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スタッフのお仕事ぶりをご紹介!
と一口に言っても、100人以上にわたるスタッフの仕事内容は千差万別。とてもご紹介しきれるものじゃありません。
せめて、いくつかのパートだけでも。まずは、撮影現場の花形・撮影部をご紹介してみましょう!
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…とは、カメラマン(撮影技師ともいう)と助手からなるパート。
つねに撮影現場の中心に位置しています。というか、そもそも“撮影現場”って、撮影部のいるエリアのことなんですよね。
撮影助手は、F.C.(主にフォーカス操作を担当)と C.A.(主に機材の設置を担当。俗にいうカメアシ)に分かれます。
V.E.(ビデオエンジニア)を、撮影部に含めることもあります。
(写真はカメラマンのいのくままさお氏。第14話・病院ロケ)
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撮影現場では、各パートを「〜部」と呼びならわす風習があります。たとえばキャストは「俳優部」、ロケバスや劇用車の運転は「車輌部」…といったぐあい。
「総務部」とかの部署名とは別です。たとえば東映のプロデュースチームは、会社組織的には「テレビ部」に所属していますが、『アギト』的には「企画部」に属していたりします。

撮影部と煙は、高いところが好き?!
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上からの撮影(いわゆるフカン)で重宝されるのは、“イントレ”と呼ばれる組立式のやぐら。写真では、イントレを大小2段重ねて、高さを稼いでいます(第10話の取調室のセット)。
“イントレ”とは、映画の父・グリフィス監督『イントレランス』(1916年)から来たコトバ。バビロニア大神殿の雄大なフカン撮影に、当時の日本の撮影部が大ショックを受けたゆかりとのこと。
「ケータイって何?」という人はいても、「イントレって何?」という人は一人もいないほど、映像業界では超常識な道具です。
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ビルの屋上に腰かけて悦に入る、コルウス・クロッキオ。第7話。
…を撮影するために、いのくま氏も、屋上のヘリから、半分がた身を乗り出す体勢に。
アクションマンも命がけなら、カメラマンも命がけ。
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カメラマンが、アクションマン以上のスタントを要求されることすらあります。
第1話、アギトが初キックを放つクレーンショット。ハイライダー(高所作業車)からロープで吊り下げられる、松村文雄カメラマンの雄姿。
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上空からカーブを描いて降下し、アギトの顔ギリギリまで迫るというカメラワーク。
降下しながら、フォーカス操作を行ないつつ、重いカメラを操る離れ技。 |
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「マサトォォォッ!」
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木野薫の叫びがこだまする雪山のセット(第36話)。
撮影スタジオの天井の細い足場(“二重”といいます)にのぼって、雪を降らせる係を、誰がつとめるか───ビビりまくる他のスタッフが揉めているのを横目に、スイスイ昇ってしまったのは、やっぱり撮影部一同。
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ちなみに、このシーンの“雪”はコーンスターチ製。ビールの原料になるアレ。昔の発泡スチロール製とちがって、食べ物なので、人にも環境にも優しいわけです。
でも、助監督の足裏にへばりつきまくり。…助監督には優しくないのかも。(^^; |
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第27話、沢木哲也の語る過去。翔一の姉・雪菜のパワーで、車の窓ガラスが粉みじんに吹っ飛ぶシーン。
このカットは、「窓ガラスが無事な車」を撮影した後、カメラを静止させたままで車のフロントガラスを破壊する───つまり、「使用前と使用後」を撮影し、間をCGで補完しています。
ということで、撮影部はクレーンの上に乗ったまま、フロントガラスの破壊が終わるまで、じっと待つことに…。
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と一口に言っても、最近のフロントガラスは、たやすくは割れません。また、危険な作業なので、石田監督はむやみにスタッフを動員せず、自分自身と一部スタッフだけに限定。そのぶん、よけいに時間がかかります。
監督たちが悪戦苦闘する間、カメラが少しでも動いたら台なしになってしまうので、撮影部は高いクレーンの上で、身じろぎもできず。 |
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さらにその後、車をどけて、合成用の背景となる路面を撮影するため、スタッフ総出でキレイに路面を掃除。まだまだ撮影部はクレーンから降りられないのでした。
上は、カメラから見た映像。
ガラスの破片は合成素材として使うので、丹念に集めてます。そこで、さらに時間がかかるわけ……。
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「いのくまさん、僕たち、何時間ここにいるんでしょうね」
「さあ……」 |
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撮影部は、高いところにばかりいるわけじゃありません。それどころか……! ということで、後編につづきます。
[撮影部・後編]
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