲示板に聞いて下さい。
- 動画情報を入力し、ニコニコ動画のプレイヤーで正常に再生できれば成功です。
中画質~高画質エンコード †
- 転載投稿の場合は動画の説明欄や投稿者コメントに「転載です」などと書き添えるのが望ましい。
- 元アドレスの動画ID(v=を含めた&までの文字列 v=071JXa-SM00 など)を動画説明に書くとなおよい。
- 一部のYouTubeの動画ファイルは、そのままではニコニコ動画にアップできない。
- fmt=34(標準画質、360p)、fmt=35(高画質、480p)の動画は、映像はH.264、音声はAACであるがコンテナがFLVコンテナ(.flv)であるため、ニコニコ動画にそのままアップロードすることはできない。
- fmt=34,35の動画でも、映像と音声を抽出しMP4コンテナに格納すれば、ファイルサイズやビットレートなどの制限に引っかからない限りエンコードしなおさずにアップロードできる。
- fmt=18の動画は、MP4コンテナ(.mp4)であるためファイルサイズやビッt(ry制限に引っかからなければそのままアップできる。ただしfmt=18はH.264のプロファイルがBaseline(携帯端末など向けの低負荷設定)であるため、fmt=34にくらべ若干画質は劣り、また2010年以前の16:9の動画は解像度が低いことも。最近YouTubeにアップされた動画はfmt=18のファイル自体が生成されていない場合もある。
- fmt=5のFLV動画は、ニコニコで対応しているH.263とMP3の組み合わせであるため、再エンコされることはない。ただし元から再エンコ動画以下の画質・解像度・音質であるため(ry
- HD画質(fmt=22)やフルHD画質(fmt=37、一般会員はアップロード不可)で転載するときは、動画が重いという苦情が来る可能性も考えて「重かったら?eco=1付けて再生してね」みたいなことを動画説明文に書いておくといいかもしれない。
- WebMの動画は、当然ながら現時点(2012/02)ではそのままアップロードすることはできない。
- YouTube動画の保存は視聴に便利なツールやサイトなどを参照のこと。
エンコードの練習によさげなサンプル動画 †
100MBと40MBで使用できるビットレート早見表 †
基礎情報 †
- コンピュータは2進数で計算を行うのでデータの大きさの単位の位を2の累乗で区切るほうが都合がよいため、1000に近く、またきりのよい2の10乗 (=1024) ごとに位を変えるのが一般的です*1。以下の一覧では、バイトをB、ビットをbと表記しています。
- 1 B = 8 b
- 1 KB = 1,024 B
- 1 MB = 1,024 KB = 1,048,576 B
- 1 GB = 1,024 MB = 1,048,576 KB = 1,073,741,824 B
- 1 TB = 1,024 GB = 1,048,576 MB = 1,073,741,824 KB = 1,099,511,627,776 B
- ビットレートはbps (bits per second) という単位で表される、データ転送効率のことです。通信の世界では1バイトが8ビットとは限らず、またビットレートが1秒間にある地点を通過したビットの個数と定義されていることから、ビットにSI接頭辞を用いて位をとるのが一般的です(つまり1000ごとに単位が繰り上がります)。動画でもこの慣習にのっとってSI接頭辞で位とりをします。ダウンロードなどで1秒間にどれだけのデータを受信したかを表す際にバイトと2進接頭辞を用いて位をとる(500KB/sみたいな)ことがありますが、その場合、通常はコンピュータ内部で実際に処理されるデータの量をあらわし、ネットワークの速度とは意味合いが違うので注意が必要です。ビットレートはニコニコ動画へのエンコード設定で嫌でも取り扱う単位ですので、よく覚えておきましょう。
計算 †
- ビットレート計算式
ビットレート[bps] = ファイルサイズ[Bytes] × 8 ÷ 再生時間[秒(小数点以下切り捨て)]
- ファイルサイズ[Bytes]
作成したFLVファイル、又はMP4ファイルのサイズです。単位はバイトです。Windowsならば、ファイルの右クリックメニューから「プロパティ」を選択し、「サイズ」のところの()括弧内の(~バイト)と表示されている部分の数字を使います。「ディスク上のサイズ」のほうではありませんので注意しましょう。
- 再生時間[秒(小数点以下切り捨て)]
動画の再生時間です。単位は秒です。小数点以下は切り捨てて計算します。
上限ビットレートとエコノミー回避ビットレートについて †
- ニコニコ動画では、以下のような計算式で上限ビットレートやエコノミー回避ビットレートを判定しているものと思われます*3。
- 上限ビットレート
- プレミアム会員
(1024+1)×1024=1049600[bps] → ※プレイミアム会員の上限ビットレートは廃止されました。
- 一般会員
(640+1)×1024=656384[bps]
- エコノミー回避ビットレート
- FLV
306×1024=313344[bps]
- MP4
240×1024=245760[bps]
305×1024=312320[bps] ※2011年1月頃にビットレートが引き上げられたようです。
435×1024=445440[bps] ※2012年2月8日にビットレートが引き上げられた
※ただし445819でエコ回避成功、445977で失敗している例があるので従来とは計算式が変わった可能性もある。
40MBで使用できるビットレート(一般会員上限) †
08分31秒: 656,384[bps]ビットレート限界 656kbps(一般会員上限)
09分00秒: 621,378[bps]
10分00秒: 559,240[bps]目安 : 映像400k・音声128k ステレオ(実写はこのくらい欲しいところ)
12分33秒: 445,440[bps](434kbps)H.264エコノミー回避(VP6は未確認)
15分00秒: 372,827[bps]
17分00秒: 328,965[bps]音声320kbpsで上げる際の上限 (映像0.5kbps程度)
17分54秒: 312,309[bps]旧VP6・H.264エコノミー回避
20分00秒: 279,620[bps]
22分45秒: 245,820[bps]旧の旧H.264エコノミー回避
25分00秒: 223,696[bps]目安 : 映像130k・音声 64k モノラル(24fpsのアニメなら見れるレベル)
30分00秒: 186,414[bps]
40分00秒: 139,810[bps]ここまで落とすならFLVにせずWMV以外のAVI系コーデックで100MBにエンコードしてアップした方が良い
50分00秒: 111,848[bps]
60分00秒: 93,207[bps]
100MBで使用できるビットレート(プレミアム会員上限) †
00分30秒:27962,000[bps]
01分00秒:13981,000[bps]
01分30秒: 9320,666[bps]
05分00秒: 2796,200[bps]
10分00秒: 1398,100[bps]
13分20秒: 1048,576[bps]ビットレート限界 1049kbps(旧プレミアム会員上限)
13分39秒: 1024,250[bps]1000kbps(旧プレミアム会員公式上限)
15分00秒: 932,067[bps]
16分30秒: 847,332[bps]828kbps(旧の旧プレミアム会員上限)
20分00秒: 699,050[bps]
25分00秒: 559,240[bps]
30分00秒: 466,033[bps]
31分23秒: 445,440[bps](434kbps)H.264エコノミー回避
40分00秒: 349,525[bps]
44分46秒: 312,309[bps]旧VP6・H.264エコノミー回避
50分00秒: 279,620[bps]
56分51秒: 245,928[bps]旧の旧H.264エコノミー回避
60分00秒: 233,016[bps]
- メドレーや紙芝居なら、映像30kbps・音声64kbpsでもいけると思います。
- こちらも参考にしてみましょう。ニコニコ動画用のビットレート計算ができます。
- Windows上で表示される40MBというのが本当は41,943,040 Bytes (=40.00 MiB) であることに注意。ニコニコ動画では41,943,040 Bytesまでのファイルがアップロードできます。FLV以外のファイルは100MB (104,857,600 Bytes) まで?(100MBの方の制限は未確定。WMVやAVIで130MBまでアップできたという報告あり)MP4は104,853,504Byteまで投稿可能です。正確にはWindows上で100MBと認識されないものが投稿可能(104,853,505Bから100MBと認識される)。
アスペクト比や拡大縮小、黒べた等について †
使用フィルタ †
サイズ設定について †
- 4:3(1280x960、640x480、480x360、320x240、等)
512x384にリサイズ。
- 3:2(720x480)
画面の左右合計16ドット(左8、右8等)をクリッピング(クロップ=カット)して、704x480にしてから512x384にリサイズする。
- 15:9 (640x384、512x308、等)
512x308にリサイズ後上下に38ビットずつ追加。
640x384にリサイズでも良い。ただしこの場合サムネの上下が縮む。
- 16:9(1920x1080、1280x720、704x396、352x198、等)
640x360にリサイズ。
- 16:9(720x480・スクイーズ)
画面の左右合計16ドット(左8、右8等)をクリッピング(クロップ=カット)して、704x480にしてから640x360 にリサイズする。
- 16:10 (1920x1200 1680x1050等)
512x320にリサイズ後上下に32ドットずつ追加。
もしくは640x400にリサイズ。
- その他のサイズ
- 704x576 ⇒ 469x384+左右黒べた
- 676x250 ⇒ 640x236+上下74ドットずつ黒べた=640x360
- 640x352 ⇒ 640x352+上下16ドットずつ黒べた=640x360
- 640x272 ⇒ 640x272+上下56ドットずつ黒べた=640x360
補足 †
- アスペクト比は、VirtualDub等は自動で計算してくれます(AviUtlは自動計算してくれません)。
- 512x384にせず、あえて504x378+上下左右に黒べたにしたり、496x372+上下左右に黒べたにすることもあります。これにはサイズを削ることができる他(と言っても1割程度の違い)、絵を小さくすることでビットレートを変えずに画質を高めることができるからです。ニコニコ動画では黒べたをつけるとコメントが映えるという効果もあります。
- 元動画のアスペクト比が狂っていて修正したいが、どうにも比率がわからないって場合は自分の目を信じて調整です(太陽や月など真円の出る場面で調整するのが良いようです)。
- RC移行前後から512x384でアップロードしても左右16ピクセル位の黒ベタが表示上付くようになりましたが、表示範囲の拡大にはならないようです(黒ベタと言うよりただの境界領域なので544x384でアップしても左右に黒ベタが付く)。
- 正確には動画の再生時に縦と横のサイズを読み取り、アスペクト比を変更せず512x384の中で最も大きく表示するようになっています。そのため、512x320や448x384のような動画も、一辺が最大長なので変に拡大されることはありません。
- あらかじめFLV等に変換してある場合は、アップロード時のアスペクト比の設定は再生に関して影響を与えません。アスペクト比設定は、低画質モードの再エンコと、生成されるサムネイルに影響を与えます。黒ベタを付けても付けなくても投稿する動画の比率が4:3なら常に4:3を選択しましょう。16:9を選ぶのは512:288の動画をアップロードする時のみです。また、どちらでもない場合は近い方を選んでおくと良いでしょう。
- 512x384より狭い動画を一辺だけが最大長になるように仕上げることで、一度に処理するドット数が減り、動画の作成にかかる時間を減らし、再生の負荷を減らす(カクカクしづらい動画にする)ことができます。
- 例えば512x320のままなら、(縦の384-320=)64×512ドット分だけ処理が軽くなります。
- 例えば496x372の動画は、横の16ドット分 (496+16=512) か縦の12ドット分 (372+12=384) のどちらかだけ黒ベタを足せば、残る辺のドット分だけ処理が軽くなります。
- 以下ニコニコ大百科から引用(URL:http://dic.nicovideo.jp/a/16%3A9%E6%8E%A8%E5%A5%A8#)
- うp主のための情報
- 推奨動画フォーマットは「512×384(4:3)または512×288(16:9)」とされてきた。(ββ)から制限が緩和され、800×600以内の動画も投稿可能となった。ただし、動画表示領域のピクセル数は512×384(4:3)固定のままであったため、ピクセル数やアスペクト比にかかわらず、プレイヤー側で横512ピクセルに収めていた。上下方向が合わない場合には黒帯が挿入される、いわゆるレターボックス表示となっていた。
- ニコプレーヤー4(2010年7月7日試験導入開始、7月14日一般ユーザーにも公開)からアスペクト比がある程度自動的に判別され、動画が16:9の場合には動画表示領域が640×384に拡張されるようになった(このピクセル数の正確な比率は15:9だが、16:9も収まる)。
- このため、うp主側としては選択肢が広がった。元の素材の関係や、画像編集ソフト・エンコーダの都合もあるので、640×384(15:9)という設定が通らない可能性がある。その場合は640×360(16:9)で投稿することとなる。より容量を使っても構わない場合、800×450(16:9)で投稿することができる。ただし800×450で投稿した場合、視聴者が手動で16:9表示に切り替える必要がある。
コメント †
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エンコの質問はこっちを見てから→エンコード設定あるある質問箱
こちらも参考にどうぞ→エンコード系質問?を適当に集めた所