2012年7月23日 (月)

キャノンよりEOS M発表

キャノンから本日、ミラーレス一眼のEOS Mが正式発表されましたね。しっかし、鳥撮り用には全くお呼びでな~いカメラです。正直、ちょっとは期待してたんだけど。Nikon 1のように電子シャッターのみでシャッターが切れる仕様ではないので、シャッターショックレスにすることはできず、これなら、普通にEOSをライブビューモードで使った方がいいですね。

AFは像面位相差AFとコントラストAFのハイブリッドですが、EOS Kiss X6iのライブビューモード時のAF速度からすると、あまりAFのレスポンスには期待できないと思います。
連写速度はAF固定で4.3コマ、サーボAFだと1.7コマにとどまります。これはEOS Mマウントレンズを使った場合でもなので連写能力はかなり低いですね。
レリーズはNikon 1と同じようにリモコンレリーズが用意されるようですが電子レリーズケーブルには対応しないようです。Power Shot G1Xですら電子レリーズケーブルが使えるのに、これはどうなのよ、と思っちゃいますね。
Nikon 1のように鳥撮り用に活躍してくれる機種をと期待したキャノンユーザーにとってはちょっとがっかりな仕様だったのではないかな。
ま、私はニコンが他社につられてミラーレスの撮像素子を大きくしてしまうことなく、今の1インチセンサーのまま、操作性等を正常進化させてくれることを期待しています。

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2012年5月20日 (日)

今日の麦畑

今シーズンの麦畑の撮影を開始して今日で3週目。今日は曇り空で光の状態がとても良く、午前中は風もほとんど吹かなかったので撮影コンディションとしては申し分のない日でした。
明日は金環日食ですが朝は曇っているかもしれませんね。私は撮影予定はないですが、予定しておられる方は気が気じゃないでしょうね。

Dsc_4790

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2012年4月12日 (木)

AF confirm chip付ケンコー テレプラス for Nikon 1

Nikon1 に専用アダプタのFT1をつけた場合、CPU付レンズではマニュアルフォーカス時にフォーカスエイドが使えますが、非CPUレンズではピント位置の拡大表示はできるもののフォーカスエイドは作動しません。このため、BORGなどの天体鏡筒を使った場合はフォーカスエイドの恩恵にはあずかれません。

非CPUレンズをCPU化するためのチップの存在は以前から知っていたのですが、このチップを用いれば天体鏡筒やAi-Sなどの非CPUレンズでフォーカスエイドが使えるようになるだろうと思っていたところ、鳥撮りのお仲間が先に導入されていました。その動作報告でひとつ、予想していなかった副産物がありましたが、それはフォーカスエイドが作動するだけではなく、フォーカスモードをAF-Sにしてシャッター半押しでピント合せをすると、合焦時に合焦サインとしてフォーカス枠の白枠が緑色に点灯し、同時に合焦音が鳴るというものでした。これは実際の撮影ではフォーカスエイド以上に役に立つかもしれません(CPUレンズを使ったMFモードでのFT1のフォーカスエイドでは合焦マークがついても合焦音は鳴りませんし、AFモーター非内臓のCPUレンズではAF-Sモードは選択できませんので上記のようなことができるのはこのダミーチップを用いた場合に限定されます)。

と言うわけで早速AF confirm chipをとりあえず1個国内入手し、使わなくなっていた古いケンコーの1.5倍テレプラスに埋め込んでみました。

Dsc_8611

このテレコンは古いといってもマニュアルフォーカス専用テレコンではないので、マスターレンズに信号を送るための電子チップはもともと搭載されています。そこで、もともと搭載されているチップを取り去って、空いたスペースに入手したAF confirm chipを埋め込みました。所定の位置にほぼぴったり収まり、両面テープで固定して動かないようにしてあります。埋め込んだチップはFT1のレンズ側電子接点と信号のやり取りをするだけで、マスターレンズ側と信号のやり取りをするわけではないのでテレコンに搭載のフレキシブルケーブル等に通電するように細工する必要は全くなく、単に所定の位置にチップを埋め込むだけです。

こうやって改造したテレプラスをFT1に取り付けてV1の電源を入れると、V1はテレコンをCPU付レンズと認識し、FT1の内部の絞り連動レバーがぐにゅっと上に移動します。このままだと、テレコン側の絞り連動レバーも持ち上げられ、それに伴ってマスターレンズ側の絞り連動レバーも持ち上げられて常に強制開放絞り状態となるので、マスターレンズ側の絞り環で絞りを調整できるようにテレコンの絞り連動レバーの突起部分をニッパーでちょん切りました。

FT1→改造したテレプラス→適当なAi-Sレンズとつなげて、AF-Sモードでシャッター半押しのままピント合せをすると、合焦した時点でピッと合焦音が鳴ります。AF-Sモードでは合焦しないとシャッターが切れないので、ピントが合っていない状態で予めシャッターを全押しし(ピントが合っていないので全押ししていてもシャッターが勝手に切れてしまうことはない)、全押しを保持したままピントリングを回してゆくと合焦した瞬間にシャッターが切れます。これはマニュアルフォーカスでのピント合せにはかなり直感的に使えると思います。比較的大きな飛翔する鳥などの場合、AF-Sモードでシャッターを全押ししながら鳥を追いかけ、ピントリングを回してゆくと合焦と同時にシャッターが切れるのでFT1を使った普通のAF撮影よりもかえって飛翔撮影時の歩留まりは上がるような気がします。

今回改造したテレプラスのレンズは簡単に内部のレンズだけ取り外してしまうことができるので、レンズを取り外すとBORGなどの天体鏡筒ではAF confirm アダプタとして使えます。天体鏡筒でのピント合わせはもともと光路長を合焦装置で変化させてピントを合わせる仕組みなのでテレコンのレンズを取り去ってもテレコンの厚み分フランジバックが狂うことを気にする必要がありません。もちろんテレコンのレンズを元の状態に取り付けたままで使えば文字どうりテレコンとしても機能しますが、焦点距離が伸びすぎるし合成F値も大きくなるので天体鏡筒で使う場合はレンズを取り外すことを想定しています。

今回は古いテレプラスにチップを埋め込みましたが、要はFT1のレンズ側電子接点とチップとがうまく交信できればそれでよいので、天体鏡筒とFT1とをつなぐリングに工夫して直接チップを搭載すればBORGなどをCPUレンズと簡単に認識させることができ、KOWAのプロミナー500などでもマウント部分にチップを工夫して搭載させることで同じ効果を得ることができるはずです。

なお、AF confirm chipはプログラマブルな仕様でデフォルトでは45mmの焦点距離情報とF2.8の開放F値情報が書き込まれていますが、これは書き換えることが可能で、AFモードでの合焦判定も微調整が可能な仕様となっています。

http://filmprocess.ru/nikon_spec_en.htm

国内入手先
http://blog.monouri.net/archives/cat_50029578.html

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2012年2月16日 (木)

電子シャッターVSメカニカルシャッター

Nikon1 V1のフォーカルプレーンシャッターによるシャッターショックが画像にどのくらいの影響を与えるのかを確認するために、電子シャッターとメカニカルシャッターで撮り比べの検証をしてみました。

オリジナルの被写体は印刷物(Palmの元箱)です。ED180mm/F2.8を用いFT1経由のV1で撮影。下記はトリミングなしのリサイズのみの画像。

Original

各シャッタースピードごとに中心部分を等倍トリミング。いずれも左側が電子シャッター、右側がメカニカルシャッターで撮影したもの。撮影時には2秒セルフタイマーを使用。

Dsc_2938 Dsc_2939  ISO100 SS1/1.6 f5.6

Dsc_2940 Dsc_2941  ISO200 SS1/3 f5.6

Dsc_2942 Dsc_2943  ISO400 SS1/6 f5.6

Dsc_2944 Dsc_2945  ISO800 SS1/13 f5.6

Dsc_2946 Dsc_2947  ISO1600 SS1/25 f5.6

撮像素子が1インチサイズと小さいこともあるかと思いますがV1に関してはフォーカルプレーンシャッターによるシャッターショックの影響はほぼ無視してよいと思われますね。

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2011年12月23日 (金)

Nikon FT1動作情報

Nikon 1用のマウントアダプターであるFT1の動作情報をちょこっと。

CPU付レンズでは開放測光。絞り環付のCPUレンズは絞り環を必ず最小絞り(最大F値の位置)にしないとFEEエラーとなってシャッターが切れないので注意。

非CPUレンズでは絞り環で絞りを設定。この場合、絞込み測光となる。大きく絞るとファインダー像自体が暗くなるのでやや使いにくいかな。

FT1経由で天体鏡筒をつないだ場合でも絞り優先オートで使えます。絞り値表示はF--となって表示されませんが対物レンズの開放F値なりのシャッタースピードがAEで制御され、モニター見ながら完全MEで露出をコントロールする必要は全くありません。露出補正も働きます。また、ピント位置の拡大表示も問題なく可能。

AF-Sレンズ使用時、1.4倍テレコン装着状態でもAFは作動します。

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2011年12月13日 (火)

マウントアダプターFT1の発売日決定&仕様表発表

Nikon 1用のマウントアダプターであるFT1の発売日が12月22日と決まりました。同時に仕様表がニコンのサイトで発表されました。

http://www.nikon-image.com/products/camera/acil/ft1_list.htm

なんだかえらくわかりにくい仕様表ですね。制限事項も結構多いように感じます。AFが使えるのはシングルAFモードのみでAFポイントは中央1点のみ。この制約は飛翔撮影には結構きついかも。

発売日の決定及び仕様表の発表と同時に、カメラ本体のファームウエアのバージョンアップの発表もされました。このバージョンアップはカメラをFT1に対応させるためのバージョンアップです。

http://www.nikon-image.com/support/downloads/digitalcamera/acil/firmware/index.htm

Nikon 1はデフォルトのファームウエアの状態だと、伝統的なフォーカスエイド(右向き三角、丸、左向き三角の表示により合焦を知る方法)は使えませんが、今回発表になったファームウエアにバージョンアップすることにより合焦マークが表示されるようになります。
ただし、このフォーカスエイドが使えるのはCPU付きのレンズのみに制限されます。

なお、補足マニュアルが下記にあります。

http://www.nikon-image.com/support/downloads/pdf_rn/digitalcamera/firmware/acil/pdf/Nikon1_V1_J1_FT1.pdf

レンズのフォーカス作動ボタンは使えるのかな、と疑問に思っていたのですが、補足マニュアルを見るとレンズのフォーカス作動ボタンは全て無効になるようですね。メモリーリコール(予め設定したフォーカス状態にボタンひとつで瞬時にフォーカスを戻す機能)が使えないのは残念です。

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2011年12月 6日 (火)

ライブビューでの撮影

この日の日没時刻は午後4時45分。掲載のカットの撮影時刻は午後5時1分。肉眼ではオシドリがよく見えない状態で、サンニッパでもSSはISO800で1/10しか出ていません。掲載のカットはじっとしているオシドリのように見えますが、実際は終始羽繕いをしていたので、普通に撮っては全部ぶれます。デジスコだと超スローシャッターでも撮れるとか言われますが、しきりに羽繕いする動きのあるシーンには全く不向きです。

ミラーショックを廃除するためにライブビューモードで撮りますが(ニコンのD7000はミラーアップ状態でミラーの上下なく連写ができるニコン初のデジタル一眼です)、ライブビューファインダーで羽繕いと羽繕いの間隙をぬってじっとしている瞬間にレリーズを試みても、実際に写るのは羽繕い中のぶれぶれのカットばかりになります。これはライブビューファインダーに映し出される映像が実際と大きくワンテンポ遅れているためで、D7000に限らず、ライブビューファインダーを持った他のカメラでも多かれ少なかれ同じことが起こります。

こういう時の撮影のコツはファインダーを見ないことです。まずライブビューファインダーで鳥がじっとしているときにしっかりと鳥の目にピントを確保しておきます。そのうえでファインダーではなく双眼鏡で鳥を見ます。右手にはレリーズケーブル。双眼鏡で鳥の動きをじっと見て、羽繕いをやめて前を向いた瞬間にシャッターを切ります。シャッターが切れる瞬間はライブビューファインダー上ではまだ羽繕い中のはずです。そしてライブビューファインダーで鳥が前を向いてじっとしているように見える僅かな瞬間には、実際は次の羽繕いを始めているので、この段階でシャッターを切っても手遅れです。

D7k_8860

因みに、デジタル一眼レフですからライブビューモードでミラーアップしたまま撮影しても、シャッターショックは残ります。ミラーショックやシャッターショックの影響を最も受けやすいSS領域はSS1/20~1/30付近の領域でこのあたりのシャッタースピードになるときには細心の注意が必要です。逆にSS1/2とか1秒とか2秒とかのマゾ的なシャッタースピードになるとかえってシャッターショックの影響は画像には出にくくなります。なぜそうなるかは自分で考えてみてください。ヒントは‘シャッターショックの影響時間<露光時間、長時間露光によるピントの芯’です。ここまでのスローシャッターになるとデジスコの画像をデジ一が再度逆転します。

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2011年11月17日 (木)

Nikon FT1の絞り連動レバー・・・雑談モード

今回の記事はあくまでも雑談モードなのでさらっと読み流してください。でも興味ある方には結構興味深い話、かも?

11月15日に「待たれるFT1」のタイトルでアップした記事の中に掲載したFT1の写真を見て‘おやっ’思われた方っていないでしょうか? 赤矢印で示した最小絞り設定警告レバーと思われるパーツのやや右上、金属マウントの内側の左下あたりからにょきっと出ている突起ですが、これは「絞り連動レバー」と呼ばれるパーツです。ここまではニコン機をある程度長く使っている方であれば大抵の方は知っていると思いますが、この絞り連動レバーのデフォルト位置が気になりませんか?
絞り連動レバーはレンズを装着時にレンズ側の絞り連動レバーを押し上げて開放絞り状態にする役割を担っていますが、レンズ非装着の状態では通常、時計の長針でいうと45分くらいの位置にあります。しかし、該当の写真では40分くらいの位置になっています。
あれっと思って、絞り連動レバーが写っているFT1のほかの写真をいろいろ見てみると、45分の位置になっているものもあります。
さらに、別角度から写っているFT1の写真をいろいろ探すと、マウントアダプターの上面中心部分に設定ボタンらしきボタンがあり、ボタンを右、中央、左の3ポジションに切り替えて何かの設定をする仕様になっているようです。
私が推測するに、このボタンは装着レンズの種類によって設定を切り替えるボタンではないかと思います。FT1経由では非Aiレンズは使えないということを踏まえて3ポジションを考えると、この3つの設定は、Ai仕様の絞り環付非CPUレンズ、絞り環付CPUレンズ、絞り環を持たないGレンズ、あたりの3分類で設定ボタンを切り替える仕様なのではと勝手な予想をしてみました。そして、この設定ボタンの位置によって前述の絞り連動レバーのデフォルトポジションやその絞り連動レバーの果たす役割が変わるのではないかと想像しています。

露出計連動レバーをボディ側にもFT1側にも持たない(多分)にもかかわらず非CPUレンズで絞り優先オートが使えるというのは、これまでのニコン機からすればかなり謎なのですが、その鍵がFT1に搭載の絞り連動レバーに前述の設定ボタンでの設定ごとに異なる役割をさせているのではないかということと大きく関係しているような気がしてなりません。

あくまでも好き勝手な想像ですので、冒頭に書きましたように雑談として読み流してくださいね。

(追伸)

写真から設定ボタンが存在するように見えた件ですが、気になるので某社の知り合いに確認したところ、設定ボタンは存在しないとのことでした。私の思い過ごしだったようです。
FT1は電子接点経由ではなく何らかの方法で機械的にレンズの開放F値をカメラに伝える方法が用いられていると思うのですが、その方法が未だわかりません。F4まで搭載されていた開放F値連動レバーのようなものも搭載されてはいないようなので、どんな仕組みなのか興味があります。

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2011年11月15日 (火)

待たれるFT1

Nikon 1が発売になってから今週末でほぼ一月になりますが、肝心のマウントアダプターFT1の詳細仕様が公表されないですね。FT1は12月発売予定とされていますが、一部の量販店での表記では2012年1月発売予定とされているところもあり、下手をすれば来年にずれ込む可能性もあります。

FT1の仕様については私はある程度の予測はしていますが、その構造は結構凝ったつくりになっているように思います。最近の最新情報ではAi仕様の非CPUレンズで絞り優先オートが使えるということが判明しましたが、これはいろいろなことを推測する重要な手がかりにもなります。

そんななか、トミーテックの中川さんがニコン1用のマウントアダプターの量産宣言をされましたが、私的にはちょっとばかし勇み足ではないかなと思っています。現在試作されているアダプターはAEが全く使えない完全マニュアル露出となるようですが、果たしてニコン1にBORGをはじめとする天体鏡筒をつないだとき、本当にAEは実現不可能なのでしょうか。
私はAEを実現できる可能性が大いに残っていると思っています。その重要な手がかりも、先述したAi仕様の非CPUレンズで絞り優先オートが使えるところに隠れています。非CPUレンズにはそもそも電子接点がありません。従って、アダプター経由でAEが使えるのかどうかは電子接点経由の電気信号的な仕組みに依存するのではなく、もっと物理的な構造に依存するのです。そのうえで、現在WEB上で見れるFT1の写真をじっくりと眺めてみると解決の糸口が見えてきます。

もったいぶった言い方になりましたが、FT1の写真をじっくり眺めると、正面から見て左斜め下(金属マウントの外側部分)に突起があることがわかります。これは果たしてなんなんのかを予測してみましょう。ニコンのFマウント、ニコンの歴代のカメラにある程度詳しい人ならおおよその予測がつくんじゃないかと思います。おそらくこれは「最小絞り設定警告レバー」だと思われます。
この最小絞り設定警告レバーはカメラボディ側に露出計連動レバーが設けられているカメラには存在しません。D70やD90などのような機種にはカメラボディ側に露出計連動レバーは設けられておらず、最小絞り設定警告レバーが設けられています。ニコン1のボディ側マウントには露出計連動レバーも最小絞り警告レバーもマウント部の写真を仔細に見る限り存在しないようです。おそらくFT1を装着したときのみ最小絞り設定警告レバーが登場するということなのでしょう。
この最小絞り設定警告レバーはレンズの絞り環で絞りを最小絞りにした時、レンズについている「最小絞り設定警告用ガイド」に押し下げられる仕組みとなっており、このガイドによって最小絞り設定警告レバーが押し下げられないとAEではエラーとなり完全マニュアル露出以外ではシャッターが切れないことになります。
裏を返せばこの最小絞り設定警告レバーを無理やり押し下げてやるとレンズ非装着時に完全マニュアル露出にしないと警告エラーとなってシャッターが切れないという現象は回避できると予想されます。FT1の実機自体がまだリリースされていないので、あくまでも予想ですが、その予想が根拠のあるものか、ないものかは上記に記載したことを読んでご判断ください。

Ft1
最小絞り設定警告レバーはスライド式ではなく押し込み式の模様



トミーテックが試作したマウントアダプターはCXマウントにそのまま取り付けるアダプターなので上記のエラーを回避できる可能性は全くありません。アダプターの開発はCXマウントへの直結アダプターではなくFT1経由のアダプターを開発すべきで、FT1の実機リリースを待ち、その構造をじっくりと研究した上で開発に取り組むべきです。中川さん、見てますか? 本当にこのまま量産に踏み切りますか?

私はトミーテック社の社員でもなければBORG製品の開発担当者でもないわけですが、中川さんには125SDをモニター使用させていただいた恩義があるのです。CXマウント直結のアダプターでは製品開発に失敗する可能性が極めて高いことを認識しているのに、それを見て見ぬふりはできません。今回の記事は「待たれるFT1」とのごく一般的なタイトルをつけていますが、その中身は完全に中川さん宛の記事なのでした。

(11月16日追記)

どうやらもう量産に入ってしまわれたようなので、上記の記事は時既に遅しに失したみたいです。ま、ME専用と割り切ってお使いになる需要はあるかと思いますが。因みに、今回はAE化だけに焦点を絞った文章になりましたが、エラーを回避してAE化した場合には、同時にMFアシストも有効になると思います。

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2011年9月22日 (木)

Nikon 1(V1)仕様あれこれ

昨日発表されたばかりで実機もないですが、取説をながめて確認した仕様についてつらつらと思いつくまま書きます。最近のニコンは製品発表と同時に発売前から使用説明書がPDFでダウンロードできるのがいいですね。発売前の購入検討に大変役に立ちます。

(全般)
Nikon 1は総じて言うとCoolpix以上、一眼以下という感じは否めません。仕様を細かに見てゆけばゆくほどそう感じます。コンデジのCoolpixに比べると設定項目等は比べ物にならないくらい豊富ですが、普通に一眼を使っていると省略されている部分が非常に多く、使い勝手において相当に差が感じられると思います。

(操作性)
Nikon 1の特徴のひとつに、いろんな機能の設定を背面の‘ロータリーマルチセレクター’に集約させているということが挙げられますが、このため、操作性はかなりめんどう、使いづらい、と言うことになるかと思います。

(電子シャッターでの高速連写モード)
Nikon 1V1にはシャッターモードとして‘メカニカル’、‘エレクトロニック’、‘エレクトロニック(Hi)’の3つのモードがあります。メカニカルはフォーカルプレーンによる機械式シャッターで他の二つのモードが電子シャッター。メカニカルもしくはエレクトロニックでは最高5コマ/秒の連写で、高速連写モードであるエレクトロニック(Hi)にしたときに10コマ/秒、30コマ/秒、60コマ/秒の高速連写が可能となります。60コマ/秒でもフル画素での撮影ができることはかなり画期的です。
エレクトロニック(Hi)モードでの落とし穴は、フォーカスモードが大きく制限されるということではないかと思います。10コマ/秒の場合、フォーカスモードはAF-Aモードに制限されます。30コマ/秒もしくは60コマ/秒の場合、フォーカスモードはAF-Sに制限されます。AF-AモードもAF-Sモードもフォーカスポイントでフォーカスが合っているときしかシャッターが切れない仕様です。ニコンの普通の一眼だと、たとえばAF-Sモードであってもユーザーがフォーカス優先、レリーズ優先を選択でき、レリーズ優先の設定にしておくとたとえフォーカスポイントで合焦していなくともシャッターを切ることができますが、Nikon 1にはこのフォーカス優先、レリーズ優先の設定メニューが用意されていないため、フォーカスポイントで合焦しない限りシャッターは切れない仕様です。注意すべきはエレクトロニック(Hi)モードではフォーカスモードとしてMFも使えないという点です。そもそもNikon 1ではMFモードでのピント合せはピントリングを回してという方法ではなく、先述したロータリーマルチセレクターをぐりぐり回してピント合わせする仕様になっているので、高速連写モードでロータリーマルチセレクターを回しながらピント合わせなんて非現実的なことは最初から想定しなかったのでしょう。
ただ、12月に発売される予定のマウントアダプターFT1をつなげば、普通のFマウントレンズが使えるわけで、その場合でもレンズのピントリングを回してピント合わせしながら、高速連写モードで撮影することができないというのはきわめて残念というほかありません。FT1はまだ取説もダウンロードできないため、その詳細仕様が不明ですが、もしかしたらFT1装着時はエレクトロニック(Hi)モードはそもそも使えない可能性もあるんじゃないかと思います。純正マウントアダプターではなくサードパーティ製のマウントアダプターを介して他社性レンズや天体鏡筒で使うことを想定される人もいるかと思いますが、その場合でも高速連写モードではフォーカスモードとしてAF-AもしくはAF-Sモード以外は使えないので高速連写でのMF撮影はできないということになりそうです。

※取説を読む限り、レンズ非装着時にレリーズ可とする設定がどこにもないので、サードパーティ製のマウントアダプター経由ではそもそもレリーズ不可となりそうです。

(レリーズケーブルの可能性)
Nikon 1にはオプションで電子レリーズケーブルが用意されていないことは昨日書いたとおりですが、今後用意される可能性はあるのでしょうか。Nikon 1のインターフェイスを見るとUSBポートは備えてますがD7000などで使われる電子レリーズケーブルを差すためのアクセサリーポートはありません。その代わり、外部フラッシュやGPSユニットを接続するためのマルチアクセサリーポートが用意されています。このポートには外部フラッシュのほかにGPSユニットもつながります。可能性としては、このマルチアクセサリーポートへの接続仕様の電子レリーズケーブルが将来発売されてもおかしくはない気がします。ただ、このポートがもともとシャッター基盤と電気的につながっていなければどうしようもありません。
ニコンの古い機種でD70には当初、電子レリーズケーブルを接続するポートがありませんでしたが、その後、ニコンが電子レリーズケーブル接続ポートの増設改造サービスを有償で提供していたことがありましたので、ユーザーの声が多ければ、このような有償改造サービスでの対応という可能性もあるかもしれません。

(過去撮り機能)
Nikon 1には本格的な過去撮り機能は搭載されていないようです。‘スマートフォトセレクターモード’というのがあって、シャッター半押し中は最大で90秒過去に遡って画像を取り込み続ける仕様にはなっていますが、シャッター全押しした際にメモリーに取り込まれるのはカメラが自動で判別したベストショットと、ベストショット以外のベストショット候補4枚の合計5枚だけという仕様であり、カシオのパスト連写機能のような本格的な過去撮り機能が備わっているわけではないです。

(FT1の仕様)
Fマウントレンズを使えるようにするマウントアダプターFT1を使えばAF撮影も可能となりますが、AFが可能なのはレンズ内にモーターを内臓しているレンズのみで、AFカップリング方式のレンズではAF撮影はできません。この仕様はD40などでAF撮影できるレンズの仕様と同じですね。ニコンのレンズ郡でAFカップリング方式ではなくモーター内臓のレンズ郡としてはAF-SとAF-Iのレンズがあり、AF-Sの方は超音波モーターでAF-Iに比べて駆動速度が速く静かという特徴があります。一部のサイトでFT1経由でAFが使えるのはAF-Sレンズのみと書かれているものがありますがD40などでもAF-IレンズはAFが使えますのでAF合焦速度がAF-Sレンズに比べて遅いということはあるにしてもAF-IレンズはFT1経由でAF撮影可能と思います。

※ニコンのUKサイトにAF-SとAF-Iレンズでオートフォーカス可能とはっきり明記されていました。

(電子シャッターでの露光方式の疑問)
Nikon 1の電子シャッターはグローバル露光ではないだろうと昨日書いたのですが、この点についてはまだ半信半疑です。J1の方はそもそもフォーカルプレーン方式による機械式シャッターが搭載されておらず、電子シャッターのみしか使えないですが、電子シャッターのみのCMOSセンサーでローリング露光による歪みへの配慮をしないまま、動画や高速連写を売り物にするカメラをニコンが本気で製品化するのだろうかという疑問があります。もうひとつはニコンのNikon 1の製品サイト内に掲載されている女性が棍棒を投げているシーンのサンプルイメージで(「製品特徴」→「パフォーマンス」のページにあるイメージサンプルです)、10fpsの高速連写モードで撮影されていますが低速シャッターから来るぶれによる残像と思われる歪みは見られるものの、いわゆるローリング露光の電子シャッター特有の歪みが出ているようには感じなかった点です。もしかして、グローバル露光もしくはそれに近い技術が密かに盛り込まれているのではないかとかんぐってしまいます。

仕様についていろいろ書きましたが、結論として、このカメラはFT1にAF-Sヨンニッパつなげば換算1080mm/F2.8で最高5コマ/秒までの連写がAFで可能(通常連写である限りフォーカスモードの制限も一切なし)ということだけでも‘買い’ではないかと思ってます。純正テレコンの2倍ぐらいする値段のテレコン買うと思えばいいわけです。

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