韓国でここ4日間、一般市民を無差別に切り付ける事件が3回も発生している。
22日午後7時16分ごろ、ソウル市永登浦区汝矣島洞のレキシントンホテル近くの路上で、無職のA容疑者(30)が元同僚のKさん(31)とJさん(31)を、用意していた果物ナイフで数回切り付け、警察に逮捕された。
A容疑者はこの日、酒に酔った状態で、帰宅するKさんらを待ち伏せし犯行に及んだ、と警察は説明した。A容疑者はKさんらに切り付け逃走する際、通り掛かったBさん(31)とCさん(31)にも切り付け、重傷を負わせた。
金融会社H社の非正規雇用者(パートタイマー、契約社員など)だったA容疑者は、警察の調べに対し「元同僚の2人が、在職中に自分の悪口を言った上、さんざん利用した末に会社をやめさせた」と供述したという。
犯行現場は、平日の退勤時間には数百人が行き交う場所で、A容疑者の犯行により、一瞬にして修羅場と化した。
これに先立ち、今月18日午後6時30分、首都圏電鉄1号線(ソウル地下鉄1号線に直通)議政府駅から電車に乗った男が、突然車内でつばを吐き、乗客が抗議したのに対し、カッターナイフで乗客たちを無差別に切り付け、10分間で男女8人に重軽症を負わせた。また、21日午前1時、京畿道水原市長安区の飲み屋で、泥酔したカン・ナムジン容疑者(39)が女性に性的暴行を加えようとし、刃物で切り付け、1人を死亡させ、4人にけがを負わせた。
ソウル大心理学科の郭錦珠(クァク・クムジュ)教授は「日本で数年前、まるで伝染病のように相次いで発生した無差別殺傷事件が、韓国でも発生したものと考えられる。競争社会の中で積もった憤りや抑圧感に加え、最近発生した無差別殺傷事件をまねしようという心理も重なり、犯行が相次いでいるようだ」と指摘した。