水素水に騙される人達
沼田の一部で水素水というのがはやっているらしい。なんでも、水素が活性酸素を減らすので、これを飲むと健康に良いという触れ込みらしいです。この水素水を造る機械というのがやたら高い。たとえば、アキュエラブルー という機械は約30万円もします。
水素が還元作用を有していることは事実ですが、だからといって、水素水を飲めば健康になるというのは論理の飛躍です。科学的な説明は、水商売ウォッチングを続ける山形大学の天羽先生のブログなどが参考になります。是非ご覧ください。
この水商売でもっともたちが悪いのは、腎不全にも効くかのような宣伝をしていることです。たとえばこれ。たしかに、ラットを使ってそういった研究はなされています。しかし、それが人間にそのまま当てはまるか、副作用はないかとなると全く別です。もし、どうしても、試してみたいのならば、こういった研究をしている東北大学などの専門機関の診断を仰ぐべきで(現時点で処方するはずがありませんが)、素人療法で飲用すべきではありません。まして、人工透析をされている方は水分摂取の管理も必要なのですからやたらに飲めば逆効果です。
こんなこと、冷静になって考えればすぐ解ります。そんなに水素水が良いならもっと浸透しているはずです。どうして、一部の人達にしか広まらないのか、どうしてこんなに高いのか、どうして医者が処方しないのか。まあ、病気を治したいという不安につけ込んだ商法ですから、病気で苦しんでいる方ほど騙されやすいのですが・・・
放射能に便乗した不安商法も数限りなくあります。水素水に騙されるような方は例外なくそういうのにも騙されてしまうようです。放射線がDNAを壊すというのも活性酸素を作ることが大部分ですから、そのうち水素水が内部被曝を減らすというのも出てきそうです(もうあるのかも)。ちょっとした科学リテラシーと批判精神を身につけていれば騙されるはずがないのですが、小出裕章氏や菊池洋一氏の著書を丸呑みしてしまうような方にそれを望むのは無理なのでしょう。こういった人達に共通しているのは、議論ができないと言うことです。都合の悪い話には耳をふさいでしまうのです。だから騙される。
しかし、もういいかげん騙されるのやめませんか。(杉山弘一)
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