アップル、サムスン双方に特許侵害、損害賠償を-ソウル地裁
8月24日(ブルームバーグ):米アップルと韓国のサムスン電子は互いに相手のモバイル端末特許を侵害しており、両社とも損害賠償を支払うとともに一部製品の韓国内での販売を停止するよう、ソウル中央地裁が24日、判決で命じた。
判決は、アップルがサムスンの保有する特許2件を侵害したと認定する一方、世界最大の携帯電話端末メーカーであるサムスンもアップルの特許1件を侵害したと指摘した。ただ、サムスンはアップルのスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」のデザインをまねてはいないとの判断を示した。アップルに対しては、特許を侵害している一部製品の韓国内での販売停止を命じた。
アップルとサムスンは今年4月以降、互いの製品、意匠、技術をまねたとして特許侵害で提訴、訴訟合戦は4大陸に広がっている。一方で両社は、部品供給など実際の取引では密接に結び付いている。両社が狙っているのは世界のスマホ市場での覇権だ。ブルームバーグ・インダストリーズの推計によれば、同市場の規模は2011年時点で2190億ドル(約17兆2000億円)に上る。
両社は米カリフォルニア州サンノゼの連邦地裁でも7月30日に陪審裁判を開始している。これは両社の係争で米国での最初の陪審裁判。この訴訟でアップルはサムスンに対し25億-27億5000万ドルの損害賠償を要求。併せてサムスン製タブレットの米国内での販売差し止め仮処分を恒久的措置にするとともに、スマホについても同様に処分すべきだと訴えている。サムスンはアップルが侵害した特許の使用権料として4億2180万ドルを要求している。
市場調査会社、ストラテジー・アナリティクスによると、今年4-6月期の世界のスマホ市場でサムスンは34.6%のシェアを握り、アップルは17.8%となっている。
両社は訴訟合戦を展開する一方で、部品供給などの取引面では密接な関係にある。アップルのスマホとタブレットに使用されている半導体はサムスンが供給しており、ハイテク関連調査会社ガートナーの推計によれば、その額は今年最高75億ドルと、前年比60%増に達する見通しだ。また、ブルームバーグのサプライチェーン分析によると、サムスンの売上高の約9%をアップル向けが占めており、同社はサムスンにとって最大の顧客でもある。
原題:Apple, Samsung Infringed Each Other’s Patents, Seoul CourtSays(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ソウル Jun Yang jyang180@bloomberg.net
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更新日時: 2012/08/24 14:28 JST