三国通信3
三国通信 3
5月16日付けの「上毛新聞」一面トップで、サッカー場計画の断念記事が掲載された。1月20日付けの計画発表の記事は一面ではあったが、地図も写真もなく扱いは地味だった。訂正記事ともいえる今回の記事の方が、扱いが大きいのはどういうことだろうか?今回の記者が、行政の計画発表を検証することもなく記事にした(1月27日付けの「群馬建設新聞」も同内容で掲載している)お粗末な記者とは別人ということだけではないだろう。
電話取材では本意が伝わらない恐れがあるので躊躇したが、時間の調整がつかなかったので(記事にならないよりは良いだろうと)5月14日に数分間電話でのやり取りをした。しかし、筆者の言いたいことは短い文章であるが端的に現されていたので杞憂だった。「・・・ごみの上でプレーしたくないし、子どもにもさせたくない」と。
それに比べ熱心に協力してきた住民の一人の発言は、「J1呼びたかった」の小見出し付で2倍以上のスペースで紹介されていた。「・・・埋め立ての終わった処分場で有害物質が問題になったことはない。相当な自己負担をして協力してきたのに残念・・・と悔しがった」。なぜ個人負担をしてまで行政提案を推進するのか?
サッカー場が出来ることで利益を得る者がいる。処分場所有者(農地を買い占め転用した)のウィズ・ウェイスト・ジャパンだ。現在は維持管理費などの支出しかないのに、サッカー場が建設されれば地代収入が見込める、臭いものに蓋ができる、一挙両得だ。次に業者だ。誘致活動に特に熱心に協力してきた住民の一人は設備業者だ。そして政治家・・・と列記してくると原発に絡む利権構図と同じに見えてくる。3.11(福一原発事故)をどこか他人事のように感じていた自分の中に、あるいはみなかみ町に福島があることに気づくのだった。
町長提案を町長自ら否定し、議会で可決した議案を議会で覆した一連の出来事は、新聞のトップ記事に値するということだ。(河合純男)
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