月額490円でスマホを使える格安SIMカード登場
読売新聞(ヨミウリオンライン) 8月22日(水)11時12分配信
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上がNTTドコモのSIMカード(標準サイズ)で、下がiPhoneのmicroSIMカードだ |
インターネット接続サービスを提供するDTI(ドリーム・トレイン・インターネット)から、月額490円(別途、初期費用3150円が必要)で利用できる格安のデータ通信専用SIMカード「ServersMan SIM 3G 100」が登場した。
SIMカードとは、通信事業者が発行する契約者情報を記録したICカードのことだ。「ServersMan SIM 3G 100」のサイズは標準サイズ(25×15ミリ)で、「iPhone(アイフォーン)」などに使われているmicro SIMカードの提供はない。
使用できる機器は、通信方式が「WCDMA」「HSDPA」「HSUPA」対応で、周波数が「2100MHz」または「800MHz」に対応していることが条件となる。技術基準適合認定(技適)マーク表示のあるSIMフリー端末を含む、NTTドコモ FOMAネットワーク対応端末で利用できる。
また、NTTドコモが販売している通信端末の場合、SIMロックが解除されていなくても使える。SIMロック解除には手数料3150円が必要となるが、その作業と費用は不要だ。
今回、いずれもNTTドコモの製品で、SIMロックされた「GALAXY S(SC−02B)」と、SIMロック解除をした「GALAXY NEXUS(SC−04D)」で試したが、問題なく通信ができた。
使用する通信回線は、NTTドコモのFOMA 3Gネットワーク網だ。通信速度を100kbpsに制限することで、月額490円という低価格を実現している。
なお近日中に、最大14Mbpsの高速通信への切り替えができる有料のオプションサービスを提供開始する予定としている。
加えて、月額490円には、インターネット上のデータ保存領域が使える同社のオンラインストレージサービス「ServersMan@Disk」の1ギガバイトの使用料も含まれる。
■SIMカードの初期設定
「ServersMan SIM 3G 100」を利用するには、はじめにスマートフォンの電源を切り、SIMカードを入れ替える。
起動したら「設定」画面から、接続先を指定するためのAPN設定を行う。ここでは、「GALAXY NEXUS」を例に手順を解説する。
「設定」画面を開いたら「データ使用」欄の「その他」をタップ。次の画面で「モバイルネットワーク」をタップし、次の画面で「アクセスポイント名」をタップする。
次の画面に、APN設定の一覧が表示される。ここで画面右下のボタンをタップし、「新しいAPN」をタップ。次に表示される画面で設定を行う。設定内容は、「ServersMan SIM 3G 100」購入時にSIMカードが入っている台紙に書かれている。設定できたら画面右下のボタンをタップし、「保存」をタップ。
画面がAPNの一覧に戻るので、新しく作成した設定を選択。これで、設定は完了だ。最後に、スマートフォンを再起動する。
■使い勝手を検証
・使えなくなるサービス
「ServersMan SIM 3G 100」はデータ通信専用のため、電話機能、携帯電話番号などでメッセージをやり取りするSMS(ショートメッセージサービス)、NTTドコモのメールサービス(spモードメール)は使えなくなる。
ただし、無料通話&メールアプリの「LINE(ライン)」や「Viber(ヴァイバー)」、あるいは「Skype(スカイプ)」を使えば、同じアプリを使っているユーザー同士の通話やメッセージのやり取りはできる。
また、有料ではあるが、「050plus」(月額315円)なら電話番号を持つことができ、携帯電話やスマートフォン、固定電話へ電話をかけることもできる。
今回、「LINE」「Viber」「Skype」で通話テストをしたが、音声が途切れることなくきちんと通話ができた。また、「Skype」によるテレビ電話も試したが、こちらも画質は落ちるものの、会話はできた。
ただ注意したいのは、通信速度の100kbpsはベストエフォート型のため、速度が保証されるものではないという点だ。今回の試用で問題なく使えることは確認できたが、DTIが保証するものではない。
・ストリーミング再生
インターネット上の動画や音楽データをダウンロードしながら再生するストリーミング再生には向かない。結構待ち時間が発生するためだ。
ちなみに、NTTドコモが提供する音声アシスタント機能「しゃべってコンシェル」は利用できた。音声をインターネットとやり取りするため、答えが返ってくるのにやや時間がかかるものの、実用的なレベルだと感じた。
・メッセージのやり取り
テキストメールの送受信や、「Twitter(ツイッター)」「Facebook(フェイスブック)」アプリの利用は問題なく行える。画像を投稿する場合は別だが、投稿を見たり、テキストベースの投稿をする程度なら、速度を気にすることはなかった。
・地図の活用
外出先でよく使う地図アプリの「マップ」は、違和感なく使えた。地図のスクロールや場所を検索しての地図表示など、ストレスを感じることはなかった。
・ウェブの閲覧
最後に、ウェブの閲覧だ。100kbpsという数値だけを見ると、ウェブページの表示はかなり遅いのではないかと予想していた。しかし実際に使ってみると、サクサクとはいかないものの、予想よりも速い。
例えば、ウェブ閲覧アプリ「Google Chrome」を使ってYOMIURI ONLINEの「ネット&デジタル」のページを開くと、待ち時間が約8秒。ページの内容で表示までの待ち時間は変わるが、10秒前後で表示できる。
ちなみに、「GALAXY NEXUS」においてテザリング機能(スマートフォンを無線LANルーターのように使う機能)も利用できた。
■オンラインストレージサービス
1ギガバイトのデータ保存領域が使える「ServersMan@Disk」は、パソコン、インターネット(クラウド)、スマートフォン間でデータ同期が可能だ。
ウェブ閲覧ソフトでデータ管理でき、パソコン用ソフト、スマートフォン用アプリも無償で利用できる。いずれかでデータを追加すれば、全端末が最新の状態になる。
速度や一部機能は制限されるものの、月額490円という価格は魅力だ。ファイルサイズの大きなデータのやり取り、アプリのダウンロードをするときなどは無線LANを上手に使えばいい。
機種変更して余ったスマートフォンを家族用に使う場合などに利用するのもいいだろう。毎月支払う通信費を抑えるために、検討に値する製品だ。(テクニカルライター・小野 均)
最終更新:8月22日(水)11時12分
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