− 第15回 −
安藤美冬氏未来授業
〜ノマドワーカー 新しい働き方〜
ツイート
自分発信のコミュニティ
会社員時代に勉強会を立ち上げ、毎月1回週末に起業を目指す女性35人で集まって、独立のための勉強をしていました。よかったのは、「自分発信での人集め」を経験できたこと。そして人を集めていくなかで、起業家の方など外部の人々とのつながりもでき、そこから仕事を回し合う関係を構築できたことです。自分自身にそんな経験があるので、たとえ小さなことでも自分発信でコミュニティを作ることをお勧めします。
それから、シェアオフィスとかワーキングスペースと契約するのもいいと思います。月額1万5000円から2万円払えば、表参道や渋谷界隈のレンタルオフィスを借りられます。そこに仕事を持ち込むのもよし、出入りするフリーランスの人と繋がりを作るのもよし。職場と自宅以外の場所を意識的に作ると視点や繋がりが増えます。そして自分の活動領域圏外に出ることが、仕事にリターンをもたらすのです。
これからの働き方
私はアナログな人間で、1年前はガラケーからせっせとツイッターを発信していました。必死にデジタルでのセルフブランディングの仕方を編み出したのです。しかし下の世代は、生まれながらにしてデジタルでの見せ方や繋がり方を知っています。感覚的に、協業したりつながったり発信ができている。という意味では3年後、5年後、そんな働き方がスタンダードになるだろうと思います。信頼が無形の資産になるはずなのです。独立してみて驚いたのは、信頼の重要性です。私は営業をしないと言っていますが、相手からすれば「私が何者なのかわからない」ことになります。にもかかわらず仕事をくださる人がいるのはなぜか。要はツイッター、フェイスブック、ブログなどのソーシャルメディアによって、私の人間性を理解していただいた上で仕事をくださるのです。今後は、ますます信頼が仕事のベースになってくるはずです。
仕事の仕方、働き方、生き方も、いまは本当に過渡期だと思います。ある側面を見れば会社も危ないし、安定も揺るぎ、日本はどうなるかわからない。でも別な側面から見れば、働き方、生き方を開拓していく余地がある。そういう意味で、私はすごくチャンスに満ちていると思っています。たぶん私以上に、10年後の人たちは働き方も生き方も変わるでしょう。ソーシャルメディアを使いこなすことも当たり前になり、フリーランスの人ももっと増えると思います。そして第三、第四の働き方もどんどん生まれると思います。だからこそ、どう生きていきたいのか、どんな働き方をしたいのかを突き詰め、自分自身を最大限に生きてもらいたいと思います。そしてそのために、自分の心に正直であり続け、諦めないで夢を追い続けていただきたいのです。
(2012年8月20日掲載)