報道発表資料 [2012年8月掲載]

不動産特定共同事業者に対する行政処分について

平成24年8月22日
都市整備局

 このたび、次のとおり不動産特定共同事業法(以下「法」という。)に基づく行政処分をしたので、お知らせします。

総括表

被処分者 処分内容 処分概要
免許番号 商号 代表者 所在地
東京都知事
第76号
都市綜研インベストバンク株式会社 代表取締役
柳瀬健一
東京都千代田区麹町一丁目7番地 不動産特定共同事業に係る業務の一部停止30日間及び指示 別紙

※参考資料 不動産特定共同事業について

問い合わせ先
都市整備局住宅政策推進部不動産業課
 電話 03-5320-4929

〔別紙〕

不動産特定共同事業者に対する行政処分について

平成24年8月22日
都市整備局住宅政策推進部不動産業課

被処分者 商号 都市綜研インベストバンク株式会社(資本金1億円)
代表者 代表取締役 柳瀬健一(やなせけんいち)
所在地 東京都千代田区麹町一丁目7番地
許可年月日 平成19年7月20日
許可番号 東京都知事 第76号
処分内容 不動産特定共同事業に係る業務の一部停止30日間及び指示
(1) 業務の一部停止
 不動産特定共同事業に係る業務のうち、不動産特定共同事業契約の締結、締結の代理又は媒介をする行為及び不動産特定共同事業契約の締結を勧誘する行為を停止する。
 ただし、知事が個別に承認する業務についてはこの限りではない。
(2) 指示
  1. 事業参加者に対し、今回の行政処分の内容等を十分に説明し、事業参加者の求めに応じた適切な対応を行うこと。
  2. 法第24条第1項及び第25条第1項違反に係る事項の改善状況について、平成24年9月20日までに、書面で報告すること。
業務停止期間 平成24年8月30日から同年9月28日まで
適用法条項 不動産特定共同事業法第35条第1項(業務停止命令)
同法第34条第1項(指示)
同法第24条第1項
同法第25条第1項
同法第35条第1項第3号
事実関係 第1 被処分者は、下記1から4までの業務を行った。
 これらの業務において、被処分者には次のとおり不動産特定共同事業法(以下「法」という。)違反があった。

1 被処分者は、平成22年6月1日付けで、不動産特定共同事業者Xと事業参加者Aとの間で締結された商品1の不動産特定共同事業契約において、販売代理として、法第24条第1項に定める書面(被処分者によるところの重要事項説明書をいう。以下同じ。)を交付して説明を行った。
(1) 法第24条第1項に定める書面において、対象不動産の地番を記載すべきところ、建物の所在地として市町村名及び町丁目のみ記載した。
(2) 法第24条第1項に定める書面において、当該対象不動産に、平成22年4月2日からテナントとして、B社が入っているにもかかわらず、物件概要にテナント名称を記載しなかった。
(3) 法第24条第1項に定める書面において、当該対象不動産について、「最近五年間の全賃料収入及び賃貸事業費用並びに主要な対象不動産ごとの総賃料収入及び当該対象不動産に係る賃貸事業費用並びに当該総賃料収入の全賃料収入に占める比率(過去の賃貸事業費用等が分からない場合はその旨)」を記載すべきところ、単に、全賃料売上の年間金額及び全賃貸事業費用(租税課金、外注管理費、損害保険料、修繕費用等)の年間金額のみを記載した。
 これらのことについて、(1) は法第24条第1項及び不動産特定共同事業法施行規則(以下「規則」という。)第20条第1項第11号イに違反し、(2) は法第24条第1項及び規則第20条第1項第14号ハ(1) に違反し、(3) は法第24条第1項及び規則第20条第1項第14号ホに違反する。

2 被処分者は、平成24年3月11日付けで、不動産特定共同事業者Xと事業参加者Cとの間で締結された商品2の不動産特定共同事業契約において、販売代理として、法第24条第1項に定める書面を交付して説明を行った。
(1) 法第24条第1項に定める書面において、対象不動産の建物の家屋番号について、実際に登記記録に記載された本件建物の家屋番号と異なる記載をした。
(2) 法第24条第1項に定める書面において、最近5年の稼働率(各年同一日における稼働率)の推移を記載すべきところ、当該対象不動産については、平成22年9月1日から運用を開始しているにもかかわらず、「最近の賃貸稼働率100%」とのみ記載した。
(3) 法第24条第1項に定める書面において、当該対象不動産に、平成18年8月10日からテナントとして、D社が入っているにもかかわらず、物件概要にテナント名称を記載しなかった。
 これらのことについて、(1) は法第24条第1項及び規則第20条第1項第11号イに違反し、(2) は法第24条第1項及び規則第20条第1項第14号イに違反し、(3) は法第24条第1項及び規則第20条第1項第14号ハ(1) に違反する。

3 被処分者は、平成23年1月26日付けで、不動産特定共同事業者Xと事業参加者Eとの間で締結された商品3の不動産特定共同事業契約において、販売代理として、法第24条第1項に定める書面を交付して説明を行った。
 その際、法第24条第1項に定める書面において、対象不動産について、「最近五年間の全賃料収入及び賃貸事業費用並びに主要な対象不動産ごとの総賃料収入及び当該対象不動産に係る賃貸事業費用並びに当該総賃料収入の全賃料収入に占める比率(過去の賃貸事業費用等が分からない場合はその旨)」を記載すべきところ、当該対象不動産については、平成23年3月30日から運用を開始しているにもかかわらず、単に、全賃料売上の年間金額及び全賃貸事業費用(租税課金、外注管理費、損害保険料、修繕費用等)の年間金額のみを記載した。
 このことは、法第24条第1項及び規則第20条第1項第14号ホに違反する。

4 被処分者は、平成24年5月4日付けで、不動産特定共同事業者Xと事業参加者Fとの間で締結された商品1の不動産特定共同事業契約において、販売代理業務を行った。
 その際、法第25条第1項に定める書面(被処分者によるところの匿名組合契約書をいう。)において、「対象不動産の所有権の帰属に関する事項」として、登記記録の記載に基づき、対象不動産の土地及び建物の所有権が、平成24年5月4日時点において、不動産特定共同事業者Xに帰属している旨を記載すべきところ、「本事業の建物の所有権は、すべて営業者に帰属するものとする。」とのみ記載し、土地の所有権の帰属に係る記載をしなかった。
 このことは、法第25条第1項第8号及び規則第21条第2項第6号に違反する。

第2 東京都は、被処分者に対し、平成22年4月2日付指示書により、法第34条第1項第1号及び第2号に該当する行為の再発を防ぐため、法及び関係諸法令遵守の社内研修及び教育計画を策定し、継続的にこれを実施することを指示したにもかかわらず、被処分者はこの処分に違反した。
 このことは、法第35条第1項第3号に該当する。