教育長入院公務に余波 大津・襲撃事件1週間
大津市の中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題に絡む澤村憲次教育長(65)襲撃事件は、発生から22日で1週間を迎えた。澤村教育長は現在も入院中で、市教委の「いじめ対策検討委員会」の初会合が遅れるなど、公務にも影響を及ぼしている。大津市役所には防犯カメラが設置されるなど安全管理が見直され、滋賀県警も関係者への警護を強化している。
市教委は、いじめの未然防止策や、ずさんだった対応などを検証する検討委を9日に設置。初会合を21~22日で調整していたが、遅れる見通しになった。
計画通りに来年1月に報告書をまとめるには今月内の開催が必要といい、葛野一美教育部次長は「澤村教育長の公務復帰を待たずに開催となるかもしれない」と話す。
事件後の15~21日、教育長らを狙うとした脅迫の電話やはがきが5件相次いだ。市教委に寄せられる、いじめへの対応の批判や抗議は電話とメールで計約1万6661件(20日現在)に上る。15日以降に届く電話やメールには「ざまあみろ」「よくやった」など、容疑者に賛同するような内容が多いという。
市教委などへの脅迫が相次いだため県警は7月13日以降、市役所や中学校長宅、いじめたとされる同級生宅などを1日数回、パトカーで巡回してきた。
ところが今月15日朝、澤村教育長は市教委の教育長室で大学生(19)に襲われ、頭の骨の一部を骨折するけがを負った。現在、県警は入院中の澤村教育長を24時間態勢で警護。また、校長宅など関係先への巡回数を増やすなど、警備態勢も強化している。
市では、市教委の入り口などに防犯カメラを設置。増員した警備員が来訪者に記名を求めるなど防犯対策に乗り出している。
【 2012年08月22日 08時30分 】