2003年~09型ホンダ「シビックハイブリッド」の燃費が、実際には広告より低いとして起きた集団訴訟の原告の一人で、元弁護士のヘザー・ピーターズさんが、集団訴訟から個人の少額訴訟に切り替えて、2月に裁判で勝訴したことは、米を始め日本でも大きく報道された。しかし、9867ドル(約75万円)の損害賠償を勝ち取った彼女のホンダへの怒りはこれだけでは収まらず、その後とんでもないことになっていたことが分かった。
なんと、ピーターズさん、自分は集団訴訟から少額訴訟にいち早く切り替えていたにも関わらず、今度は集団訴訟の差し止め請求を裁判所に行ったという。集団訴訟の原告となる20万人の同車オーナーが得られる賠償額は、一人につき100~200ドル(約7,600~15200円)とあまりに低く、約6億5000万円という弁護士費用を考えると、あまりにも割に合わないというのがその理由だそうだ。
AP通信によると、彼女は、原告団のメンバーたちに集団訴訟から少額訴訟への切り替えを勧め、さらにホンダと絶対に和解しないよう働きかけていたという。実は、この時点で原告団とホンダは、裁判を回避しようと何度も話し合いを持っており、和解は目前とみられていた。ところが、彼女の行動によって、一時は約1700人が和解に応じない姿勢を見せ、この集団訴訟を担当する判事も判決の日程を先送りすることを決定。司法当局が集団訴訟そのものが、原告側にとって不利との考えに傾いているようにも見えた。
しかし、その後判事は、少額訴訟への切り替えは、原告、ホンダ両者にとって有益ではないとの判断を下し、彼女の差し止め請求を却下。その理由を判事は、「ピーターズさんは勝訴した少額訴訟以外にも、ホンダに対して2件の少額訴訟を起こしており、2件とも敗訴している。この事実を原告団には隠しておきながら、『少額訴訟の方が、お金が取れる』という彼女の根拠は、原告団に対し、事実を正確に明示していない。また、元弁護士である彼女が、これをきっかけに、消費者問題関連の会社を立ち上げ、今回の訴訟を自分のPRに使っているとの意見もある。以上の点から、彼女の主張を却下することとした」としている。
この判事の決定後、ホンダは約20万人の原告団に対して、一人当たり最高200ドル(約17000円)を支払うことで和解が成立し、ようやくこの問題に決着がついた。裁判大国アメリカでは、一寸先には何が起こるか分からないといういい例だろう。
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By Sebastian Blanco
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
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