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【グラニュース】


連敗止めた金崎弾

2012年8月26日 紙面から

川崎−名古屋 後半29分、先制ゴールを決める名古屋・金崎(左)=等々力陸上競技場で

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 名古屋グランパスは金崎夢生(23)のゴールで川崎に1−0で逃げ切り3試合ぶりの勝利。首位の広島はFC東京に0−1で敗れた。2位の仙台は大宮を3−1で退けて勝ち点42とし、その差は1に縮まった。3位の浦和は清水に2−0で快勝して勝ち点41。磐田は柏を3−0で下し、同37で4位に上がった。2連覇を狙う柏は5位に後退した。

◆名古屋1−0川崎

 その一撃の重みは、わかっていた。ゴール前で体を張り続けた守備陣、必死にボールを運んだ中盤、声をからすサポーター…すべての思いが詰まったシュートがネットを揺らすと、FW金崎は雄たけびを上げながら拳を突き上げた。耐えに耐えた末に生まれた虎の子の1点は後半29分。ゴール前やや左でMF田口のスルーパスを受けると、マークに付く相手DFを鮮やかな切り返しで振り切り、飛び出したGKの股を冷静に抜いた。6月16日の鹿島戦以来、10試合ぶりの今季5得点目。ただ、自身のゴールが勝利に直結したことが、何よりもうれしかった。

 一見クールな青年だが、胸にはしっかりと熱いものを秘める。1カ月前、同僚のDF新井がFC岐阜に期限付き移籍することになった。寮で同じ釜の飯を食ってきた若手選手たちはひそかに激励のメッセージを書き込んだ26番のユニホームを用意し、退寮の朝、新井に贈った。このサプライズを企画したのが、金崎だった。「寮で若手がみんながんばって一緒にやってきたし、何かしてあげたいと思って」。ケガに泣いた新井とは今季同じピッチに立つことはなかった。ただ、雌伏の時を過ごす若手たちの思いを、金崎は背負っていた。

 タイムアップの笛とともに、グランパスの選手たちは次々にピッチに倒れ込んだ。16本のシュートを浴び、泥くさく、歯を食いしばってつかんだ勝ち点3。公式戦ここ3試合で12失点していたチームが5戦ぶりに完封し、公式戦連敗も「3」で止めた。ただ、サッカーに対し高い理想を持つ金崎は言った。「収穫は勝ちだけ。次同じゲームをしても勝てない」。それでも「ここから内容も伴っていければ。次につなげることが一番」と続けた。首位の背中は見えない。今は優勝は語れない。それでも、たぐり寄せるべき希望の光は見えている。 (宮崎厚志)

 

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