大津いじめ:「調査委委員が家庭情報漏らす」遺族側抗議へ
毎日新聞 2012年08月24日 03時00分
野田氏は毎日新聞の取材に対し「生徒の家庭状況について職務上の関係者と話したことはあるが、無関係の人に語った記憶はない。その情報を私から求めたことはない」とし、「一般論としては自殺の原因は家庭要因も調査すべきだ」と述べた。
野田氏は立命館大教授で、児童福祉などの専門家。遺族側の関係者は、野田氏が委員就任の打診を受けた7月下旬以降、生徒の自殺前に父親がセンターに相談した内容を複数の人に漏らしたとしている。野田氏から情報を聞いたとする一人は取材に「普通は知り得ない家庭状況の具体的情報を話していた。中立な調査ができるのか疑問に感じた」と語った。
父親が相談した家庭相談センターの西村晃平所長は「児相には守秘義務があり、相談内容が第三者に漏れ伝わることは絶対にあってはならない」と話した。
日本臨床心理士会倫理綱領には、業務上知り得た対象者などの個人情報の守秘義務が明文化されている。【千葉紀和、前本麻有】