福島県:「最高の出来」今年初の米収穫、検査後に出荷へ

福島県内で始まったコメの収穫作業=福島県二本松市で2012年8月23日午後2時9分、丸山博撮影
福島県内で始まったコメの収穫作業=福島県二本松市で2012年8月23日午後2時9分、丸山博撮影

 福島県で23日、今年初の米の収穫が二本松市であった。東京電力福島第1原発事故を受け、県が25日に放射性セシウムについて全袋を検査し、食品基準値(1キロ当たり100ベクレル)以下であることを確認して出荷を許可する。

 同市大平地区の農家、安斎孝行さん(58)が12アールの田んぼから早場米「五百川」を30キロ入りで17、18袋分収穫した。昨年は1キロ当たり26ベクレルを検出、今年は除染や深耕などでセシウムを吸着しにくくする措置をとった。安斎さんは「米の出来は最高。消費者はセシウムゼロを求めている。農家も安全安心の米を提供したいので、全袋検査に期待したい」と話した。

 福島県では、11年産米でセシウムが1キロ当たり100ベクレル超だった二本松市など10市町村・47地区が今年7月まで「事前出荷制限区域」に指定されていたが、政府は、セシウムを吸着するゼオライトを水田に散布する措置や全袋検査を条件に、作付け・出荷を認めた。同500ベクレル超の地域では作付けが制限されている。

 全袋検査は県内に配備した約190台のベルトコンベヤー式の検査機で実施。自家消費米も含め約36万トンの全生産分を3〜4カ月かけて検査する。収穫が本格化するのは9月下旬から。【深津誠】

2012年08月23日 22時45分

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