本文へジャンプします。



文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大
※スタイルシートを有効にしてご利用ください


温家宝「安全第一宣言」でも拭いきれない

将来230基増設の大建設ラッシュ!「中国原発」で危惧される「3つの不安」

SAPIO 2011年5月4・11日号掲載) 2011年5月23日(月)配信

4ページ中 1ページ目

前のページ | 1 | 2 | 3 | 4 | 次のページ

文=清水典之(フリーライター)

ご存じだろうか。中国では将来、原発を230基も建設するという。世界にも類のないケタ違いの計画だ。盗用・パクリが当たり前と言われるこの国で、はたして安全性に問題はないのだろうか。

「稼働中や建設中の原発については安全検査を徹底的に行なう。とにかく安全第一だ」

 今年3月中旬に開催された中国の全国人民代表会議(全人代)で、温家宝首相は「安全」という言葉を何度も繰り返した。中国でも福島の事故に対する関心が高いため、温首相は抑え込みに躍起である。

 2010年6月、香港メディアによって深圳の原発で放射性物質漏れを指摘されたが、中国側は「外部への影響はない」と発表した。それもあって、「中国の原発では放射能漏れ事故が頻繁に起きている」「情報統制が行なわれており、報道されないだけ」といった疑念が絶えない。だが、現在では世界中の国が大気中の放射線量をモニタリングしており、事故を隠すのは難しくなっている。最近では中国政府は、IAEAに報告義務のないレベル0、1の事象(外部へ放射性物質の漏れはない)でも情報公開するようになった。

 また、稼働中の原発は古くても85年着工であり、福島第一原発のような70年代着工の旧式とは世代が違う。

 現状では安全に運転されていると考えるのが妥当だが、真の問題はそれ以外にある。

続きを読む : 速い建設ペース、人材不足、…

4ページ中 1ページ目

前のページ | 1 | 2 | 3 | 4 | 次のページ



掲載誌別に見る




推奨画面サイズ
1024×768 以上

  • Copyright (C) 2012 小学館 記事の無断転用を禁じます。/各記事のタイトル・本文・写真などすべてのコンテンツの著作権は、それぞれの配信社、またはニフティ株式会社に帰属します。


このキーワードの