社説:北米の漂着がれき 処理対策で誠意示そう
毎日新聞 2012年08月26日 02時31分
同省は、民間団体の環境保全活動に助成金を出す「地球環境基金」を活用し、がれき処理に取り組む非政府組織(NGO)を支援することを検討している。政府間の協力の枠組みが整っていないためだが、大量漂着までの時間は残り少ない。速やかな意思決定が求められる。
日米で市民や企業に幅広く寄付を募り、漂着がれき処理に使うことも考えてみてはどうだろうか。がれき漂着への関心も高まるはずだ。
がれきの漂流予測は、来年6月時点までしか出されていないが、漂着範囲がさらに拡大することも予想される。予測精度を高めるとともに、より長期間の予測をして、関係各国に適切に情報提供していくべきだ。漂流物の中には自然分解されないプラスチック類なども含まれており、海洋生物などへの影響を継続してモニタリングする必要もある。各国の研究機関などとも連携しよう。
海岸への漂着ごみは、以前から日本にとっても悩ましい問題だった。他国からの分も含め、漂着量は年間約19万トンとの推計もある。今回の対応を、国際的な漂着ごみ対策の枠組み作りにもつなげたい。