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| 【スポーツ】大阪桐蔭藤浪 春夏連覇 史上7校目 2安打完封2012年8月24日 紙面から ◇全国高校野球選手権大会<最終日> 大阪桐蔭3−0光星学院
 今春センバツを制した大阪桐蔭が光星学院(青森)を3−0で破り、2010年の興南(沖縄)以来となる史上7校目の春夏連覇を果たした。197センチの長身右腕・藤浪晋太郎投手(3年)が14三振を奪って、2安打完封勝利。大阪桐蔭は夏の全国選手権3度目の制覇。両校は今春センバツ決勝でも対戦しており、史上初めて春夏の決勝が同じ顔合わせだった。光星学院は夏春夏3季連続の準優勝で、春夏を通じて東北勢初の優勝はならなかった。 史上7校目の偉業達成を目前にして、球場全体が息をのんでいた。長身右腕が最後に投げ込んだ152キロの剛球に、光星学院の5番・大杉のバットが空を切った。14個目の奪三振で締めくくった藤浪がマウンドで長い腕を広げる。そこに170センチと小柄な捕手・森が飛び込む。大阪桐蔭の選手たちがダッシュし、藤浪はもみくちゃになった。 「自分たちがやってきたことが間違いじゃないと証明できてうれしい。いい投手よりも勝てる投手になりたいと目指していたが、最後でなれた。きょうは自分の中では、3年間で一番の投球。ほぼ100点です」 いつもクールで自己評価も厳しい右腕が満点をつけた。9回の先頭だった代打・村瀬に自己最速タイの153キロを投じるなど最終回に加速し150キロを連発。驚異のスタミナを見せつけた。 強打を誇る光星学院打線から14奪三振と圧巻のピッチング。わずか2安打で2試合連続完封。今春センバツ決勝では12安打されたが、夏の舞台ではピシャリと抑え込んだ。田村、北條の3、4番は2人合わせて8打数1安打、4三振に封じた。試合後、本塁ベース付近で両校ナインがあいさつしたときには、藤浪が敵の両主砲に、お礼の言葉をかけた。春の決勝に続いて対戦できて「ありがとう」と。 「打撃がいいチームだが、粘って抑えることができた。キーマンなので、(田村、北條の)2人には気合が入った。それに春とは違って、僕には引き出し(変化球)があった」。北條の初打席はフォークで見送り三振に仕留めたように、カウントを追い込んでからは、鋭い変化球で仕留める。春のセンバツにはなかった投球は“浪速のダル”の成長した姿だった。 「この1年半、受けさせてもらったが、きょうが一番の出来。低めの球は春以上に伸びてきて、きょうが一番、僕の手が痛かった」と森捕手。今夏の大阪大会を控えた6月に股関節を痛めかけたときには、西谷浩一監督(42)は「正直、ドキッとした」と振り返る。チーム全体が青ざめた時から2カ月後、大一番で最高の投球をした。 生まれ育った堺市ではトップの府立進学校である三国丘高に進む学力があった少年。読書家であり、愛読書は東野圭吾のミステリー小説。物静かなこともあって、チームの仲間とワイワイ騒ぐことはない右腕がこの日だけは感激。「甲子園という目標の場所で、いい思いができた。最高の舞台だった」。連覇投手の笑顔だった。 (阿知波浩二) PR情報 
 
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