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[2012年05月19日(土)]

【バレー】登録メンバー発表、五輪最終予選でカギを握る試合は?

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

第2のエースとして期待がかかる江畑幸子(22) 日本バレーボール協会は5月18日、女子のロンドン五輪世界最終予選に臨む最終登録メンバー12人を発表した。

 世界バレー銅メダル、ワールドカップ4位に導いたエース、木村沙織をはじめとして、第2のエースに成長した江畑幸子、キャプテンの荒木絵里香、司令塔の竹下佳江、リベロの佐野優子などが順当に選出された。久光の21歳コンビ、岩坂名奈、新鍋理沙もともに選ばれた。また、攻撃力・ブロック力を期待されて迫田さおりが入り、トルコリーグで活躍したオールラウンダーの狩野舞子も残った。

 五輪を2度経験した栗原恵、ケガでワールドカップを外れていた大友愛と井上香織は外れた。眞鍋監督は、栗原、大友、井上を外した理由を、「栗原は他の6人のサイドの選手の方が現時点で勝っていたから。大友、井上は怪我の回復が間に合わなかった」と述べている。また、ワールドカップでリリーフレシーバーとして起用された座安琴希は、「レシーブの安定も大事だが、それよりも攻撃力をとった」との理由で落選した。

 12名は以下の通り。
2 中道瞳 東レ セッター
3 竹下佳江 JT セッター
6 佐野優子 イトゥサチ リベロ
7 山口舞 シーガルズ ウィングスパイカー
10 岩坂名奈 久光 ミドルブロッカー
11 荒木絵里香 東レ ミドルブロッカー
12 木村沙織 東レ ウィングスパイカー
13 新鍋理沙 久光 ウィングスパイカー
14 江畑幸子 日立 ウィングスパイカー
15 狩野舞子 ベシクタシ ウィングスパイカー
16 迫田さおり 東レ ウィングスパイカー
17 平井香菜子 久光 ミドルブロッカー

 五輪出場権を獲得するのは、出場する全チームの中で上位3チームと、それ以外のアジア1位のチームである。全日本の中で鍵となるのは、何と言っても木村沙織。眞鍋監督の信頼は厚く、「3年間個人的にプレッシャーを与え続けた。日本の柱になった」と太鼓判を押す。ついで、ライトの山口舞も「ミスが少ない、チームの中心となる選手」と高評価。また、強力な攻撃力を持つ江畑幸子のことは、「ワールドカップでは安定してエースとして働いた。今後も安定した力を期待している」。このウィングスパイカー陣3枚に、いかにミドルブロッカーや控えのウィングスパイカーたちが上積みできるか、に注目だ。

 また、眞鍋監督は、昨年から目標として4つの世界一、「ディグ」(スパイクレシーブ)、「サーブ」、「サーブレシーブ」、「ミスによる失点の少なさ」を掲げている。昨年のワールドカップは、「ディグ」が世界一になっての4位だったが、他の3項目はまだ向上の余地がある。これをオリンピック本番の前にどこまで詰められるか。

 出場権獲得に関して、ポイントとなる試合は5月22日のタイ戦と23日の韓国戦になる。

 タイは司令塔のヌットサラが円熟期に達し、国際的にも高い評価を得ている。日本はタイのスピードバレーに対抗する必要がある。

 また韓国にはトルコリーグでMVPを獲得した身長192cmのエース、キム・ヨンギョンがいる。特に韓国は、昨年のワールドカップの時にも、大会順位にはこだわらず、照準は世界最終予選に合わせているとコメント。力を入れてくるのは間違いない。キム・ヒョンシル監督は、「攻撃的なチームにした」と自信を見せる。日本がアジアで1位になるには、どうしても下さねばならない相手である。

 一方、今大会には五輪本戦を見据えての戦いという側面もある。ここでカギとなるのは5月26日、27日と続く、欧州枠のロシア戦とセルビア戦だ。196㎝のブラコチェビッチが攻撃の軸となるセルビアは、2011年ヨーロッパ選手権の優勝国。ブラコチェビッチの他にも、クイックを多用する強力なセンター線を日本がどこまで食い止められるか。

 ロシアには、202㎝の大砲、ガモワが大黒柱として君臨する。この大会に向けて、ベテランのエステスを復帰させており、攻守双方に磨きをかけてくるだろう。この両国に対してどのように戦えるかが、本戦を占ううえで重要な要素となる。

 18日の練習は、本来は取材陣に対して公開される予定だったが、眞鍋監督の要請で急遽非公開となった。「やりたいことがあったので。内容は言えませんが」とのことで、期待の持てる開幕となる。

「世界最終予選は1位通過、ロンドンでは金メダルを獲りにいきます」と宣言する眞鍋監督。この大会の12名がそのまま本戦の12名になるかどうかは「私にもまだわかりません」と語った。落選した栗原ら5名も帯同し、コートの外から全日本を見つめ直す。大会を通して全てのメンバーが切磋琢磨する7日間となりそうだ。

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