山本さん死亡:「政府系民兵が狙い撃ち」と反体制派証言
毎日新聞 2012年08月23日 23時03分(最終更新 08月24日 00時45分)
【カイロ前田英司】シリアの激戦地アレッポでジャーナリストの山本美香さんが銃撃されて死亡した事件で、山本さんと共に事件現場にいた反体制派メンバー2人が23日、毎日新聞の電話取材に応じ、「山本さんが政府系民兵に狙い撃ちされた」との見方を示した。
反体制派組織「シリア革命総合委員会」のアハマド・ハラビ氏によると、山本さんは銃撃される前に政府軍の砲撃で足に軽傷を負い、移動の車を待っていた。そこに政府系民兵が到着し、現場にいた山本さんや同僚の佐藤和孝さん、トルコ人2人、パレスチナ人1人の計5人のジャーナリストに向けて直接、銃撃を始めたという。
また、政府軍を離反した元兵士らで組織する「自由シリア軍」のムハンマド・アブルナスル氏は「山本さんは銃の乱射に巻き込まれたのではなく、カメラを持っていたために狙われた」と事件当時の様子を振り返った。
山本さんに同行していた佐藤さんも、2人は反体制派と現場に行っており「銃撃したのは政府軍か、政府側の民兵に違いない」と証言している。