南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。

繊維業界新聞「繊維ニュース」の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

底打ち感が出てきたジーンズメイト

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 恒例のライトオンとジーンズメイトの8月売上速報が発表された。

ライトオンは

既存店売上高が前年比3・4%減
既存店客数が同8・7%減
既存店客単価が同5・5%増


だった。

ジーンズメイトは

既存店売上高が前年比6・0%増
既存店客数が同3・9%増
既存店客単価が同2・0%増


だった。

8月は全般的に盛り上がらない月次であるため、両社の実績もその雰囲気を反映していると感じられる。
ジーンズメイトは売上高、客数、客単価が3つとも前年実績を上回っており、ようやく一息ついたように見える。
しかし、昨年8月の実績を見ると、好調に転じたというよりは「底打ち感」が出てきたという方が正しいのではないか。

昨年8月の
既存店売上高は前年比17・4%減
既存店客数は同31・2%減
既存店客単価は同20・1%増


である。

一方、比較的好調を続けてきたライトオンだが、8月はやや苦戦したという印象を受けるかもしれない。
しかし、同じく昨年8月の実績を見る。

既存店売上高は前年比10・8%増
既存店客数は同13・2%増
既存店客単価は同2・2%減


である。

昨年が伸びすぎたので、今年は微減したというところが実状ではないだろうか。


今半期(2012年3~8月)の実績を見ると、これまで苦戦を続けてきたジーンズメイトにようやく底打ち感が出てきたと感じられる。まだ回復には至っていないと思われるが、今後どのように反転攻勢をかけるのか(かけるつもりがあるのか)に注目したい。

 

一体店員にどんな指導をしているの?

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 先日、驚いたことがあった。
あえて店名を書くが、あべのandの無印良品で、セール品を物色していた時のことだ。
8月に底値にまで下がった夏物を購入して、10月末まで夏物で過ごす。
関西は10月半ばまでは25度以上の夏日が続く。昨年は10月末まで夏日が続いていた。
だから筆者は10月下旬まで夏服ですごしている。

我ながら衣料品業界関係者とは思えないダサさである。

「まだ50%オフか~、もう少し値下がりするのを待とう」

とぼんやり考えて値札を見比べていたら、「走るな!」という男性の威圧するような声が聞こえた。
声のする方向に目をやると、20代後半~30代前半くらいの男性が子供を睨みつけている。
どうやら小学校低学年の男の子二人が走っていたらしい。その男性の着用していたシャツは無印良品のチェックシャツなので、店員に見えたのだが、まさか店員が怒鳴るはずもない。

だから最初は、たまたま無印良品の服を着たお父さんか親戚のオジサンかと思った。

しかし、名札を首からぶら下げていたから店員である。

これにはさすがに唖然とした。

いくら子供が目に余る様子だったと言っても怒鳴りつけることはおかしい。
個人的には、子供らはそれほど気になる騒ぎっぷりでもなかったと感じた。
この店員がたまたまイラついていただけかもしれないが、これは接客業としては失格である。
良品計画はもう一度この店員に基礎から研修を受け直させるべきだろう。


日本では販売員は下に見られがちな職種である。
だから、応募する側も「販売員ならだれでもなれる」という軽い気持ちもある。
募集する店側も「まあ、品出しとレジ打ち、おたたみくらいを覚えてくれたらええよ」という軽い気持ちがあるのも事実だ。

そのため、こんな店員にたまにお目にかかる。

この店員を野放しにしておくのなら、あべのandの無印良品で買い物をすることは今後ないだろう。






マスコミは煽りすぎじゃないか?

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 自分がマスコミの片隅に身を置きながら、どうにも国内の報道に違和感を感じる。
とくに衣料品・ファッション関係の報道は針小棒大に「持ち上げて」それで終わりだ。
一部の媒体や記者を除くと追跡報道も突っ込んだ取材もあまりない。

先日から、デンマークの雑貨ショップ「タイガー」の顛末をしつこく書いているのは、それに対する抗議の意味もある。
スゴイスゴイと持ち上げておいて、何度も臨時休業を繰り返す原因については深く報道しない。
挙句の果てには、国内最大手の100円均一ショップ「ダイソー」まで脅かすのではないかという論調まで飛び出したのには驚くほかなかった。

そういうわけで、先日(8月17日)、ユニクロがアンダーカバーとのコラボ商品「UU」最終コレクションの先行発売を開始したのだが、この論調もにわかには信じられずにいる。
いわく、

銀座店には開店前から300人が行列をなし、売り切れアイテムが続出

と伝えられている。銀座店の様子は事実だろう。
しかし、これを持って「UU」は今秋冬物が爆発的に売れる。とは思えない。
現に、そこらのユニクロにだって今春夏物の「UU」は格安に値引きされて何型も残っているじゃないか。
無地の半袖Tシャツが790円に値下げされてるじゃないか。
ボーダー柄の半袖ポロシャツは残っているじゃないか。



実は昨年秋の「+J」の先行販売の報道を目にしたときには、その勢いが全店で続くのではないかと信じていた。
ところが、一部の商品は今年1月、2月までで売り切ることができたが、その他の商品はけっこう残っていた。
さらに言うなら、つい最近まで、昨年春夏物の「+J」が値下げされて販売されていた。

ちなみに昨年9月8日に、「+J」の先行販売会が行われたのだが、そのとき、

ユニクロ銀座店に長蛇の列

と報道されている。

今回の「UU」先行販売会の論調とそっくりではないか。

思い起こせば「+J」のファーストシーズンはかなり好評だった。
多くのアイテムが早い時期に完売した。
しかし、セカンドシーズン以降は店頭在庫を見ている印象では、通常のユニクロ商品並みの売れ行きだったと感じる。シーズン終盤になるまでほとんどのアイテムが品切れを起こしていなかった。

そして個人的には、ラストシーズンの「UU」は昨年秋冬の「+J」と同等に在庫が残ると見ている。

こういう状況を見ていると、「好調」という報道がどこまで真実を伝えているのか甚だ疑問を感じる。
昨年夏に煽りまくったステテコはどうだ?今夏は各量販店が投げ売りしているじゃないか。590円とか690円にまで値下がりしてるじゃないか。それでもまだまだ店頭在庫は残っている。


個人的に、ファッション関連の報道、とくに特定のアイテムや特定のブランドが「売れている」とか「絶好調」という報道は参考程度に聞き流すようにしている。
煽るだけがファッション報道ではないと思うのだが。
それに、マスコミが煽ってブームを起こすなんていう手法は90年代で終わっている。
意識的にか無意識的にか、日本のファッション報道はまだ煽り体質が色濃く残っている。それがどうにも鼻についてならない。



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