ソフトバンク子会社のSBエナジーが7月から稼働させた太陽光発電所「ソフトバンク榛東ソーラーパーク」=群馬県榛東村【拡大】
太陽光や風力など再生可能エネルギーで発電した電力の買い取りを電力会社に義務付ける「固定価格買い取り制度」の開始から1カ月で、企業と家庭が買い取りを求めた電力の総出力が約56.4万キロワットとなり、政府が2012年度(7月~13年3月)に見込む250万キロワットの約2割に達したことが23日までに分かった。
政府が買い取り価格を高めに設定したことが参入の呼び水になったとみられ、再生エネの普及を目指す同制度の順調なスタートを裏付けた。
制度開始の7月1日から31日までの買い取り認定件数を、各地方経済産業局が集計した。地域別で出力が最大だったのは北海道と九州で、いずれも14.2万キロワット。北海道では風力発電が盛んで、九州では大規模な太陽光発電所(メガソーラー)の設置が進み、それぞれ出力を押し上げた。
件数は計3万3695件。うち関東が1万1876件と最多で、近畿の5426件、九州の4887件が続いた。家庭で太陽光パネルを設置し、余剰電力を売却する事例が大半のため、人口に比例する傾向が出た。
件数ベースでは太陽光が3万3686件と99.9%以上を占め、風力は6件、水力は3件にとどまった。経済産業省は「太陽光発電が最も設置しやすく、スタートダッシュに寄与した」(新エネルギー対策課)と分析。今後は地熱やバイオマスの新規参入も見込む。