大リーグで活躍するダルビッシュ有、サッカー日本代表の主力である長友佑都──。そうそうたるアスリートの活躍の陰に、あるウエアの存在があることをご存じだろうか。
彼らが休養時に着用しているのが、疲労回復に絶大な効果を発揮すると評判の「リカバリーウエア」。粒子状のプラチナが練り込まれた生地が、副交感神経を刺激して代謝を高め、疲れを癒やすという優れものだ。
開発したベネクス社の社長、中村太一は「運動後や就寝時に着ると、血行を促進してたまった疲労が回復する」と自負する。
このリカバリーウエアは、血管を拡張させて疲労の原因となる血中の乳酸濃度を下げる効果があるほか、筋肉をほぐして安眠効果を高めることができる。
1着1万円前後と決して安くはないが、最近はアスリートだけでなく、サラリーマンや主婦にも大人気だという。
従来、疲労回復ウエアと言えば、筋肉を締め付けることで血行を促進するタイプが主流だったが、ベネクス社の製品はそれらとは一線を画し、締め付け感は一切ないのが特長だ。ゆったりとした着心地も、一般の人に広く受け入れられることにつながっている。
ある大手会計事務所は福利厚生の一環として、多忙な会計士に着用を勧めているほどだ。
ただ、このリカバリーウエアはもともと、介護用として開発されたもので、アスリートから高い評価を得るようになったのは、まったくの偶然からだった。
ゴールドジムの担当者が展示会でたまたま発掘し
アスリートにバカ売れ
2003年に大学を卒業した中村は、ウエアの開発とは縁もゆかりもない大手コンサルティング会社に就職し、介護事業に携わっていた。