スマトラ沖地震は2000年に1度の規模、「巨大地震リスク高めた」
[シンガポール 13日 ロイター] インドネシア・スマトラ島のアチェ州沖で11日に起きた地震では、大きな被害は出なかったが、同沖の活断層帯を長年研究している地震学者は、今回の地震は2000年に1回の規模で発生したと指摘。同沖で甚大な被害をもたらす地震が起きるリスクを高めたとの見方を示した。
シンガポール地球観測研究所(EOS)のケリー・シエ所長は、11日に発生したマグニチュード(M)8.6の地震と余震は、断層が横にずれる「横ずれ断層型」だと説明。このタイプの地震としては観測史上最大だったとし、「並外れて大きく、めったにない規模だった」と述べた。
「横ずれ断層型」地震では、衝突するプレートが水平に動き、上下に揺れる地震ほど強力ではないことが多い。また、大きな津波を引き起こす確率も低いとされている。
2004年12月26日に同沖で起こったM9.1の地震は、アチェ州に壊滅的な被害をもたらし、インド洋周辺の13カ国で23万人超の犠牲者を出した。スマトラ島はインドネシア諸島の最も西に位置する島で、これまでに大規模な地震と津波の被害を受けてきた。
スマトラ島が乗るユーラシアプレートの下には、インド・オーストラリアプレートが潜り込んでおり、深海溝が作られている。スンダ海溝と呼ばれるこの海溝では、毎年少しずつ移動するインド・オーストラリアプレートが、ユーラシアプレートに負荷を与えているという。ストレスが限界に達すると、ユーラシアプレートの端部分が上に揺れ出し、地震が発生。海底が突然持ち上げられることなどで、津波が引き起こされる。
スマトラ沖では過去何世紀もの間、M8─9規模の巨大地震が繰り返し発生し、甚大な被害をもたらしてきた。
<注意すべき点>
一方、11日の地震は、巨大断層帯からより西に離れた地点で発生したことから、過去に繰り返し起きた巨大地震とは異なるとシエ氏は指摘する。観測データによると、11日の「横ずれ断層型」地震は、数百キロにわたるインド・オーストラリアプレート内で突然起きた水平の動きに関連して発生したとみられる。 続く...