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ソフトバンクモバイルは8月23日、全国の「ローソン」約1万店のうち、8,343店(2012年8月22日時点)に「ソフトバンクWi-Fiスポット」の設置を完了し、同店舗内でWiFi通信を可能にした。
本ブログでも紹介したように、キャリアのWiFiスポット設置競争は、単なるデータオフロードから、集客するためのWiFiへとステージを移行しようとしている。
そんな重要性を増すWiFiだが、基本に立ち返り「今更聞けないそもそもWiFiってなんだ」を、今回も「さちてく」に解説頂いた。
ごぶさたしてます!
「カーチャンでもわかる」が合言葉のテクノロジーブログ、さちテクです。
久しぶりのさちテクテーマは、みんなわかってきたようで実はよくわからない「わいふぁいってなんだ?」です。
今では街中で見るようになった「WiFi(わいふぁい)」。
なんとなく「速い」「電波」「お店とかで使える」「犬」というイメージだけはあるけど、契約を結んでいないと使えなかったり、新幹線で「無料」とか言っていたり。
ケータイが速くなる?のかと思えば、パソコンで使ってる人がいたり。
・・・これって一体何でしょう?
WiFiの正体は、「無線LAN」と言われているものです。
まずは一番耳慣れない「LAN」から説明しますね。
読み方は「ラン」です。
私達が家でインターネットをはじめるとき、家電量販店とかで契約をすると工事の人が来てなんかルーターとかモデムとかいう名前の箱とか置いていきますよね。この箱は、インターネット接続事業者(ISP)とつながるトンネルの入口の役割をしています。
さてさて、ここにパソコンがあります。このパソコンがインターネットに繋がるためにはどうすればいいでしょうか?当然パソコンと箱の間をケーブルで繋ぐ必要がありますよね。さて、このケーブルの名前を思い出してください。
そう、説明書には「LANケーブル」と書いてあります。LANとは、Local Area Networkの略です。難しいので「Local Area」=「おウチん中」と読み替えちゃいましょう。お家の中のネットワークを作るためのケーブルなので、LANケーブルです。ちなみにこの反対、「おウチの外」のネットワークのことはWAN(Wide Area Network)と言います。
さて、ここであなたが2階建てのおうちに住んでいたとしましょう。1階にインターネット回線(WAN回線)が引き込まれていて、普段はそこでインターネットをしています。でも、ある日リビングでテレビを見ながらネットがしたいなーと思ってしまいました。ところが箱(モデム/ルーター)は1階にしかありません。
こうして生まれたのが「無線LAN」です。LANケーブルの代わりに電波を使って、ルーターとパソコンを繋ぐことのできる技術です。
ちなみにこの無線LAN、最初のうちはとても便利な技術なのでいろんな会社が好き勝手に似たようなものを作りまくったおかげで、「同じ”無線LAN対応”なのにA社とB社でつながらなーい!!」という問題が起きるようになりました。そこで、無線LANを作る人達が「統一規格を定めることで、違う会社の機械でも、この規格にさえ従っていれば相互につながるようにしよう」とみんなで集まって業界団体を作りました。それが「Wireless Fidelity(Wi-Fi) Alliance」です。
ようやく出てきましたね!
そう、WiFiとは、このWi-Fi Allianceが定めた規格に従った無線LANのことです。
とはいえっても、今ではほとんどの無線LANがWiFi準拠です。ですので、WiFi=無線LANといってしまってもほぼ差し支えないでしょう。
おうちネットワークを作るためのケーブルを無線化したもの、それが無線LAN=WiFiです。となると、気になるのがこの人達ですね。
これらは一体何なんでしょう??WiFiなのにおうちの中にありません。これらは「公衆WiFi」といって、平たく言うと「LANを使わせてあげる」サービスです。
例えばあなたのおうちに友達が遊びに来たとします。友達はパソコンを持っていて、ちょっとインターネットで調べ物をしたかったのであなたはWiFiのパスワードを教えて使わせてあげました。これを商売にしたのが「公衆WiFi」です。
例えばカフェでWiFiを使う場合、あなたはカフェの人がお金をかけて作ったWiFi設備を使う権利を買っています。もしくはそれを無料で開放することがお店の付加価値となっていたりします。
公衆無線WiFiのビジネスモデルは様々で、大手の通信会社は、カフェや駅など広くあまねく自社のWiFi機器を設置して、自分の顧客にそれらのWiFi機器を使えるIDを配布することで、契約すればあらゆる場所で「LANが借りられる」利便性の高さを売りにサービスを販売しています。
またスターバックスなどは、自分の店舗においたWiFiを無料で使わせることで、より多くのお客さんを集め、販売を高めるために使ったりしています。
全ての原因は、発達した携帯電話、スマートフォンです。
強力な処理性能を持ったスマートフォンは、携帯用のちっちゃな画面のインターネットではなく、パソコンと同じインターネットを可能にしました。それまでパソコンの特権だったYoutubeを始めとする動画など、今までより何倍も大きなデータが携帯電話のネットワークの中に飛び込んでくるようになったのです。
現在の第三世代携帯電話(3G)では、はっきり言ってもう遅すぎる時代に来てしまったのです。
携帯電話の「スピード」は、「何人が同時に使っているか」で決まります。電波(を吹く”無線機=基地局”)が一度に運べる情報量には限りがあるので、同じ基地局のエリアの中に人がいればいるほど、スピードは落ちていきます。
携帯電話(基地局)の技術は、先ほど説明した「おウチの外」=WANの技術なので、より広い範囲をたくさん繋ぐことに重点が置かれています。持ち歩く、どこでもつながる、というのに最適な技術なのですが、それはデータ通信の高速化にはまるで向いていない技術だとも言えます。次の世代の技術であるLTEも、電波が運べる情報量を増やしただけで「沢山の人が使えば遅くなってしまう」という点では全く同じなので、根本的な解決になっていません。
逆に言えば、はじめから小さな範囲を前提にしていれば高速通信はお手のものです。
こうして、巨大なデータを高速に取り扱うため、従来の携帯電話ネットワークを助ける目的でLANの技術……WiFiが使われるようになりました。
このWiFiによるネットワーク補強を日本で一番最初に、かつ日本で唯一大まじめにやったのが、iPhoneを持ち込んだソフトバンクです。当時は、携帯事業者は携帯電話(基地局)を正統的にLTEへ強化拡大していくことが当たり前だったので、このアプローチは「邪道」という扱いを受けていました。ところが、実際のところはあまりにスマートフォンの広がる勢いが凄まじく、docomoもauも慌ててWiFiの整備に乗り出しました。
WiFiを導入することでようやく、なんとか、スマートフォン時代の高速インターネットに耐えているのがいまの日本の携帯電話ネットワークの現状です。
※このあたりは別の機会にじっくり書こうと思っています。
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もともとは「おウチの中」を楽に配線するために作られたWiFi。いまやWiFiは本来の目的を超えて、次世代の携帯電話ネットワークを支えるため、「おウチの中」どころか街中ありとあらゆる所に設置されています。
いきなり増えてきた、この「わいふぁい」ってなんだろう?それはついに「普通の」方法では支えられなくなってきた携帯電話ネットワークを現すものであり、それでも何とか携帯ネットワーク支えようという技術者の必死の工夫なのです。
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