野田教授、委員を辞退 大津中2自殺第三者委
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺し、いじめとの関連が指摘されている問題で、市は24日、再調査のために設置する第三者委員会の委員に就任予定だった立命館大の野田正人教授(滋賀県臨床心理士会会長)が辞退した、と発表した。25日の初会合は、委員1人が欠ける波乱の中でのスタートとなる。
遺族側の代理人によると、生徒が亡くなる前、遺族が県の中央子ども家庭相談センター(児童相談所)に相談した内容を野田教授が他人に漏らした可能性が高いと判断。「情報漏えいの疑惑があり、そういった情報を事前に知り得る人が委員に就任するのは好ましくないのでは」と委員の適格性を市に問い合わせる予定だった。
市によると、野田氏は電話で、情報が入る立場であることは認めたが、「無関係の人に情報を漏らした記憶はない」と説明。遺族側が不快に思っている状況から「遺族との合意が重視される委員会で混乱を招く恐れがあり、委員を辞退したい」と伝えたという。
市は情報漏えいの真偽は確認していないが、野田教授の意思を尊重し、慰留せずに辞退を了承したという。
市は、県臨床心理士会の推薦で、野田教授に委員を依頼、野田教授も内諾していた。遺族側は「疑惑が出た以上やむを得ない。委員会は粛々とやってほしい」としている。
市は今後、団体推薦を通じ、新たな臨床心理士を選定する、という。第三者委の要綱上、委員の定員は6人以内としており、初会合は予定通り25日に開催する。
【 2012年08月24日 23時00分 】