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【経済】

事故後、延べ24人に資金 電事連関係企業

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 全国市民オンブズマン連絡会議は十八日、全国十四道県の原子力関係の審議会で学識経験者として委員になっている延べ二百六十五人のうち、東京電力福島第一原発事故後の二〇一一年度に延べ二十四人が、電気事業連合会の関係企業から、研究費や寄付などの形で資金の提供を受けていたとの中間調査報告を発表した。

 十四道県は原発が立地する十三道県と立地計画のある山口県。一〇年度にも延べ二十一人が資金提供を受けていた。調査は委員の所属大学などに対し、寄付や、外部からの委託で研究を行う受託研究など外部資金の受け入れに関する資料の開示を求める情報公開請求の手法で実施した。

 同連絡会議は「原発再稼働には地元の意向が無視できないが、審議会委員が電事連の構成企業から寄付を受けていた場合、審議会の議論が公正であるとの説得力を持たないのではないか」と指摘している。

 同連絡会議によると、資金提供を受けていたのは多くが工学部の原子炉の研究者で、茨城県の原子力安全対策委員だった東大大学院の関村直人教授は、一〇年度に三菱重工業などから約四千二百万円を受け取っていた。

 一一年度には、島根県原子力安全顧問会議委員の産業技術総合研究所の佃栄吉理事が名称不開示の企業から一千万円、茨城県原子力東海地区環境放射線監視委などの委員だった東大大学院の小佐古敏荘(こさことしそう)教授が日本原燃などから九百四十五万円、福井県原子力安全専門委の委員を務めた、福井大大学院の飯井(めしい)俊行教授が中部電力などから約七百五十万円を受け取っていた。

 調査で資金提供を受けたと指摘される学識者の一人は「研究費は企業から受託研究のために受けているもので、使途が自由な寄付と同列に扱うべきではない。日本の大学の研究費は極めて少なく、(資金提供を受けるのは)必要不可欠だ」と反論した。

 

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