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再生へ支えたラジオ描く 南三陸・災害FMの奮闘映画化
 | ことし3月末、最後の生放送をするFMみなさんのスタッフと撮影する梅村監督(左奥) |
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 | 試写会であいさつするFMみなさんの元スタッフや映画制作スタッフ=南三陸町総合体育館 |
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東日本大震災で被災した南三陸町で活動した災害FM「FMみなさん」を追ったドキュメンタリー映画「ガレキとラジオ」が完成し、FMの元スタッフらが出席して地元で試写会が開かれた。再生への一歩を踏み出す町民の姿を描いた映画は25日から9月中旬ごろまで、仙台市太白区のMOVIX仙台と利府町のMOVIX利府で先行上映される。
FMみなさんは震災後の昨年5月からことし3月末まで、町総合体育館の一角から生放送で町の話題や行政情報などを流した。映画はラジオ局のスタッフ9人の放送風景や仮設住宅での生活の様子、町民のイベントに奔走する姿などを描いた。震災犠牲者の視点で、俳優の役所広司さんがナレーションを務めた。 試写会は18日に町総合体育館であり、約200人が来場。FMみなさんの元スタッフや梅村太郎監督らがあいさつした。 放送を引き継いだ登米市のコミュニティーFMで働く元スタッフの佐藤千尋さん(20)は「映画を見て、あらためていろんな事があったと感じた。みんなの思いを受け継いで頑張りたい」と話した。 映画制作スタッフ4人はことし5月まで8カ月間、撮影に臨んだ。阪神大震災で実家が被災し、神戸の復興の様子を目の当たりにした梅村監督は映画のテーマを「再生」にしたという。 梅村監督は「FMみなさんは被災者のために被災者が寄り添ったラジオだった。10年後に子どもたちが映画を見て、町を誇りに思ってもらえればうれしい」と語った。
2012年08月25日土曜日
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