サントラの作曲家の方は、歌のない楽曲やクラシックなどを主で作られている人と、歌のある楽曲のアレンジが主で作られている人に分けられると思いますが、菊谷さんはどちらかというと後者かと曲を聴いて思ったのですが…やはりその通り。アニメ作品では、キャラクターソングやオープニング・エンディング曲で、そこそこ認知されていたようです。
場面の定番のような楽器や旋律は比較的使うことがなく、どちらかというと楽器はあまり多く使わず、必要以上にメロディを重ねることない、歌の旋律を楽器に置き換えてシンプルに楽曲を仕上げています。その代わり、楽曲自体は結構短く、場面設定に合わせた旋律とそこに使われる楽器をかなり吟味して選択しています。確か、サントラの前作となる「となグラ!」では、日常的な場面以外の音楽がうまく作り込めず、日常的な場面の曲もいまいち旋律が目立たない雰囲気があったのですが、今回の「ひだまりスケッチ」では、日常に特化した欲張らない作り方が、うまくいったようにも思えます。
ただ、もともと自らがやっていた楽器ではなく、キーボードで楽器(音源)をコントロールするという手法で作っているためか、多少楽器が本来持ちうるリズムといったものと比較するとズレがあるように思います。でも、そのズレがこの楽曲を作るためにはうまく作用しているようです。
また、自らの持っている(知って使える)旋律の引き出しを結構使っていると思われますが、メインテーマとなっている楽曲の主旋律以外は、これから作り続けていく中で形になっていくように思われます。そういった意味では、サントラとしては習作っぽさが残っている感じがします。