左側に目次が表示されていない場合ここをクリックして下さい。
    (すでに、目次がある場合、二重画像になります)



日華事変軍票
(368kb)

大東亜戦争軍票





 軍用手票は、一般に軍票と言われ戦争において、占領地に駐留する軍の物資の調達
や、給与の支払いなどの経費を補うために、政府によって発行された紙幣である。
 本国の通貨制度に関ることなく、現地のみで使用できるものであった。本来、終戦後に
引換えの保障をしたが、敗戦により大部分は紙幣としての価値をもたなかった。

 昭和6年(1931年)の満州事変を契機として、日本の軍部は独走しはじめ、治安の維
持を口実に大陸への派兵と侵略を進め、昭和12年7月ついに、日華事変が勃発し全面
戦争状態に入った。
 日華事変関係の軍票(正式には、「昭和12年軍用手票」という)は、昭和12年から終
戦の昭和20年までの、約8年間に、甲号、乙号、丙号、丁号、戊号及びろ号と多種多様
な券種が発行された。





甲   号   券
(甲号券は、日清戦争軍票以来の様式を踏襲)


甲号:10銭(h119×b72mm) 甲号:50銭(h125×b78mm)
発行:昭和12年10月
(枚数:30,000,000枚)
発行:昭和12年10月
(枚数:10,900,000枚)


甲号:1円(h130×b80mm) 甲号:5円(h137×b87mm)

発行:昭和12年10月
(枚数:5,510,000枚)
発行:昭和12年10月
(枚数:3,080,000枚)


甲号:10円(h148×b98mm)

発行:昭和12年10月
(枚数:1,475,000枚)
(注)甲号券は、10銭から10円
まで全て同じデザイン





乙   号   券
(乙号券は、日本銀行の信用を利用して、これの一部を抹消、加刷)


乙号:1円(h85×b145mm) 乙号:5円(h76×b132mm)
発行:昭和13年8月(枚数:22,600,000枚:丙号含む 発行:昭和13年8月(枚数:19,038,000枚:丙号含む



乙号:10円(h82×b142mm) 乙号:100円(h93×b162mm)
発行:昭和13年8月(枚数:1,536,000枚:丙号含む 発行:昭和19年9月(枚数:20,354,000枚:丙号含む





丙   号   券
(丙号券は、日本銀行券の主模様部分に軍票としての必要な文字を印刷)


丙号:1円(h85×b145mm) 丙号:5円(h76×b132mm)
発行:昭和13年9月(枚数:22,600,000枚:乙号含む 発行:昭和13年9月(枚数:19,038,000枚:乙号含む


丙号:10円(h82×b142mm) 丙号:100円(h93×b162mm)
発行:昭和13年9月(枚数:1,536,000枚:乙号含む 発行:昭和19年 月(枚数:20,354,000枚:乙号含む


丙号(異式):100円(h93×b162mm)


  (注)かんとん印券
   乙号券、丙号券には、かんとん印(直径:9.5mm、11
   mmの2種あり)が捺印されたものが存在する。
    これは、華南地区(広東、アモイ等)と華中地区(上海、
   南京等)では、経済事情等により、軍票と法貨の交換率
   に格差が出てきたため、昭和13年3月、華南派遣軍が
   これを是正するために、流通している軍票にかんとん印
   を捺印し、華南地区専用軍票とした。

発行:昭和19年 月  (枚数:  不明  





丁   号   券  (華中地区用)
(丁号券は、軍票の使用地(中国)にふさわしい図案としたもの)


丁号:1銭(h45×b95mm) 丁号:5銭(h51×b107mm)
発行:昭和14年3月(枚数:149,000,000枚:戊号含む 発行:昭和14年3月(枚数:57,400,000枚:戊号含む


丁号:10銭(h51×b107mm) 丁号:50銭(h58×b120mm)
発行:昭和13年8月(枚数:122,700,000枚:戊号含む 発行:昭和13年8月(枚数:69,400,000枚:戊号含む


丁号:1円(h67×b140mm) 丁号:5円(h72×b150mm)
発行:昭和14年5月(枚数:27,400,000枚:戊号含む 発行:昭和14年5月(枚数:1,520,000枚:戊号含む


丁号:10円(h77×b160mm)
発行:昭和14年5月(枚数:24,421,000枚:戊号含む





戊   号   券  (華中地区用)
(戊号券は、従来の大日本帝国政府軍用手票を大日本帝国政府に変更)


戊号:2厘5毛(h76×b38mm) 戊号:1銭(h45×b95mm)



(実際に流通したのは、約62万枚程度)
発行:昭和15年3月(枚数:200,000,000枚 発行:昭和14年9月(枚数:149,000,000枚:丁号含む


戊号:5銭(h48×b100mm) 戊号:10銭(h51×b106mm)
発行:昭和14年9月(枚数:57,400,000枚:丁号含む 発行:昭和14年9月(枚数:122,700,000枚:丁号含む


戊号:50銭(h58×b120mm) 戊号:1円(h67×b140mm)
発行:昭和14年9月(枚数:69,400,000枚:丁号含む 発行:昭和14年9月(枚数:27,400,000枚:丁号含む


戊号:5円(h72×b150mm) 戊号:10円(h77×b160mm)
発行:昭和14年9月(枚数:1,520,000枚:丁号含む 発行:昭和14年9月(枚数:24,421,000枚:丁号含む


戊号:100円(h82×b170mm)
発行:昭和14年9月(枚数:2,000,000枚:丁号含む





ろ   号   券  (仏印地区用)
(ろ号券は、戊号券とほぼ同一のデザインで、仏領インドシナ方面で使用された)


ろ号:50銭(h58×b120mm) ろ号:1円(h67×b140mm)
五拾銭
壱 円
発行:昭和15年9月(枚数:5,800,000枚 発行:昭和15年9月(枚数:17,600,000枚


ろ号:5円(h72×b150mm) ろ号:10円(h77×b160mm)
五 円
拾 円
発行:昭和15年9月(枚数:1,700,000枚 発行:昭和15年9月(枚数:22,600,000枚:改造ろ号含む


改造ろ号:10円(h77×b160mm)
拾 円
発行:昭和15年 月(枚数:2,260,000枚:ろ号含む


参考文献:日本貨幣カタログ・2003(日本貨幣商協同組合)
       
日本紙幣(コレクター用)手引書:南部紙幣研究所
       昭和の歴史・小学館



大東亜戦争軍票





inserted by FC2 system