社説:北米の漂着がれき 処理対策で誠意示そう

毎日新聞 2012年08月26日 02時31分

 東日本大震災の津波で流出したがれきが北米大陸に相次いで漂着している。現地では環境や観光、漁猟などへの影響を懸念する声も出ているという。漂着したがれき処理に関する国際的な取り決めはなく、日本は国際法上も処理責任を負わないが、放置できない問題だ。大震災で受けた国際的な支援に応えるためにも、日本の誠意を示したい。政府は処理費用の負担を含め、積極的に対応する必要がある。

 環境省の試算によると、岩手、宮城、福島の3県から津波で流出したがれきは約500万トン。7割は海底に沈んだが、約150万トンが漂流物となって太平洋に流れ出た。

 浮かんだままの漁船やブイ、ボールなどが偏西風の影響を受けて先着したが、漂流物の多くは家屋が壊れ生じた板や流木などで、10月以降に漂着が本格化する。来年2月までに4万トンを超すがれきが北米大陸の太平洋沿岸域に流れ着く見込みだ。漂着物に日本由来の生物が付着していれば、外来種として現地の生態系を乱す恐れもある。

 漂着がれきは、現地の行政府が中心となって処理しているが、大震災に伴う大量漂着は予定外で、予算措置にも限度がある。環境省は今月初め、どのような支援ができるかを探るため、海洋環境保護団体「JEAN」(東京都国分寺市)のスタッフを米オレゴン州に派遣した。米側からは「漂着範囲が広大で、状況を確認するだけでも大変な作業になる」などの指摘が出たという。

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