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駅弁資料集駅弁資料集 駅売り緑茶(汽車土瓶、ポリ茶瓶)情報

 駅弁にお茶は付き物。駅売り弁当の歴史は、そのまま駅売り緑茶の歴史でもあります。その販売は長らく、汽車土瓶入り緑茶の立売という形態でしたが、駅弁立売と同様の理由で立売が、ポリ茶瓶の登場で汽車土瓶が駆逐され、それとて後の缶入り緑茶やペットボトル入り緑茶の登場で、最近はほとんど見ることがなくなりました。

 汽車土瓶やポリ容器に入ったお茶の販売状況については、当館にも問い合わせが入る事項ですので、館長の調査でその販売駅をまとめました。

 駅弁資料館では引き続き、汽車土瓶やポリ茶瓶の販売状況に関するの情報を求めています。情報をお持ちでしたら談話室(掲示板)でのご提供をお願いします。


汽車土瓶の販売駅

 日本国内で汽車土瓶に入れたお茶が販売されている駅は、当館の情報では2012年7月現在で2駅を確認しています。

  • 東京都・東北本線上野駅 ※2012年7月時点
     2011年3月26日に橋上コンコース商業施設内に開業した駅弁売店「駅弁屋 匠」では、青色の汽車土瓶が販売されています。NRE公式サイトでも「昔懐かしい土瓶茶も復活」と書かれており、中身を入れた状態でも販売するようです。2012年7月時点での購入報告もいただきました。

    汽車土瓶(小淵沢)
  • 山梨県・中央本線小淵沢駅 ※2011年6月時点
     1985年10月の小淵沢駅弁「元気甲斐」登場と同時に、過去に駅売りされた汽車土瓶を復刻したもので、長らく全国で唯一の汽車土瓶販売駅と紹介されてきました。2011年6月の訪問時は320円で、駅舎内売店やホーム上駅弁売店で販売されていました。通常は空き容器の状態で売られますが、頼めばティーバッグを入れてお湯を注いでくれます。


    最近の汽車土瓶の販売駅

     おおむねJR発足または平成以降、日本国内で汽車土瓶が販売されたことがある駅は、当館の情報では2012年7月現在で5駅と3箇所を確認しています。

  • 東京都・東北本線上野駅
  • 東京都・中央本線新宿駅
  • 埼玉県・東北本線大宮駅
  • 青森県・東北本線八戸駅
  • 秋田県・奥羽本線秋田駅
     NREが東北新幹線八戸開業を記念して、2003年1月から東京・上野・新宿・大宮・八戸・秋田の各駅と東北新幹線一部列車の売店で、汽車土瓶茶の販売を350円で開始したと発表しています。しかし実際の収穫報告は聞いたことがありません。また、おそらく現存していないものと思われます。

  • 東京都・東海道本線東京駅
     2003年10月3日に登場した東京駅弁「極附弁当」の4,000円版には、汽車土瓶が付くようです。中にお茶が入った状態で売られたり届くかどうかは未確認です。通常の3,800円版との違いは、汽車土瓶が付くか否かだけ。この汽車土瓶にお茶を入れて350円で販売しているという情報を聞いたことがありますが、販売状況や収穫報告を見たことはありません。

  • 東京都・京王百貨店
  • 大阪府・阪神百貨店
     毎年1月中旬に開催される京王百貨店の駅弁大会や、毎年1月下旬に開催される阪神百貨店の駅弁大会で、汽車土瓶が販売されることがあります。ただし、中身を入れた状態での販売は見たことがありません。

  • 愛知県・「リニア・鉄道館」 ※2012年7月現在
     ジェイアール東海パッセンジャーズの公式サイト(http://www.jr-cp.co.jp/delica/)によると、名古屋市にあるJR東海のパビリオン「リニア・鉄道館」2階売店「デリカステーション」において、白色と茶色の汽車土瓶を一日20個限定で販売しているそうです。なお、お茶を入れた状態での販売は行わないようです。


    ポリ茶瓶の販売駅

     日本国内でポリ茶瓶に入れたお茶が販売されている駅は、多くはありませんが、少なくもないようです。当館の情報では2012年7月現在で16駅を確認していますが、大都市圏を除く駅弁業者の直営売店が残る駅にはだいたい現存しているようで、その数は数十駅になるのではと思います。

    ポリ茶瓶(札幌)
  • 北海道・函館本線札幌駅 ※2007年6月収穫
     一部の駅弁売店に電気ポットとポリ容器が備え付けられており、注文すれば容器にお湯を注いで茶葉を付けて100円で売ってくれます。

  • 北海道・石北本線北見駅
     2006年3月頃の情報としてポリ容器茶が販売されているそうです。2004年4月の訪問では105円で売られていました。

  • 北海道・函館本線旭川駅
     2006年3月頃の情報としてポリ容器茶が販売されているそうです。2004年4月の訪問では105円で売られていました。

  • 秋田県・奥羽本線大館駅
     駅前の調製元の弁当売店で販売されているようです。2012年時点での販売情報もあります。駅構内での駅弁販売は、駅舎内のコンビニだけですので、そこでは買えないものと思われます。

  • 栃木県・東北本線宇都宮駅
     改札内コンコースの駅弁売店でポリ容器茶が販売されているそうです。

  • 群馬県・信越本線横川駅
     2005年頃の情報として、名物駅弁「峠の釜めし」を販売する駅弁売店で、ポリ容器茶の販売があるというものがありました。

  • 千葉県・いすみ鉄道大原駅
     ※2012年6月現在  2012年6月現在で、改札口前の売店(というより駅出入口と改札口の間はすべて売店である)での販売が、少なくとも土休日はあるようです。また、駅弁を買うと茶葉入りのポリ茶瓶を渡され、電気ポットのお湯を案内されました。旧型ディーゼルカーの運行や駅弁の販売と共に登場した模様。

  • 新潟県・羽越本線新発田駅
     この駅は現在は駅弁販売駅ではありませんが、駅構内の立ち食いそば屋でポリ容器茶が売られているそうです。

    汽車土瓶(伊東)
  • 静岡県・伊東線伊東駅 ※2012年7月時点
     駅舎内で改札外と1番ホームの両方に面した駅弁売店で、伊東名物「ぐり茶」をポリ茶瓶で売ってくれます。100円。注文時にポリ茶瓶へティーバッグを入れ、電気ポットのお湯を注いでいました。

  • 静岡県・東海道本線静岡駅
     2005年頃だと思いますが、改札外コンコース駅弁売店で、たしか100円にて販売されているのを確認しました。駅や車内でポリ容器茶の販売が一般的であった頃から、茶葉を容器外側からもみほぐすようになっている、独特な構造の容器を使用しており、これが残っていました。しかしこの容器は現存していない可能性があります。

  • 静岡県・東海道本線浜松駅
     浜松駅の駅弁売店でも販売されているそうです。

    ポリ茶瓶(亀山)
  • 三重県・紀勢本線亀山駅前
     2003年12月現在、かつて公式の駅弁屋であり、現在も当時の名物駅弁「名物志ぐれ茶漬」を販売している駅前商店で100円にてで販売されていました。おそらく現存しているものと思われます。ネット上で2009年時点での写真も見ています。弁当とポリ茶瓶のお茶はセット販売されているとも聞きます。

  • 三重県・紀勢本線松阪駅
     2006年7月31日に駅弁屋さんが「駅弁案内処」掲示板へ投稿された情報によると、100円で販売しているそうです。

  • 兵庫県・山陽本線姫路駅
     姫路駅で駅弁立売イベントを実施する際に、立売で販売するそうです。普段から駅舎内やホーム上の駅弁売店で販売されている可能性も、あると思います。

  • 和歌山県・紀勢本線和歌山駅
     2004年9月現在、ホーム上駅弁売店で販売されているのを確認しています。

    ポリ茶瓶(人吉)
  • 熊本県・肥薩線人吉駅
     駅前の調製元の弁当売店で、おそらく100円にて販売されていると思います。駅弁立売で販売されている可能性もあると思います。




    コラム・汽車土瓶やポリ茶瓶がなくなる理由、残る理由

     汽車土瓶がポリ茶瓶に置き換えられ、さらに缶入り茶にシェアを奪われ、そしてペットボトル茶(ポリエチレンテレフタレート樹脂製容器に入ったお茶)に代わられようとしている理由は、その登場順に追っていくことで考えられそうです。

     まずは汽車土瓶。明治時代から昭和30年代頃までは、機能面や価格面において、旅先で使い捨てられる飲料容器として唯一の存在であったのではと思います。しかし重く割れやすい性質は、おそらく当時でも取り扱いにくかったはず。軽くて割れず、しかも清潔感があり安価なポリ茶瓶の登場で、これに駆逐されてしまったのは自明のことだと思います。

     しかし、ここで問題になったのはお茶の味。容器のビニール臭さ、中身の冷めやすさ、多くの商品での添付のティーバッグや茶葉の品質や風味の悪さ、そして容器が軽くて軟らかいがゆえの取り扱いの不便さが災いし、この容器が主力であった時期でも、その評判は必ずしも良くはなかったと感じています。

     一方で缶入り茶は技術的に商品化が困難だったのか、またはお茶を入れずに買う習慣がなかったためか、缶ジュースや缶コーヒーが普及した後でも、その商品化がウーロン茶で1981年まで、緑茶で1985年までかかりました。ポリ茶瓶を置き換えていく力も小さく、容量の増加で割高感が消え、飲料の健康志向や無糖ブームで大手メーカーの商品開発が盛んになって初めて、やっとポリ容器茶を駆逐し始めたもの。

     これらをまとめて駆逐したのがペットボトル茶です。強度があるのに軽くて安く、飲みかけを簡単に一時保存できるメリットに加え、飲料業界が廃棄物発生の抑制を主目的に容量1リットル未満の商品を出さないとしてきた自主規制を1996年に解除したことで、まずは冷茶の市場ができました。1999年の商品化成功により温茶も普及したことで、駅構内を含めて外出先で買えるお茶のほとんどが、このタイプに置き換えられました。

     しかし、汽車土瓶も旅情と郷愁あるいは客寄せ効果が、ポリ茶瓶も安価軽量なことが、缶茶も少容量や自動販売が可能なことが支持され、今でも根強く残っています。今後も当分はペットボトル茶の天下が続くと思いますが、それぞれ一定の需要が残り続けていくことでしょう。あるいは環境意識の高まり、資源価格の相場、規制の変更や強化などの要因により、それぞれのシェアが変動するケースも考えられそうです。新たな販売形態の登場や復活も考えられます。

     駅弁が健在で、駅弁や鉄道移動に対する飲料としてのお茶の需要が健在である限り、様々な形で駅弁売店や駅構内でお茶が売られ続けると思います。


  • 2001年6月17日開設 2012年7月25日更新
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