突然の組閣発表に動揺を隠せない左から仁藤萌乃、篠田麻里子、高橋みなみ、前田敦子=東京ドーム (撮影・小倉元司)【拡大】
劇場公演デビューから6年8カ月かけてたどり着いた夢ステージ。卒業を控える前田敦子(21)や高橋ら夢を叶えた初期メンバーが感涙した感動的な初日のフィナーレで、とんでもない展開が待っていた。
コンサートでのサプライズ発表ではなじみの光景であるスーツ姿の戸賀崎智信劇場支配人(38)が登場すると、メンバーは固唾を飲んだ。
場内の4万8000人からどよめきが起こる中「2012年8月24日、AKB48は新たに組閣します」と戸賀崎氏。昨年6月に誕生し、若手メンバー中心だったチーム4を解体し、A、K、Bの3チーム体制に戻すことが発表された。それにともなって1チーム16人体制から22~23人体制に。その中でステージに立てるのは16人で、競争が生まれることになった。
3チーム全体をまとめる“管理職”とも言える役割には、「AKB48グループ総監督」として高橋を任命。「ちょっと待ってくれ」と困惑するたかみなを尻目に、3チームの新キャプテンには、まとめ役にふさわしい年長メンバーが呼ばれた。
Aで高橋に代わるキャプテンは篠田麻里子(26)、Kは秋元才加(24)から大島優子(24)、Bの柏木由紀(21)から梅田彩佳(23)へ。篠田は驚きのあまり首を横に振り、大島は膝から崩れ落ち、梅田はボー然とするしかなかった。
悲願のステージの終盤で行われた前代未聞の“大量シャッフル”に、メンバーは大混乱した。互いに抱き合って涙を流すなどうなだれるメンバーたちに、総監督となった高橋は「東京ドームはゴールラインでありスタートライン。マイナスにとらえてはいけない。AKB48が生まれ変わるために前へ進まなければなりません」と鼓舞した。
3チームをまとめる高橋を筆頭に、若手メンバーを振り分け、人望の厚い年長メンバーを新キャプテンに据えたAKB48。次々と夢を叶えてきた国民的アイドルたちは、劇薬にも似たカンフル剤注入による新陳代謝で競争と結束を高め、さらなるスーパーグループへと変貌を遂げる。
(紙面から)