【社説】15年以上汚水を垂れ流し続けた南楊州市

 京畿道南楊州市は、1993年に建設した和道下水終末処理場第1段階施設と、97年に増設した第2段階施設に、正式な放流口(縦横ともに約1メートル)とは別に秘密の放流口(縦横ともに約1.5メートル)を1カ所ずつ設け、市管内から流入した下水を付近のムクヒョン川に垂れ流し、環境部(省に相当)や漢江流域環境庁に摘発されたことが、20日までに明らかになった。河川などに下水を放流する場合、有機物(BOD)濃度は5PPM以下に処理しなければならないが、秘密の放流口を通じて垂れ流されていた下水は、汚染濃度が120-130PPMに達し、その量は1日1万トンから1万5000トンにも上っていた。

 南楊州市が処理せずに垂れ流した下水は、北漢江を経て八堂湖に流入する。つまり首都圏に住む2500万人の住民は、トイレ、食堂、銭湯などの下水から作られた水道水をずっと飲んできたのだ。先月末からこの地域ではアオコの異常増殖が問題になっているが、被害が最も深刻なのが他でもない、南楊州市周辺の北漢江だ。

 南楊州市は問題の放流口について、「集中豪雨の際、下水処理場に流れ込む水の量が処理能力(1日4万3000トン)を超えた場合、あふれ出した水を放流するために設置した」と説明している。しかし和道下水終末処理場に続く南楊州市内の下水管は複数の箇所で破損し、ここから地下水などが流入するため、処理場に流れ込む水の量は天候に関係なく常に処理能力を上回っていた。つまり南楊州市は、処理されない下水が毎日1万トン以上も放流されていることを知りながら、何もせずに傍観していたのだ。

 政府はソウル市、仁川市、京畿道で水道料金とは別に、水道水1トン当たり170ウォン(約12円)を住民から徴収し、漢江水系管理基金を通じて八堂湖流域の七つの市や郡に年間4500億ウォン(約315億円)を支援している。南楊州市もこの制度が始まった1999年以来、総額で2390億ウォン(約167億円)もの支援金を受け取ってきた。ところが南楊州市は、首都圏の住民に「きれいな水が汚染されないようしっかりと管理する」と約束し、支援金を受け取っておきながら、実際は管内の下水を処理せず放流してきたのだ。

 司法当局は現在の市長と実務担当者だけでなく、問題となっている秘密の放流口について知りながらも、これを黙認してきた元市長や過去の担当者にも責任を追及し、処罰しなければならない。

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