竹島問題:日韓応酬、想定外の激化
毎日新聞 2012年08月24日 01時37分(最終更新 08月24日 01時52分)
韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領の竹島上陸に端を発した日韓両政府の応酬は23日、野田佳彦首相が大統領宛てに送った親書を韓国側が突き返し、日本側が受け取りを拒否するという外交上、前代未聞の事態に至った。韓国側が植民地支配の歴史の象徴ととらえる竹島の紛争地域化を阻止しようと強硬姿勢を取るのに対し、日本側は領土問題の枠内で対応しようと努めているが、国内世論も意識して対峙(たいじ)せざるを得なくなっている。事態悪化に歯止めはかからず、先行きは見通せない。
◇日本側「冷静」、理解されず
「我々はクールに対応しようと思っているが、先方がクールさをあまりにも見失っている」。野田首相は23日午後の衆院予算委員会で、韓国政府が親書の返送を決めたことに強い不快感を表明した。
親書の返送は、日本政府にとっては想定外の事態で、22日に一報を聞いた外務省高官は「信じられない」と絶句。外務省幹部は23日午前まで「本当に送り返してくるのか」といぶかっていた。