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【経済】

燃費ターボエンジン トヨタ14年秋導入へ

 トヨタ自動車は、小型化したガソリンエンジンにターボ過給を組み合わせ、燃費向上と出力維持を両立させる「燃費ターボエンジン」を二〇一四年秋に排気量二〇〇〇cc以下で導入する。エンジン小型化とターボの併用は、欧州メーカーが力を入れる低燃費化の手法だが、トヨタも主軸のハイブリッド車(HV)を補う環境技術と位置付け、中国市場などを視野に本格参入にかじを切る。

 十年ほど前から中止しているターボ過給機の内製を、三好工場(愛知県みよし市)で再開する。まず二〇〇〇ccのエンジンをターボ過給し、現行の二五〇〇〜二八〇〇ccクラスの車種に採用するとみられる。その後、ターボ過給を二〇〇〇cc未満のエンジンに広げる。

 ターボ過給は、圧縮した空気を強制的にエンジン内に送り込んで出力を稼ぐ仕組み。一九九〇年代にスポーツモデルを中心に人気が出たが、燃費の悪さなどが解消できず下火になった。二〇〇五年以降、独フォルクスワーゲン(VW)が主力車「ゴルフ」などにターボなど過給機を使った小型エンジンを続々と投入、「燃費技術」として見直されている。

 トヨタのハイブリッド技術は圧倒的な燃費性能を誇るがエンジンにモーターや蓄電池を組み合わせるため「車種によってはコストや車内空間の面で不利な場合もある」(トヨタ幹部)。比較的、構造が単純で低コストの燃費ターボは、都市部の大気汚染に悩む中国などで評価が高い。

<燃費ターボとエンジン小型化> 従来は高出力を狙ったターボ過給が多かったが、近年は燃費向上のために排気量や気筒数を減らしたエンジンに使われ、出力減を補う目的が主流に。欧州メーカーを中心に、ターボ過給の1400ccで、2000ccの性能を出すなどの小型化が競われ、「ダウンサイジング」とも呼ばれる。日産自動車も9月、小型車「ノート」に過給機付き小型化エンジンを投入。燃費は現行より約4割改善するという。

 

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