やっと決まった義援金配分率-速やかな配分は望めるのか?


・死者・行方不明者1人当たり35万円

・住宅が全壊・全焼した世帯は35万円

・半壊・半焼の場合には18万円

・福島第1原発事故の影響で避難を強いられた世帯には35万円

これは、8日、日本赤十字社や中央共同募金会、そして、被災した15都道県の代表や有識者による義援金配分割合決定委員会が決定した第1次義援金配分の基準額だ。

AFP/Getty Images
募金活動を行う学生(3月、盛岡市)

東北地方を襲った観測史上最大マグニチュード9.0の地震と津波から1カ月。日本赤十字や中央共同募金には、6日までに総額1283億8000万円もの「善意」が寄せられたものの、これまで、この義援金がいつどのように分配されるのかの見通しが立っていなかった。基準額が妥当かどうかの議論はあるだろうが、この決定で、義援金の行方に、いったんは道筋がついた格好だ。

そもそも、なぜ、義援金の配分には時間がかかるのか。通常、日本赤十字や中央共同募金に集められた義援金は、都道府県が立ち上げる委員会によって配分率が決められ、全額が被災者に分配される。阪神淡路大震災の時には約1793億円の義援金が集まったが、兵庫県によると、震災から2週間後の2月1日に、一律10万円の見舞金の分配が始まったという。

しかし今回は、被災地域が15都道県と広範囲に及び、さらに、分配率を決める委員会を立ち上げる自治体機能自体が打撃を受けたことなどから、配分作業が難航している。そのため、厚生労働省が関与し、委員会を立ち上げて配分基準を示した形だ。

一方で、義援金の中には、直接都道府県に寄せられるものもある。福島県は今月1日に委員会を立ち上げ、直接県に送られた義援金について、5万円ずつを約6万5000の避難世帯に配分することを決めたという。しかし、原発の影響で自治体の所在地が移転しているなど、自治体が機能しておらず、配分の時期のめどは立っていないと、県の担当者は話す。

また、分配率が決まったからと言って、それが速やかに分配されるとは限らない。各都道県の分配委員会は、今回決定した分配基準をもとに、被害の実態状況に基づき分配割合を算定する。分配決定委員会は自治体に迅速な支給手続きを求めているものの、行政機能が失われたままでは、具体的な支給時期の見通しを立てることもできない。また、被害の実態の把握も進んでいないことから、義援金を公平に届けることも困難だと各県の担当者は話す。

「善意」はあるのにそれを渡すすべがない。国内外から集まった「善意」が被災者たちに届くのには、まだ少し時間がかかりそうだ。

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コメント (5 / 9)

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    • 民主党は早く東電の国有化で社員の年収を平均サラリーマン約400万円まで引き下げて国民に損害賠償させろ。

    • 全額被災者に配分?いつ?公務員は潤沢に給料もらえているが、収入の無い方はどうなっている!!!!     

    • 福島第1原発事故の影響で避難を強いられた世帯には35万円?
      義援金によって、東電の賠償金を一部肩代わりしていることに不快!!

    • 最高指導者が大まかな形で義捐金を分配しろ!”一言!東北の被災者たち、いや日本国民の活性をする方向付けしてこそ
        がんばろ日本! ではないでしょうか

    • 最高指導者が大まかな形で義捐金を分配しろ!”一言!東北の被災者たち、いや日本国民の活性をする方向付けしてこそ
        がんばろ日本! ではないでしょうか












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