東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた宮城県沿岸部のJR気仙沼線で20日、専用道にバスを走らせる「バス高速輸送」(BRT)が始まった。被災した鉄道に代わるBRT導入は初めて。この日、開通した専用道は2キロだが、JR東日本は、不通の柳津(やないづ)―気仙沼駅間(約55キロ)の6割を専用道にする方針だ。
JR東は震災後、柳津―気仙沼間で振り替えバスを運行。鉄道による復旧が難しいことから、線路のあった場所に専用道を設けるBRT化の工事を段階的に進めている。このうち気仙沼市の陸前階上(はしかみ)―最知(さいち)駅間の約2キロが、気仙沼市の気仙沼向洋高校の始業式にあわせて20日に開通した。
陸前階上駅にいた同高1年の吉田暁斗さん(16)は「本数が増えて便利」。震災後の振り替えバスより上下線とも10本前後増えた。