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最終更新:2012年8月20日(月) 22時36分

米コロラドの銃乱射1か月、銃規制は・・・

米コロラドの銃乱射1か月、銃規制は・・・

 アメリカ・コロラド州で70人が死傷した銃の乱射事件から20日で、1か月となります。その後もアメリカでは銃の乱射事件が相次いでいますが、「銃の規制」は秋の大統領選挙の争点にもあがってきません。その理由はどこにあるのでしょうか?

 この週末、コロラド州・オーロラで開かれた小さな追悼集会。

 「この町があの悲劇を乗り越えるために、犠牲者を追悼し、心を癒やしていかなくてはなりません」(オーロラ町長)

 映画を楽しんでいた市民に男が自動小銃などを乱射し、12人が死亡した事件。1か月が経った現場は、今も立ち入り禁止のままです。

 「とても悲しいことです。亡くなった方々のことを思うと、ここに来ずにはいられませんでした」(献花に来た人)

 銃の恐ろしさを改めて見せつけた残忍な事件。しかし、そのF1$8D.$O!"$9$G$K=FBg9q!&%"%a%j%+$NF|>o$,La$C$F$$$^$7$?!#

 「ここは事件現場から、わずかの場所にある銃の射撃場です。今日もたくさんの人が来て、銃を撃っています」(記者)

 メンタルセラピストのワトソンさん夫婦は、月に1度、銃を撃ちに来ます。

 「(事件の被害者は)恐ろしい状況におかれました。それもあって、こうして銃の練習をしています」(ワトソンさんの妻)

 コロラドの事件の犯人は、襲撃用の自動小銃と散弾銃、そして拳銃2丁を業者から購入。6000発もの弾はインターネットで購入していました。アメリカでは銃を手にすることは極めて簡単なのです。

 「ここで開かれているのは、銃の展示即売会です。様々な銃が並んでいます。このようなライフル銃、そして、こちらには自動小銃も並んでいます」(記者)

 販売業者から銃を購入する際には当局から身分照会が行われ、犯罪歴やDV、精神疾患の記録がなければ、誰でも銃を買うことができます。

 一方、個人から買う場合には身分照会も求められず、実際の取引の4割は身分照会なしで行われているとも言われています。

 「(Q.身分照会なしの売買は危険では?)その質問にはどう答えていいか、分かりませんね。もし、その人を見て銃を持つべき人ではないと思ったら、その人に銃を売らないようにすればいいでしょう」(販売業者)

 「僕は叔父さんより、銃が上手だよ」(男の子)
 「確かに彼は上手ですよ」(叔父)

 アメリカで出回っている銃の総数は3億丁を超えると言われています。銃の保有者に共通するのは、悪いのは銃ではなく、犯罪を行う人間だという思いです。

 「今の銃規制は、むしろ厳しすぎると思う。(オーロラの事件で)もし誰かが銃を持っていたら犯人をすぐに取り押さえて、あんなに犠牲者が出なかったでしょう」(銃の保有者)

 コロラド事件の直後、銃規制を強化すべきではないか、との声も上がりました。しかし、大統領選ではオバマ大統領、ロムニー候補ともに、この問題に踏み込もうとしていません。

 かつて、銃規制は大きな政治テーマでした。90年代は銃乱射事件が相次ぎました。民主党のクリントン大統領、ゴア候補が厳しい銃規制を訴えて選挙戦を戦いました。しかし、その後、銃規制問題は選挙の争点になっていません。

 コロラド州で長年、銃規制の必要性を訴えてきたテッド・パスコさんは、2000年の大統領選挙がターニングポイントだったと指摘します。動いたのは、アメリカ社会で強い力を持つ団体でした。

 「全米ライフル協会は“ゴア氏が負けたのは銃規制を訴えたからだ”と強調しました。以来、民主党は争点とすることを恐れていて、銃問題が後ろ向きになっている理由の1つになっている」(銃規制を訴えるテッド・パスコさん)

 また、アメリカの犯罪率が年々低下していることなどから、市民の間で銃規制を求める声が減少。銃規制は、むしろ緩やかになってきています。

 「オバマ大統領とロムニー氏に銃規制を議論してもらいたい」(銃規制を訴えるテッド・パスコさん)

 11月の大統領選挙に向け、共和党、民主党の党大会が来週から行われます。果たして、この場で銃問題が議論されることはあるのでしょうか。(20日17:07)

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