◇ニトリレディス<第1日>
▽24日、北海道・桂GC(6477ヤード、パー72)▽曇り一時雨、気温21・9度、風速2・4メートル▽賞金総額1億円、優勝1800万円▽120選手(うちアマ4人)▽観衆1334人
プロ5年目の穴井詩(24)=雄山=が6バーディー、ノーボギーの66をマークし、6アンダーで単独首位に立った。詩と書いて「らら」。音楽好きになるように付けられたというが、今はドライバー飛距離270ヤード超級のパワーヒッター。快進撃の秘密は“マン振り封印”と“内緒のおやつ”。今大会プロデビューの比嘉真美子(18)は大荒れゴルフで97位と大きく出遅れた。
飛ばし屋LaLaこと穴井が「今季初めてってくらいドライバーショットが曲がってないです」と肩をすくめて笑った。名古屋市内で教鞭を執る父・幸二さん(56)が“音楽が好きな子になるように”と付けた名を「RじゃなくLにしてるのは、英語で発音しやすいから」という。普段は飛ばし屋ゆえの曲がりに悩んでいるが、この日は「フルショットしないように抑えめのスイングで」フェアウエーをキープ、首位に立った。
中学2年からの6年間を米国で過ごし、英語はペラペラのバイリンガル。2008年のプロテスト合格から3年間は、ゴルフで稼げず、その語学力を生かして学習塾講師のアルバイトで生計を立てながら練習を積んだ。今季はファイナルQT12位でツアーフル参戦権を獲得、5月の中京テレビ・ブリヂストンレディスでは自己最高の9位に入っている。
課題は「心の弱さ」だという。4月のフジサンケイレディスでは初日68で首位タイに躍り出たが2日目に78の大失速、結局49位に終わった。「必要以上に緊張して、地に足がついてなかった感じ。それだけじゃなくラウンド終盤に崩れてしまうクセもある」と穴井。気持ちを強く維持しようと試行錯誤を繰り返し、たどりついた縁起担ぎが奏功している。
「内緒のおやつを16番ぐらいに食べてるんです。コンビニで売ってる、お気に入りのブラウニーなんですけど、それを食べた次のホールは不思議とボギーを打たない」。ロンドン五輪体操金メダルの内村航平が好むチョコレートの話に「ちょっと親近感を持った」と穴井。自身も初の“ゴールドメダル”へ、カッコ良く着地するつもりだ。 (月橋文美)
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