- HOME
- 企業情報
- ニュースリリース一覧
- ニュースリリース2006
家のニオイって、いったいなんだろう?
小林製薬が判定する“生活臭”と消臭メカニズム
臭気判定士が家のニオイのモトを絶つ!
■家独自のニオイ=“生活臭”
知人の家に行ったとき、むっとするようなその家独自のニオイを感じたことはないでしょうか。同じように、誰かが自分の家に来たときにも、「この家、何かニオイがするな」と思われているかもれません。
弊社の研究によると、そのような家独自のニオイ=“生活臭”は、様々なニオイが混じり合ってできていることがわかっています。ヒトの体臭や、生ゴミだけではなく、普段の生活で発せられる調理臭や家の木のニオイなど日常のニオイも、放っておくうちに、混合して独特なニオイになるようです。
今回、“ニオイのプロ”小林製薬の臭気判定士が、ある家のニオイの原因を探り、解決策をご提案します。
■小林製薬ニオイ分析チームが、“生活臭”を分析
家のニオイ=“生活臭”の原因を突き止めたい、という生活者に代わって、小林製薬ニオイ分析チームが生活臭を分析しました。
−訪問宅での官能方法
ある3LDKのマンションの1室をニオイ分析チームが訪問し、気になるニオイを分析(官能)しました。居住者は夫婦と子ども3人の5人家族で、「特にニオイはしませんよ」とのことでしたが、実際はどうだったのでしょうか。
−ニオイ分析チーム分析結果
【玄関】 | 靴、足のほこりっぽいニオイや汗ばんだニオイのほか、生臭さや油臭さのような、キッチン由来の調理臭があった。これらが混じって、“玄関のニオイ=生活臭”になっている。 |
【リビング】 | 玄関同様、キッチン由来の調理臭が主。隣の和室の畳のイグサのニオイも混じっている。イグサのニオイは、日本人にとっては良い香りだが、調理臭と混ざるとただの“生活臭”になっている。 |
【キッチン】 | 調理臭や油臭さが強く感じられ、家中すべての場所の“生活臭”の原因となっている。 入り口付近では、洗面所からと思われるせっけんカスや水臭さも混じっている。 (「せっけんカスのニオイ」は、せっけんそのもののニオイとは異なり、ほこりっぽく水臭いようなニオイ) |
■“生活臭”の正体とは
―例:玄関のニオイを分析今回分析した、玄関のニオイを構成する1つ1つの悪臭濃度は、「人がやっと何のニオイであるか分かるレベル以下」の非常に弱いニオイです。しかし、人間の鼻では感知できないくらい弱いニオイでも、たくさんの物質が集まることで、生活臭になってしまうのです。
分析種類 |
悪臭の例 |
硫黄系 | 硫化水素、メチルメルカプタン |
窒素系 | トリメチルアミン、アンモニア |
酸系 | イソ吉草酸 |
アルデヒド系 | アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド |
炭化水素系 | トルエン、キシレン、ピネン |
■“生活臭”の主な原因はキッチン
検出したニオイのピークの値を元に解析を行ない、ニオイの種類別にマッピングしてみると、
“生活臭”に強く影響していることが分かりました。
検出した代表的なニオイのピークの合計を、ニオイの強さを表す値で割った値=ニオイ値を○の大きさで表しました。○が大きいほど、ニオイ値(ニオイの強さ)が強いことを示します。○の中の数値は、ニオイ値です。また、マッピング位置が近いほど、ニオイの種類が似ていることを示します。
マッピング結果
キッチンの周りにリビングと玄関がマッピングされ、官能と同様、似たニオイを発していることが分かります。キッチンの油調理臭を主に、リビングでは体臭、玄関では健材具が混じって新たな“生活臭”になっています。
消臭剤の消臭メカニズム 「イオン消臭」のしくみ
“生活臭”を防ぐ方法としては、(1)換気、(2)洗えるものは洗う、(3)消臭剤の利用が
効果的です。部屋の窓をまめに開けて風を通し、ニオイが染み付きやすい布製品などは洗濯し、
玄関に出している靴は靴箱に片付けておきます。また、ニオイの元があると分かっている場所には、
目的に合わせて消臭剤を置くとよいでしょう。
消臭剤の消臭方法には、
(1)物理的消臭(活性炭にニオイ物質を吸着させるなど)
(2)化学的消臭(臭気成分を化学反応によって中和・分解するなど)
(3)生物的消臭(酵素作用など)
(4)感覚的消臭(マスキング作用や感覚的中和作用など)
がありますが、様々なニオイの混ざった“生活臭”を消すには(2)の化学的消臭のひとつである
「イオン消臭」の消臭剤も効果的です。
−「イオン消臭」のしくみ
これは、イオン消臭成分を含む「イオンビーズ」を使用した消臭剤が、イヤなニオイを消すしくみです。
●悪臭成分・「アンモニア」を消す場合
アンモニア(NH3)がイオンビーズの表面に取り込まれて、アンモニアイオン(NH4+)になる。
アンモニアイオン(NH4+)がイオンビーズの中の消臭剤成分と引き合ってくっつく。
→イオン消臭
イオン消臭することで、ニオイの
しない化合物に変わる。
●悪臭成分・「硫化水素」を消す場合
硫化水素(H2S)が、イオンビーズの表面に取り込まれて、硫化水素イオン(SH−)になる
硫化水素イオン(SH−)がイオンビーズの中の消臭剤成分と引き合ってくっつく。
→イオン消臭
イオン消臭した後に、ニオイのしない化合物に変わる。
以上