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元専属料理人の身辺調査 北工作員、忠誠判断に利用

産経新聞 8月23日(木)7時55分配信

 北朝鮮の工作員だったとされ、アスベスト除去装置をめぐる詐欺事件で逮捕、起訴された兵庫県尼崎市の運送会社社長、吉田誠一被告(41)=公判中=が、金正日総書記の専属料理人を務めた藤本健二氏=仮名=の身辺を調査していたことが22日、警察当局などへの取材で分かった。

 藤本氏は7月から8月初旬にかけ、北朝鮮からの招請で訪朝しており、吉田被告は北の工作機関の指示を受け、金正恩第1書記にとって安全な人物かどうかを調べていたとみられる。大阪府警外事課などは同日、別の詐欺容疑で吉田被告ら2人を再逮捕した。

 捜査関係者によると、吉田容疑者は2006年ごろから北の軍関係者や対外工作機関「偵察総局」などの指示で情報収集活動を本格化。軍事情報などをまとめたリポートを作成したり、北の情報を扱う民間団体に潜入したりしていた。

 さらに09年ごろに金第1書記が金総書記の後継者に内定した後、偵察総局から藤本氏の身辺を調べるよう指示を受け、10年から調査を開始。生活状況やメディアでの言動などを報告していた。こうした実態は、大阪府警が押収した吉田容疑者のパソコンに痕跡が残されていたという。藤本氏を再び招請する際に安全な人物かどうかを調査した可能性が高いとみられる。

 実際、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)関係者によると、吉田容疑者らによる身辺調査の結果、偵察総局などは、藤本氏が「日本の公安当局や韓国関係者と密接なつながりはなく、北朝鮮への忠誠心を保っている」と判断し招請を決定。7月の訪朝前には、朝鮮総連中央本部から傘下の商工会などに対し、金第1書記名で「藤本氏の招請に際し、必要があれば責任を持って手助けするように」と指示されていたという。

最終更新:8月23日(木)10時4分

産経新聞

 

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