海外で安心してパケット通信するために、海外スマホ初心者がうっかりしがちな内容をQ＆Ａ形式で詳しく解説。しっかり理解して海外に出かけよう！
海外に滞在中も、毎日の習慣となっているメールチェックやＳＮＳの閲覧、ツイートなどは行ないたいもの。国際ローミングに対応したスマホであれば、海外でも問題なく利用できるが、ちゃんと知識をつけて使うようにしないと、帰国してから高額の請求書に驚くことになりかねない。
最近では、「海外パケット定額プラン」の対象事業者に自動で接続してくれるなど、便利なサービスが続々と登場。国際電話になってしまう通話を控えて、パケット通信のみにすればかなり節約できる。しかし、正しい使い方を知らずに失敗する人も多い。
そこで海外での通話やメールの仕組みから、出発前に準備すること、現地に到着してからの設定方法など、失敗を防ぐための基本知識を項目別に用意した。安心して旅行を楽しむために、具体的な対応策とあわせて、ぜひおさえておこう。
■準備編
Q1.渡航前にキャリアへの手続きが必要なの？
A.特別な手続きはしなくてもOK!海外利用ガイドやアプリを準備しよう！
各キャリアでは海外利用について解説したガイドブックを用意。ショップでもらえるので、事前に手に入れて知識をつけておくと安心だ。便利なアプリも登場しているので、あらかじめ国内でインストールしておこう。
●ショップでガイド本をもらおう！
↑海外での設定や通話、メールなどについて詳しく解説。各社のWebサイトでも紹介されているので、いずれかに目を通しておこう。
●ドコモ「海外利用」
↑アプリのメイン画面や通知バーのアイコンで、「海外パケ・ホーダイ」が適用されているか確認できる。
＜ダウンロード方法＞
Android端末●ｄメニュー→サービス一覧→ドコモ海外利用
●au「GLOBAL PASSPORT」
↑「海外ダブル定額」対象事業者がわかる。
＜ダウンロード方法＞
Android端末●au Market→「海外ダブル定額」で検索→無料アプリ
iPhone●App Store→「グローバルパスポート」で検索
●ソフトバンク「海外パケットし放題」
↑「海外パケットし放題」の利用をサポートする。
＜ダウンロード方法＞
Android端末●Google play→「海外パケットし放題」で検索
iPhone●App Store→「海外パケットし放題」で検索
■通話編
Q2,渡航先の同じ国同士での通話料はどうなるの？
A.日本を介しての国際電話料金になるので注意！
●海外での通話の一例
←↑海外では着信時にも通話料が発生する。日本から現地に転送する「着信料」が必要となるからだ。渡航先で日本のケータイ同士で通話する場合にも、日本を介しての料金になるので高額になってしまう。
■メール編
Q3.海外でもショートメールは無料？
A.受信は無料だが、海外からの送信には１通100円もかかってしまう。
ケータイの電話番号で送受信ができるショートメッセージサービス（SMS）。規定の文字数で国内同士の利用であれば、無料や１通3.15円で利用できる。だが海外ではSMSを１通送信するのに100円もかかってしまう場合がある。日本と同じつもりでSMSを送信していたら、後でビックリしかねない。なお日本から海外に送信する場合は、無料や１通3.15円。受信は国内・海外ともに無料で利用できる。
■設定編
Q4.海外パケット定額事業者には自動でつながる？
A.自動でつながるケースもあるが必ず「手動」で設定しておこう
最近ではキャリアやエリアによっては、自動で海外定額事業者につながるケースも増えてきた。ただ、海外を移動中にサービスエリアから外れた場合、定額対象事業者に接続されないことも考えられる。そうなると請求金額が高額になる恐れがあるので、必ず手動で定額対象事業者に設定しておきたい（※）。定額対象事業者の名前は各キャリアの海外用アプリなどで調べられるので事前に確認しておこう。
※ドコモは7月より全事業者が定額対象となり、手動切り替えが不要になると発表している。
Q5.海外パケット定額にする手順は？
A.キャリアや機種によって違うので事前に確認しておく。
移動の機内では「設定」で「機内モード」をオンに。海外に到着したら、「海外パケット定額プラン」の設定を行なおう。ケータイ会社によっては事業者を案内する通知メールが届いたり、特に事業者を指定しなくても自動でつながるところもある。しかしもし間違うととんでもないので、左の設定方法を参考に、しっかり確認しておきたい。なお「海外パケット定額プラン」に接続しない場合は、「データローミング」をオフにする。
●Androidの場合
↑ａｕの場合、「GLOBAL PASSPORT」アプリで「海外ダブル定額」対象の事業者を確認する。
↑「海外ダブル定額」対象事業者に接続するために「メニュー」を開く（機種によっては直接「設定」を開く）。
↑アプリ一覧から「設定」をタップして、「ワイヤレスとネットワーク」を選択する。
↑「モバイルネットワーク」をオンにして、「モバイルネットワーク設定」を行なう。
↑「データローミング」にチェックし、複数の事業者の中から定額対象事業者を選択する。
●iPhoneの場合
↑ソフトバンクの場合、海外に到着後、定額対象ネットワークの接続に関するメールが届く。
↑「海外パケ・ホーダイ」対象事業者に接続するには、アプリ一覧から「設定」をタップする。
↑「機内モード」がオンであるのを確認し、「一般」から「ネットワーク」を選択する。
↑「３Ｇを有効にする」と「モバイルデータ通信」をオン、「データローミング」をオフにする。
↑「機内モード」をオフにして定額対象事業者を選択。「データローミング」をオンにする。
■Wi-Fi編
Q6.スマホもPCもネットにつなぐにはどうする？
A.海外で利用できるモバイルWi-Fiルーターを使えば複数台つなげる。
主な海外用モバイルWi-Fiルーターは、５台程度同時接続できる。スマホとノートPCはもちろん、同室の友達と一緒に利用することも可能だ。毎日、利用する場合は、日本からルーターをレンタルしていくほうが、海外パケット定額プランを毎日利用するよりもお得。数日ならドコモの「WORLD WING Wi-Fi」を利用するのもおすすめだ。
＜こんな方法も!!＞
●「海外パケ・ホーダイ」でWi-Fiローミングできる
ドコモ「WORLDWING Wi-Fi」
「海外パケ・ホーダイ」利用者向けに、対象エリアで無線LANを利用できるサービス。PC使用でのパケット量が合算される。
↑海外のWi-Fi サービスとしては、「au Wi-Fi SPOT」の国際ローミングサービスもあり、１分27円から１日上限１４８０円でネット接続できる
●WiMAX搭載PCなら1日利用サービスが使える！
UQ WiMAX「WORLD WiMAX」
アメリカのプロバイダー「CLEAR」の１日利用サービスが無料。韓国の「KT」のサービスを１日3000ウォン（約230円）で利用可能。
↑東芝『dynabook R732』など、WiMAX搭載ＰＣで使える。アメリカへ行く機会が多い人は思いきってＰＣを変えるという選択肢もありだ。
■移動編
Q7.飛行機の中でも使いたい！
A.航空機ローミングサービスに対応していれば利用できる。
航空機ローミングサービスに対応している国際線航空会社の対応の便であれば、機内でもソフトバンク、au、ドコモのケータイが利用できる。ただし音声通話は650円／１分、SMSの送信は１通170円〜とやや高め。JALの「SKY Wi-Fi」のほうが利用しやすい金額だ。「SKY Wi-Fi」は東京（成田）〜ニューヨーク線を皮切りに、随時導入予定。
●ソフトバンク「機内ケータイ」
エミレーツ航空、マレーシア航空、エアーアジアなどの国際線の対応している航空機で、通話やSMS、パケット通信が利用できる。
●JAL「SKY Wi-Fi」
↑スマホやノートPCなどの無線LAN対応端末を対象にした有料の機内Wi-Fi接続サービス。１時間11.95＄、24時間21.95＄。
■パケ邸編
Q8.パケ定の課金の基本時間は？
A.現地時間ではなく、日本時間が基本となるので注意！
ドコモの「海外パケ・ホーダイ」やauの「海外ダブル定額」、ソフトバンクの「海外パケットし放題」などの「海外パケット定額プラン」。いずれも現地時間ではなく、日本時間の１日で課金される。時間は０時から23時59分59秒まで。この時間をまたがると２日間の扱いになるので、気をつけよう。また日本では0.084円／パケットが、海外では0.2円／パケットとかなり割高になるので、海外でパケット通信を行なう場合は、注意しよう。
■トラブル編
Q9.海外でスマホを落としちゃった!!
A.すぐに各キャリアの受付番号にコールして回線停止の手続きをしておこう。
海外でスマホを紛失したり、盗難に遭った場合などは、各キャリアのインフォメーションセンターなどに連絡して、回線停止の手続きを行なっておこう。どのキャリアの番号も24時間対応している。下記の番号は、それぞれのキャリアのケータイからかける場合は無料だが、現地の一般電話などからかける場合は有料になる。